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コラム

奇跡の61歳ロックボーカリストが、一度離れた歌を取り戻すまで

25歳でメジャーデビューし、契約終了後に「二度と歌わない」と決めて音楽を生活から遮断した。40歳頃にボーカルインストラクターの資格を取ってゼロから学び直し、61歳の今もロックボーカリストとしてステージに立つ。

奇跡の61歳ロックボーカリストMIKIさんの歩みです。バンド「Peach Flavor Lips」のボーカル、ボーカルインストラクターとして活動し、現在はオンラインライブにも場を広げています。

年齢もブランクも、一度諦めた過去も、再び音楽を始められない理由にはならない。「もう年だから」を「まだ夢は追える。」へ。

この記事では20代の挫折、40歳からの学び直し、コロナ禍での配信への転換、集客との向き合い方、60代の今届けたいものをたどります。

この記事の結論

  • MIKIさんは25歳でメジャーデビューし、有線放送大賞新人賞を受賞しました。それでもライブの機会はほとんどなく、契約は終了しています。
  • 契約終了後は「二度と歌わない」と決め、音楽が流れることさえ苦しくなるほど生活から遮断した時期がありました。
  • 40歳頃の再開で選んだのは、昔の経験に頼ることではなく一から学び直すことでした。ボーカルインストラクターの資格を取り、教えるために発声を考え直しています。
  • コロナ禍でリアルライブを失い、知人の勧めでライブ配信を開始しました。2026年からはオンラインライブにも場を広げています。
  • 無料で見られる配信と、チケットを購入して参加するオンラインライブは別物です。毎回テーマを決め、バンドメンバーも参加する「その日だけの世界観」を用意しています。
  • 一度諦めた人への問いかけは「本当に好きかどうか」。それしかないと思えるなら、いくつでもできると語ります。

活動の歩みを、先に一覧にします。

時期 出来事
10代 アイドルへの憧れを抱くが、厳しい家庭環境もあり夢を追えず
就職後 社内のカラオケ大会で優勝し、バンドへ誘われる
25歳 メジャーデビュー。有線放送大賞新人賞を受賞
契約終了後 「二度と歌わない」と決め、音楽を生活から遮断
30代後半 心身の調子を崩し、長く休む時期を経験
40歳頃 ボーカルインストラクターの資格を取り、ゼロから歌を学び直す
その後 バンド「Peach Flavor Lips」を結成(2026年で15周年)
コロナ禍 知人の勧めでライブ配信を開始
2026年 オンラインライブプラットフォームでの活動を始める

インタビューに答えるMIKIさん

メジャーデビューしたのに歌えない。「二度と歌わない」と決めた20代

MIKIさんは、物心がついた頃から歌うことが大好きな少女でした。 テレビの前で歌って踊り、近所の子どもたちを集めて歌を披露。 10代になると、アイドルへの憧れを抱くようになります。

しかし、厳しい家庭環境もあり、その夢を追うことはできませんでした。

転機が訪れたのは、就職後。 社内のカラオケ大会で優勝したことをきっかけにバンドへ誘われ、やがてオリジナル曲で本格的な音楽活動を始めます。 コンテストやオーディションへの挑戦を重ね、25歳で念願のメジャーデビュー。 有線放送大賞新人賞も受賞しました。

ところが、待っていたのは想像していた世界とは違いました。

「メジャーデビューしたら、いろいろな場所で歌えると思っていた」というMIKIさん。しかし実際にはライブの機会はほとんどなく、曲を作っては「違う」と言われる日々。

もともと抱えていた集客の課題も、デビューしただけでは解決しませんでした。

やがて契約は終了。

「何を楽しみにやったらいいの?」

歌うことに人生をかけてきたからこそ、受けた傷も大きいものでした。 MIKIさんは「二度と歌わない」と決め、音楽が流れることさえ苦しくなるほど、音楽そのものを生活から遮断しました。

契約の仕組みそのものはメジャーデビューの仕組みで扱っています。

ステージで歌うMIKIさん

40歳頃、ゼロから歌を学び直したことが再挑戦の始まりに

音楽から離れたMIKIさんは、販売員やエステティシャン、Webデザイナーなど、さまざまな仕事に挑戦します。 それでも、どこか満たされない。

30代後半には心身の調子を崩し、長く休む時期も経験しました。 家族の支えを受けながら少しずつ回復し、再び音楽を聴けるようになった頃、ある気持ちが芽生えます。

「もう一回歌ってみようかな」

40歳頃のことでした。

ところが、大きなブランクを経て歌ってみると、思うように声が出ません。 そこでMIKIさんが選んだのは、昔の経験に頼ることではなく、一から学び直すことでした。 ボーカルインストラクターの資格を取得し、教える仕事を始めます。

