リハーサルの流れを解説!ライブ当日の用語やマナー・注意点も確認
2023/11/27(更新 2026/10/01)
ライブのリハーサルは、セッティング → 各楽器のサウンドチェック → バンド全体のサウンドチェック → 曲のリハーサル → セッティングのメモという流れで進みます。順番は本番と逆の「逆リハ」が基本です。
最初に提出するのがセットリストです。曲順だけでなく、各曲の曲調と音響・照明への要望まで書いておくと、イメージが共有されてリハーサルが速く進みます。
覚えておきたい用語は5つ。PA、SE、返し、中音と外音、逆リハと順リハ。
これだけで、スタッフとのやり取りが成立します。
この記事ではリハーサルの目的、用語、事前の準備、当日の流れ、開始時刻の目安、守りたいマナーをまとめました。
この記事の結論
- 流れは5段階です。セッティング、各楽器のサウンドチェック、バンド全体のサウンドチェック、曲のリハーサル、セッティングのメモ。
- 順番は本番と逆の「逆リハ」が基本です。最初に演奏するバンドが最後にリハをするため、セッティングを残したまま本番に入れます。
- セットリストには曲順に加えて、各曲の曲調と音響・照明への要望を書いてください。イメージの共有が速くなります。
- 覚える用語は5つです。PA(音響スタッフと設備)、SE(登場時の音源)、返し(ステージ内のスピーカー)、中音と外音、逆リハと順リハ。
- 自分以外のサウンドチェック中は音を出さないでください。チェックしたい楽器の音とPAスタッフの指示が聞こえなくなります。
- リハーサル終了時のセッティングは必ずメモします。アンプやエフェクターは少しの違いで音が変わるため、数値か写真で残してください。

曲順などのライブの流れを確認する以外にも、リハーサルにはさまざまな意味があります。
リハーサルで確認する項目をまとめたので参考にしてください。
音量バランスの確認
各楽器の音量やバンドごとの音量のバランスを確認することは、リハーサルの主な目的の一つです。
ライブハウスはスタジオに比べて広く、いつもとは聞こえ方が大きく変わります。
いつも通りのセッティングをしてもイメージ通りの音にならないことが多いので、リハーサルで音量を調整しておきましょう。
ステージ上で聞こえる音(中音)の調整
ライブハウスには、客席に向けられたスピーカー以外にステージの内側に向いているスピーカーがあり、演者が自分たちの音を聴くために設置されています。
ここから聞こえる音を「中音」と呼び、中音の確認もリハーサルでは外せないポイントです。中音がしっかりしていないと、自分の音や他のメンバーの音が聞こえにくく、演奏にも影響します。
「ボーカルの音量を大きく」や「ギターの音量を小さく」など、要望を伝えれば調整してもらえるので、積極的に活用しましょう。
客席で聞こえる音(外音)の調整
中音に対して、客席に向けられたスピーカーの音を「外音」と呼びます。
基本的にはライブハウスのPAスタッフが調整してくれますが、自分たちで観客席から確認し、調整してもらうことも可能です。その際は、ドラム以外の演奏しながら動き回れるメンバーが確認しにいきましょう。
ただし会場に観客が入ると聞こえ方は変わります。PAスタッフはそこまで計算して音を作ってくれるので、よっぽどのこだわりがなければPAスタッフに任せるのがおすすめです。
機材の確認
演奏だけでなく機材の状態も、リハーサルのうちに確認しておきましょう。
ギターやベースが使うケーブルは断線していないか、会場に置いてあるドラムセットはシンバルが割れていたりバスドラムのペダルが故障したりしていないかなど、自分の機材も会場の機材も確認しておいてください。
照明の確認
照明はライブの盛り上がりを左右する大切なポイントです。リハーサルでかならず確認し、要望があれば伝えておきましょう。
良い照明にしてもらうコツは、できるだけ覚えやすく要望を伝えることです。
複数のバンドが出演するライブでは、照明スタッフが全曲を把握することは難しいでしょう。
そのため、照明の色や曲の雰囲気などのイメージを覚えやすく簡潔にまとめ、セットリストなどにメモしておくとスタッフも対応しやすくなります。
伝え方の具体例はライブハウス照明リクエストの伝え方で扱っています。
ライブのリハーサルで最低限覚えておきたい用語
覚えておきたい用語を、先に一覧にします。
| 用語 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| PA | Public Address の略。音響スタッフや音響設備 | 「PAさん」と呼びかける |
| SE | Sound Effect の略。登場時に流す音源 | 事前にCDやUSBで渡す |
| 返し | 演奏者向けにステージ内に置かれたスピーカー | 「ボーカルの返しでギターを上げてください」 |
| 中音 | 返しから聞こえる、ステージ内の音 | 演奏しやすさの調整 |
| 外音 | 客席に向けたスピーカーの音 | 基本はPAスタッフに任せる |
| 逆リハ | 本番の演奏順と逆の順番でリハをする | 最初に出るバンドが最後にリハ |
| 順リハ | 本番の演奏順どおりにリハをする | 場合によって選ばれる |

