ぶどう畑から大きなステージへ──音大卒クラリネット奏者、再起の物語
2026/02/27(更新 2026/10/01)
音大卒のクラリネット奏者・みゅうさんは、いま山梨とニュージーランドの二拠点で、農業と音楽の二足のわらじで活動しています。演奏を届ける場は、オンラインライブです。
最初はチケットが2〜3枚しか売れませんでした。そこから活動を立て直す過程で身につけたのは、演奏力ではなく「音楽を自分で売る力」だったと振り返ります。
地方での音楽活動、オンラインライブ、音楽を仕事として続けること。そのすべてを現実にしている道筋を聞きました。
この記事の結論
- 音大の卒業間際に「仕事がない」という現実にぶつかり、同じ時期に母を亡くしています。
- オーケストラのアカデミーに進んだものの、「このままでは音楽が嫌いになる」と感じてクラシックの王道を離れました。
- 楽器アイドルとして約3年。音色を追い求める音楽人生とは逆の、見せ方を徹底的に追求する経験を積みます。
- ソロ活動は順調でしたが、コロナ禍でリアルの場が消滅。ぶどう農園で働き始め、二拠点生活に移りました。
- オンラインライブは最初チケットが2〜3枚。「なぜやるのか」「なぜ今なのか」を言葉で伝え続けて増やしました。
- 身につけたのは演奏力ではなく「音楽を自分で売る力」。自分の音楽に値段をつけられる自信につながっています。
- 目標は「88歳まで現役で吹く」。音楽は短距離走ではなく人生の旅だと語ります。

活動の変遷を並べると、次のようになります。
| 時期 | 活動 | 直面したこと |
|---|---|---|
| 幼少期〜高校 | バイオリンからクラリネットへ。吹奏楽部部長、音楽の強豪校 | 負けず嫌いで楽器に向き合う |
| 音楽大学 | 成績も良く実力を認められる | 卒業間際に「仕事がない」現実と母の急逝 |
| オーケストラのアカデミー | クラシックの王道を進む | 「好き」より「義務」が勝つ世界 |
| 楽器アイドル(約3年) | 見せ方を徹底的に追求 | 周囲からの厳しい評価と後ろめたさ |
| ソロ演奏家 | 東京でリアルライブを重ね音楽で生活 | コロナ禍でリアルの場が消滅 |
| 二拠点生活+オンラインライブ | 山梨とニュージーランド、ぶどう農園と音楽 | チケットが2〜3枚から始まる |
順調だった演奏家への道
ご両親の影響で幼少期から音楽に触れ、バイオリンの習い事から始まった楽器奏者の歩み。 クラリネットを手にしたのは小学校高学年の頃でした。 中学校では吹奏楽部部長、高校では音楽の強豪校へ進学。
何事にも負けず嫌いで、一生懸命に楽器と向き合う中、自然と音楽大学へと進んでいきました。
大学での成績も良く、その実力は周囲からも認められた存在。 まさに正統派演奏家そのものでした。
初めての挫折
しかし、大学4年。卒業を目前にして現実にぶつかります。
「仕事が、ない。何を目指してこんなに頑張ってきたんだ?」
追い打ちをかけるように、母が急逝。
人生と音楽、両方でどん底の気持ちになったタイミングで、彼女は「それでも音楽に向き合うことが自分の道」と決め、オーケストラのアカデミーへ進みます。 しかし、そこは“好き”よりも“義務”が勝つ世界。
「このままでは、音楽が嫌いになってしまう」
そう感じた彼女は、クラシックの王道を離れ、楽器アイドルの現場へ。
「残念だね」「こんなことがしたかったの?」
エリート街道から外れた彼女への評価は厳しく、それまで関わった人々への後ろめたさも感じながら、本当にやりたい音楽を探し求めました。
そして演奏家アイドルとして約三年。 音色をひたすらに追い求めたこれまでの音楽人生とは全く違う。 見せ方を徹底的に追及した経験を経て、ソロ演奏家としての人生がスタートしていきました。

coromとの出会い
ソロ活動は順調。アイドル時代のファンの応援もあり、東京でリアルライブを重ね、音楽で食べていける状態でした。 しかし、コロナ禍でリアルの場が消滅。音楽だけで進む道が閉ざされ、彼女はぶどう農園で働き始め、ニュージーランドと日本を行き来する生活を始めました。
そんな二拠点生活の中で出会ったのが、オンラインライブを“コンサート形式”で届けられるcorom。
「配信アプリとは違って、音楽として届けられる場所だと思ったんです」
演奏をコンサートとして届ける形式についてはマイクロライブとは?で解説しています。
オンラインライブでファンが増えたプロセス
最初は大苦戦。チケットは2〜3枚しか売れない状態でした。 それまで行っていた無料で見られる配信に慣れた人にとって、「チケットを買うオンラインライブ」はハードルが高い。
それでもみゅうさんは諦めませんでした。
「なぜやるのか」「なぜ今なのか」を言葉で伝え続けました。 すると少しずつ、応援したい人が増えていきました。
この過程で彼女が身につけたのは、演奏力ではなく「音楽を自分で売る力」でした。
配信での集客の組み立ては配信ライブで集客するには?、始め方そのものはオンラインライブの始め方で扱っています。
地方からでも海外からでも音楽で収入は作れる
coromを続ける中で、みゅうさんは初めて「音楽を商品として扱う」感覚を持ちました。
「私は演奏家だけど、同時に営業でもあるんだ」
この意識の変化が、 収益だけでなく「自分の音楽に値段をつけられる」という自信として蓄えられていきました。
現在の彼女の拠点は、山梨とニュージーランド。 それでも、オンラインライブを通じて全国、世界へ演奏を届けられます。
ぶどう畑で土に触れながら、コンサートを開く。 この生活が、彼女の音楽に唯一無二の物語性を与えているのです。
同じく地方から活動を立て直した例は地方で音楽活動を続けるには?でも紹介しています。