生徒に教えるために発声や歌い方を自分自身で考え直す。 その積み重ねによって、自身の歌も変わっていきました。

一度音楽を離れたことは、遠回りではなく、それまでの歌い方をリセットして現在のスタイルをつくるきっかけになったのです。

発声を自分で組み直す手順は自宅でできるボイトレにまとめてあります。 やがて再びステージに立ち、現在につながるPeach Flavor Lipsを結成。 バンドは2026年で15周年を迎えました。

ボーカルレッスンの様子

コロナ禍で失ったステージ。オンラインライブが新しい音楽活動の入口に

再び続いていた音楽活動に、次の転機が訪れます。 コロナ禍です。

リアルライブはできず、バンド活動も難しい。 ボーカル教室の仕事にも影響が出ました。 そこで知人から勧められたのがライブ配信でした。

最初は「私一人でこんなの無理」と思っていたMIKIさんですが、ソロでの配信を開始。SNSなどでのライブ配信活動を通じて、新しいファンづくりを続けていきました。

配信の始め方はアーティストのライブ配信の始め方、オンラインライブの組み立てはオンラインライブの始め方で扱っています。 そして2026年、妹から教えてもらったことをきっかけにオンラインライブプラットフォーム「corom」と出会います。

すでにリアルライブも配信も経験していたMIKIさん。 それでも、coromのオンラインライブは新しい挑戦でした。

最初のライブに来てくれたのは、主にSNS配信時代から応援してくれていたファン。 無料で見られる配信から、チケットを購入して参加するオンラインライブへ。決して簡単な変化ではありませんでした。

だからこそMIKIさんは、SNSと同じ配信にはしませんでした。

毎回テーマを決めたり、バンドメンバーにも参加してもらったりと、チケットを購入してくれた人に「その日だけの世界観」を楽しんでもらえる企画を考えています。

少人数で深くつながる形はマイクロライブとは?にまとめてあります。

オンラインライブで配信する様子

集客に悩んできたからこそ、coromでファンづくりを学び直す

MIKIさんは、メジャーデビュー前から現在まで、音楽活動のなかで何度も集客の難しさに直面してきました。

「集客は常に悩んでいた」

coromで活動する意味のひとつとして挙げたのも、これまで自分にはなかった考え方に触れられることでした。 新しい集客やファンづくりの方法を学び、できることから自身の活動に取り入れていく。

「今まで通りやっていたら、多分このままで終わってしまう」

そう感じるからこそ、簡単ではなくても挑戦を続けています。 その土台にあるのが、長年築いてきたファンとの関係です。

SNSでMIKIさんを知った人がリアルライブへ足を運び、ライブ後の交流やオフ会などを通じて、さらに応援してくれる存在になっていく。 そのファンが今度はcoromのオンラインライブにも参加し、ランキングを一緒に盛り上げてくれる。

オンラインとリアルを行き来しながら関係を深めてきたことが、MIKIさんの現在のファンづくりにつながっています。

集客の考え方はオンラインライブの集客方法は?で扱っています。

バンドで演奏するMIKIさん

音楽で稼ぐことだけではない。60代でも「進化する姿」を届けたい

音楽を副業として続けたい人も、音楽で稼ぐことを目指す人も、活動を継続するには「応援してくれる人」の存在が欠かせません。

MIKIさん自身、若い頃はメジャーデビューすれば状況が変わると思っていました。 しかし現在は、歌うだけではなく、集客やファンとの関係づくりまで含めて音楽活動だと向き合っています。