リハーサル中は、音楽業界特有の用語がたくさん使われます。スタッフと円滑にコミュニケーションをとったり、要望を伝えたりするために最低限の用語は覚えておくようにしましょう。
PA
PAは「Public Address」の略で、音響スタッフや音響設備を指します。音響スタッフを「PAさん」や「PAスタッフ」と呼ぶことも。
良いライブをするためにはPAスタッフの協力が欠かせないので、礼儀正しく積極的なコミュニケーションを心がけましょう。
SE
SEは「Sound Effect」の略で、アーティストが登場する際に流す音源を指します。
SEに使われる音源は、自分たちの曲や他のアーティストの曲、ナレーション、効果音などさまざま。
もしSEに使いたい曲がある場合は、CDやUSBなどに入れて事前にPAスタッフに渡しておきましょう。
音響の相談の進め方はライブハウスの音響打ち合わせにまとめてあります。
返し
返しは、演奏者のためにステージ内に設置されたスピーカーや、そこから出る音を指します。
ステージ上にはボーカル用やギター用など複数の返しが設置されているので、PAスタッフに要望を伝えるときは「ボーカルの返しで、ギターの音量を上げてください」など、どの返しに何の音をどうしてほしいのか伝えるようにしましょう。
また返しのことをモニタースピーカーやモニター、コロガシと呼ぶこともあります。
中音・外音
中音・外音は、ステージ内の音もしくは客席に向けられた音を意味します。
すでに解説しましたが、中音は演奏者が演奏しやすいように設置された返しからの音で、外音は客席に向いたスピーカーの音です。
逆リハ・順リハ
「逆リハ」も「順リハ」もリハーサルの順番を意味する用語です。
逆リハなら本番の演奏順と逆の順番でリハーサルをします。例えば、本番の演奏順がA→B→C→Dならリハーサルの順番はD→C→B→Aです。
順リハの場合は、本番の演奏順通りにリハーサルをします。
ライブのリハーサル前にするべき準備

リハーサルが始まる前に「セットリスト」を記入してライブハウスに提出する必要があります。セットリストとは曲の演奏順を一覧にしてまとめたもの。
一般的にはアーティストがライブ中に演奏順を忘れないようにするためのメモとして使用されますが、リハーサルでも使用します。
リハーサル時に提出するセットリストには、曲順以外に各曲の曲調、音響・照明への要望を記入しましょう。
これらを記入しておくことでアーティストがもつ曲へのイメージをライブハウススタッフに共有しやすくなり、リハーサルがスムーズに進みます。
セットリストそのものの組み方はライブのセトリ・セットリストとは?で扱っています。
ライブのリハーサルの流れ