同じように悩むアーティスト・演奏家へ
みゅうさんは言います。
「音楽は短距離走じゃなく、人生の旅です」
coromは、そのための“ルート”を一緒に探せる場所。
coromに出会う前は 「このまま続けていていいのか」「今さら挑戦しても遅いんじゃないか」 そんな悩みが続き、大きな夢を描くことなんてできていませんでした。
しかし、coromでの活動をはじめ、自分自身の活動を見つめ直し、目標が見つかりました。 「88歳まで現役で吹く」 そう決めた瞬間、見え方が大きく変わっていきました。
「何歳でも、どこにいても、本気になれる場所がある。音楽を諦めなければ。」 彼女は今日も音楽に向き合い続けながら証明しています。
活動の続け方で迷っている方は音楽を続ける方法、気力の保ち方は音楽活動のモチベーションが続かない…維持するための具体策もご覧ください。
よくある質問
音大を卒業しても演奏の仕事はないのですか?
みゅうさんは卒業を目前にして「仕事が、ない」という現実にぶつかったと語っています。成績も良く、実力を周囲から認められていた状態でも同じでした。
演奏で生計を立てる道筋については楽器演奏者になるには?で整理しています。
クラシックの王道から外れることに不安はなかったのですか?
ありました。オーケストラのアカデミーは「好き」より「義務」が勝つ世界で、「このままでは、音楽が嫌いになってしまう」と感じて離れたと話します。
楽器アイドルの現場に移ったときは「残念だね」「こんなことがしたかったの?」という評価を受け、それまで関わった人々への後ろめたさも感じていたそうです。
楽器アイドルの経験は演奏に役立ったのですか?
約3年の活動で、見せ方を徹底的に追求する経験を積みました。音色をひたすらに追い求めたそれまでの音楽人生とは、まったく違う種類の経験です。
その経験を経てソロ演奏家としての活動が始まっています。
オンラインライブはすぐにうまくいったのですか?
最初は大苦戦で、チケットは2〜3枚しか売れませんでした。無料で見られる配信に慣れた人にとって、チケットを買うオンラインライブはハードルが高かったと振り返ります。
そこから「なぜやるのか」「なぜ今なのか」を言葉で伝え続けたことで、応援したい人が少しずつ増えていきました。
地方や海外にいても音楽で収入は作れますか?
みゅうさんの拠点は山梨とニュージーランドです。それでもオンラインライブを通じて全国、そして世界へ演奏を届けています。
本人は「私は演奏家だけど、同時に営業でもあるんだ」という意識の変化を挙げ、それが収益だけでなく「自分の音楽に値段をつけられる」という自信につながったと話しています。
今の目標は何ですか?
「88歳まで現役で吹く」。活動を見つめ直すなかで見つかった目標で、そう決めた瞬間に見え方が大きく変わったといいます。
「音楽は短距離走じゃなく、人生の旅です」という言葉も、同じ考え方から出たものです。
ぶどう畑から届けるクラリネットのまとめ
音大卒のクラリネット奏者・みゅうさんの歩みを整理します。
- 卒業間際の「仕事がない」という現実と、母の急逝が重なった時期を越えている
- クラシックの王道を離れ、楽器アイドルとして見せ方を学んだ約3年がある
- ソロで音楽で食べていける状態まで到達したが、コロナ禍でリアルの場を失った
- オンラインライブはチケット2〜3枚から始まり、言葉で理由を伝え続けて増やした
- 身につけたのは演奏力ではなく「音楽を自分で売る力」
- 山梨とニュージーランドの二拠点でも、全国と世界へ演奏を届けている
- 目標は「88歳まで現役で吹く」。音楽を短距離走ではなく人生の旅と捉えている
毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。
「もっと集客を頑張れ」と言われても、簡単にできたら誰も悩んでいません。結果が出ないのは、才能でも努力不足でもなく、「届ける方法」を知らないだけ です。
コロム は、ファンと一体になれるマイクロライブ空間アプリ。
- 1ヶ月で50人規模のライブを完売
- SNSフォロワー数が5,000人を突破
- 副業から始めて、音楽だけで食べていけるようになったアーティストも
昇給を待つより、今の環境を変えるほうが早い。仕事があっても、地方に住んでいても、音楽を諦める必要はありません。
まずは、環境を変えることから。想像を超えるアーティスト生活を、コロムから始めてください。
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インディペンデントアーティスト編集部
「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。