そして61歳となった今、MIKIさんが届けたいものは、歌だけではありません。

「60過ぎたって、こんだけできるんだよっていうところは、ぜひ見せていきたい」

年齢を重ねても、身体を使ったロックボーカルを貫く。 そのためにトレーニングを続け、自分自身を更新し続けています。

「奇跡の61歳ロックボーカリスト」という言葉には、年齢を重ねても夢を追えることを、自らの姿で伝えたいという思いが込められています。

同じ世代の歩みとして、地方で音楽活動を続けるという選択もあわせて読めます。

ステージに立つMIKIさんの姿

「本当に好きなら、いくつでもできる」奇跡の61歳ロックボーカリストからのメッセージ

一度音楽を諦めた人に、MIKIさんが最初に問いかけるのは「本当に好きかどうか」です。

「自分にとって一番大事なことなのか、一番好きなことなのか」

音楽の世界は簡単ではない。 だからこそ、自分自身と向き合い、それでも「これしかない」と思えるなら挑戦してほしいと話します。

「本当にそれしかないと思うんだったら、絶対やるべきだと思います。いくつでもできますから」

25歳でメジャーデビューし、一度は音楽そのものを拒絶するほど挫折したMIKIさん。 40歳頃にゼロから歌を学び直し、60代となった今も、オンラインライブやリアルライブというステージで挑戦を続けています。

年齢も、ブランクも、一度諦めた過去も、再び音楽を始められない理由にはならない。

「もう年だから」を「まだ夢は追える。」へ。

奇跡の61歳ロックボーカリスト・MIKIさんは、今日もその言葉を、自らの歌と生き方で届け続けています。

よくある質問

MIKIさんはどんな経歴のアーティストですか?

25歳でメジャーデビューし、有線放送大賞新人賞を受賞しています。契約終了後に音楽から離れ、40歳頃に再開しました。

現在はバンド「Peach Flavor Lips」のボーカル、ボーカルインストラクターとして活動しながら、オンラインライブにも場を広げています。バンドは2026年で15周年を迎えました。

なぜ一度音楽をやめたのですか?

メジャーデビュー後、想像していた世界とは違ったためです。ライブの機会はほとんどなく、曲を作っては「違う」と言われる日々が続き、もともと抱えていた集客の課題もデビューだけでは解決しませんでした。

やがて契約が終了し、「二度と歌わない」と決めます。音楽が流れることさえ苦しくなるほど、音楽そのものを生活から遮断しました。

40歳からどうやって歌を取り戻したのですか?

大きなブランクを経て歌うと、思うように声が出ませんでした。そこで選んだのが、昔の経験に頼るのではなく一から学び直すことでした。

ボーカルインストラクターの資格を取得し、教える仕事を始めます。生徒に教えるために発声や歌い方を自分自身で考え直す。

その積み重ねで、自身の歌も変わっていきました。

オンラインライブを始めたきっかけは何ですか?

コロナ禍です。リアルライブができず、バンド活動も難しく、ボーカル教室の仕事にも影響が出ました。

知人の勧めでライブ配信を始め、SNSでの配信を通じて新しいファンづくりを続けます。2026年には妹から教えてもらったことをきっかけに、オンラインライブプラットフォームと出会いました。

無料配信とチケット制のオンラインライブはどう違いますか?

無料で見られる配信から、チケットを購入して参加するオンラインライブへの変化は、決して簡単ではありませんでした。

だからこそMIKIさんは、SNSと同じ配信にはしていません。毎回テーマを決めたり、バンドメンバーにも参加してもらったりと、チケットを購入してくれた人に「その日だけの世界観」を楽しんでもらえる企画を考えています。

集客にはどう向き合っていますか?

「集客は常に悩んでいた」と振り返ります。メジャーデビュー前から現在まで、何度も難しさに直面してきました。

今は、これまで自分にはなかった考え方に触れて学び直すことを意識しています。SNSで知った人がリアルライブへ足を運び、ライブ後の交流やオフ会を通じて応援してくれる存在になる。

そのファンがオンラインライブにも参加する。オンラインとリアルを行き来する関係づくりが土台です。

年齢を理由に音楽を諦めている人へのメッセージは何ですか?

MIKIさんが最初に問いかけるのは「本当に好きかどうか」です。「自分にとって一番大事なことなのか、一番好きなことなのか」。

音楽の世界は簡単ではない。それでも「これしかない」と思えるなら挑戦してほしいと話します。

「本当にそれしかないと思うんだったら、絶対やるべきだと思います。いくつでもできますから」

毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。

努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。

「もっと集客を頑張れ」と言われても、簡単にできたら誰も悩んでいません。結果が出ないのは、才能でも努力不足でもなく、「届ける方法」を知らないだけ です。

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インディペンデントアーティスト編集部

「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。