ここからはライブリハーサルの流れついて解説します。
細かいリハーサルの流れはライブによって異なりますが、おおまかな流れはどのライブでも同じです。
あらかじめライブリハーサルの流れを把握しておくと、初めてのライブでも安心してのぞめるでしょう。
セッティング
まず初めに、楽器のセッティングをします。
リハーサルとはいえ各バンドの持ち時間は決まっており、セッティングが遅いとその後のリハーサルに使える時間が減ってしまうのでご注意ください。
当たり前のことですが、遅刻はNGです。
各楽器のサウンドチェック
次に、楽器ごとのサウンドチェックをします。
PAスタッフから「ドラムの音をください」など指示があるので、それに従って各楽器のサウンドチェックをしていきましょう。
順番はドラム→ベース→ギターまたはキーボード→ボーカル・コーラスが一般的です。
バンド全体でのサウンドチェック
楽器ごとのサウンドチェックの次はバンド全体でのサウンドチェックです。
全員で合わせて演奏し、各楽器のバランスを調整します。そのためバンド全体のサウンドチェックで演奏するのは、全ての楽器が入っている曲がおすすめです。
このときステージでどの曲を演奏するか相談していると、時間がなくなってしまいます。リハーサルの前に「1曲目のサビ部分」など、全体でのサウンドチェックに使う曲をあらかじめ決めておきましょう。
曲のリハーサル
バンド全体でのサウンドチェックも完了したら、曲ごとのリハーサルを行います。
時間に余裕がある場合は1曲目から全て通して演奏してもよいですし、時間がなければ特定の曲だけを演奏してもかまいません。
もし全ての曲を演奏する時間がない場合は、以下の基準で曲を選ぶのがおすすめです。
- 演奏に不安のある曲
- 特殊なエフェクトなど音量・音色が他の曲と大きく違う曲
- 一番アピールしたい曲
事前にリハーサルしたい曲の優先順位をバンドで話し合っておくと、スムーズにリハーサルが進みます。
セッティングをメモする
リハーサルが終わったら、終了時のセッティングをメモしておきましょう。
特にギターやベースのアンプ、エフェクターのセッティングは、少しの違いで大きく音が変わるので、数値をメモしたり写真を撮ったりして、しっかりメモしておいてください。
ライブのリハーサルはいつから?

リハーサルの開始時間は、本番が何時から始まるかによって違います。例えばライブ本番が夜の場合は、昼過ぎからリハーサルをすることが多いです。
リハーサルを含めたライブ当日の流れは、ライブハウスから事前に送られてくるのでそれに従いましょう。
当日の全体像はライブ本番の流れとは?、初めてのライブなら初ライブの準備が参考になります。
基本的には、自分たちの入り時間の10分前くらいに会場に着いておけば問題ありません。
ライブのリハーサルの順番は「逆リハ」が基本

リハーサルをする順番は、本番と逆の順番で行う「逆リハ」が基本です。
本番で最初に演奏するバンドが最後にリハーサルをすることになるので、リハーサルが終わったらそのままセッティングを残しておけることが逆リハのメリット。
反対にトリのバンドの拘束時間が長くなってしまうデメリットもあり、場合によっては順リハでリハーサルをすることもあります。
ライブのリハーサル時のマナーと注意点

マナーやルールをしっかり守っていないとリハーサルの質が悪くなり、ライブ本番にも影響してしまいます。
これから紹介するマナーと注意点を守り、気持ちよくライブができるよう心がけましょう。
スケジュールを守る
ライブはリハーサルから本番まで細かくスケジュールが決まっています。どこかでズレが生じると、以降のスケジュール全てに狂いが生まれライブ全体に影響する可能性が。
入り時間やセッティング時間など、演奏以外にかかる時間も計算に入れながらリハーサルするようにしてください。
事前にリハーサルで確認したいことや曲をバンドで決めておくと、余裕をもって行動できるのでおすすめです。
他の楽器の音量調整中は音を出さない
リハーサルの最初は楽器ごとのサウンドチェックです。自分以外のサウンドチェック時は、音を出さないようにしましょう。
チェックしたい楽器の音がよく聞こえなくなりますし、PAスタッフからの指示も聞こえにくくなるからです。
PAスタッフとコミュニケーションをとる
自分たちから声をかけ、積極的にコミュニケーションをとることも上手にリハーサルを進めるコツの一つです。
リハーサルの開始時と終了時に「よろしくお願いします」と挨拶するだけでも、会場の雰囲気は大きく変わります。
関係の作り方はライブハウスのスタッフとのコミュニケーション術、楽屋での振る舞いはバンドの楽屋マナーで扱っています。
「本番と同じ音」で演奏する
リハーサルの目的は音量や音色を確認し、調整することです。そのためできるだけ本番と同じ音で演奏することが大切です。
ここでいう「本番と同じ音」とは、セッティングだけではありません。声の張り方やピッキングの強さ、ドラムの叩き方など演奏の仕方も含まれます。
本番はどうしても力が入りやすく全く同じように演奏するのは簡単ではありませんが、できるだけ本番をイメージしながら演奏するようにしましょう。
セッティングは必ずメモをする
どれだけリハーサルで良い音が作れても、本番で再現できなければ意味がありません。そのためリハーサル終了後は、楽器のセッティングを必ずメモしてください。
メモの方法は手書きでも写真でもなんでも大丈夫です。
よくある質問
リハーサルは何のために行うのですか?
確認することは5つあります。各楽器とバンドごとの音量バランス、ステージ内で聞こえる中音、客席に届く外音、機材の状態、そして照明です。
ライブハウスはスタジオより広く、いつもとは聞こえ方が大きく変わります。いつも通りのセッティングではイメージ通りの音にならないことが多いため、ここで調整しておきます。
リハーサルはどんな流れで進みますか?
5段階です。楽器のセッティング、各楽器のサウンドチェック、バンド全体のサウンドチェック、曲ごとのリハーサル、終了時のセッティングのメモ。
各楽器のサウンドチェックは、ドラム→ベース→ギターまたはキーボード→ボーカル・コーラスの順が一般的です。PAスタッフから「ドラムの音をください」と指示があるので、それに従います。
「逆リハ」とは何ですか?
本番の演奏順と逆の順番でリハーサルをすることです。本番がA→B→C→Dなら、リハはD→C→B→Aの順になります。
最初に演奏するバンドが最後にリハをするため、セッティングを残したまま本番に入れるのが利点です。一方でトリのバンドの拘束時間が長くなるため、場合によっては順リハになることもあります。
リハーサル前に何を準備しますか?
セットリストを記入してライブハウスに提出します。曲の演奏順を一覧にしたもので、リハーサルでも使われます。
曲順だけでなく、各曲の曲調と音響・照明への要望も書いてください。アーティストが持つ曲のイメージがスタッフに共有され、リハーサルがスムーズに進みます。
バンド全体のサウンドチェックでは何を演奏しますか?
全ての楽器が入っている曲が向いています。全員で合わせて演奏し、各楽器のバランスを調整するためです。
ステージ上で「どの曲にするか」を相談していると時間がなくなります。「1曲目のサビ部分」のように、使う箇所をリハーサルの前に決めておいてください。
全曲をリハーサルする時間がない場合はどうしますか?
優先順位をつけて選びます。演奏に不安のある曲、特殊なエフェクトなどで音量や音色が他と大きく違う曲、一番アピールしたい曲の3つが基準です。
事前にバンドで話し合って順位を決めておくと、当日に迷いません。
リハーサルで守りたいマナーはありますか?
自分以外のサウンドチェック中は音を出さないでください。チェックしたい楽器の音が聞こえなくなり、PAスタッフの指示も届かなくなります。
あわせてスケジュールを守ること、PAスタッフへ自分から挨拶すること、本番と同じ音で演奏することが基本です。本番と同じ音とは、セッティングだけでなく声の張り方やピッキングの強さ、ドラムの叩き方も含みます。
リハーサルの後にやっておくことはありますか?
終了時のセッティングを必ずメモしてください。ギターやベースのアンプ、エフェクターは少しの違いで大きく音が変わります。
数値を書き留めるか、写真を撮って残します。どれだけ良い音が作れても、本番で再現できなければ意味がありません。
良いライブをするためにはリハーサルが欠かせない

リハーサルはただ本番の流れを確認する時間ではなく、本番のクオリティをより上げるための時間です。
各楽器の音作りからSEや照明といった演出、中音・外音の調整などひとつひとつを丁寧に確認していくことで間違いなくライブのクオリティは上がります。
本記事を参考に、質の高いリハーサルができるよう準備していきましょう。
毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。
「もっと集客を頑張れ」と言われても、簡単にできたら誰も悩んでいません。結果が出ないのは、才能でも努力不足でもなく、「届ける方法」を知らないだけ です。
コロム は、ファンと一体になれるマイクロライブ空間アプリ。
- 1ヶ月で50人規模のライブを完売
- SNSフォロワー数が5,000人を突破
- 副業から始めて、音楽だけで食べていけるようになったアーティストも
昇給を待つより、今の環境を変えるほうが早い。仕事があっても、地方に住んでいても、音楽を諦める必要はありません。
まずは、環境を変えることから。想像を超えるアーティスト生活を、コロムから始めてください。
ABOUT ME
インディペンデントアーティスト編集部
「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。