ライブのセトリ・セットリストとは?効果的な組み方や覚え方を徹底解説
ライブにおいて、セトリはとても重要な要素です。ライブの流れや盛り上がりを左右するだけでなく、ミュージシャン自身のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
しかし、ライブ経験が浅いと「どうやってセトリを組んだら良いのかわからない」「セトリがなかなか覚えられない」といった悩みを抱えることもあるでしょう。
そこで本記事では、ライブ初心者にもわかりやすく「セトリの組み方」や「覚え方」、さらに実際のライブでの注意点について解説します。
ライブ初心者のセトリに関する悩みを解消し、自信をもってライブを迎えられる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
ライブのセトリ・セットリストとは?
「セトリ(セットリスト)」とは、ライブやコンサートで演奏する曲の順番をリストにしたものです。曲順を書いた紙のことを指したり、曲順そのものを指したりすることもあります。
ほとんどの場合、セトリはライブ当日までに決定しておくものです。セトリはただの曲順ではなく、ライブの雰囲気や盛り上がりを左右する大切な要素なので、どのようなライブにしたいかを想像し、事前にしっかりと時間をかけて考える必要があります。
基本的にはアーティスト自身がセトリを把握していれば問題ありませんが、出演するライブハウスによっては、ライブ当日までにセトリの提出を求められることもあるので、注意しましょう。
具体的なセトリの組み方については、この後詳しく解説します。
ライブのセトリの組み方を徹底解説
同じ曲を演奏していても、セトリの組み方によって、ライブの盛り上がりは大きく左右されます。観客に強く印象を残し、次のライブにも来てもらうためには、効果的に曲の順番を決めることが重要です。
ここからは、具体的にセトリを組む手順を一つひとつ丁寧に解説します。
ライブ全体の流れを考える
まず、ライブ全体の流れを考えましょう。ライブは単なる曲の演奏ではなく、照明などのあらゆる演出を駆使して、観客に雰囲気を味わってもらう場です。そして曲順も演出の一つであり、どんなライブにしたいかをイメージしてセトリを組むことで、観客に与える印象を大きく変えられます。
「最初は静かに始まり、段々盛り上がっていくライブ」や「最初からできるだけノリやすい雰囲気を作り、最後までそのまま走り切るライブ」など、抽象的なイメージで良いので、ライブ全体の雰囲気を言葉にしましょう。
最初の曲と最後の曲を決める
セトリを組む上で、最初と最後の曲は特に重要であり、もっとも決めやすいポイントです。最初にイメージした「ライブ全体の流れ」に沿うよう、最初と最後の曲から決めましょう。
一般的には、最初の曲は観客の注意を引きつけ、ライブに引き込むための「インパクト」のある曲を配置します。例えば、イントロが印象的な曲や、耳に残るリフを中心とした曲などを選ぶと、観客の注意を一気に引き付けられるでしょう。
最後の曲は「会場全体で盛り上がりやすい曲」を配置することが良くあります。例えば、みんなが知っている曲などを配置すると、最高潮の盛り上がりでライブを締めくくることができるでしょう。
これらはあくまで一般的な例です。最初にバラードを持ってきてしっとりライブをスタートさせたり、反対に最後にバラードをもってきて余韻を残しつつライブを終らせたりするパターンもあります。
中盤で一番盛り上げたい箇所・曲を決める
ライブの中盤では、最も盛り上がる箇所を意識して曲を配置しましょう。
多くのライブは30分から2時間程度あります。一般的には最後に一番盛り上がる曲を配置しますが、それまでにもう一か所程度盛り上がる曲がないと、観客が飽きてしまうリスクがあります。
最初と最後の曲が決まったら、中盤の盛り上げたい箇所を決め、残りの曲のなかからもっとも適した曲を配置しましょう。
ここで配置する曲には、バンドの代表曲や、リリースしたばかりで注目されている曲、ファンから特に人気のある曲などを選ぶと効果的です。
残りの曲を決め、微調整する
最後に、残りの曲を選んで全体のバランスを整えます。テンポやキーが似た曲が続かないように工夫し、曲間の流れがスムーズになるよう意識してください。
また、体力的な問題も考えるようにしましょう。特にボーカルは、激しい曲が続くと演奏に支障が出やすく、パフォーマンスが落ちてしまう可能性もあります。
ライブのセトリの覚え方3選
「セトリは決まったものの、なかなか覚えられない」と悩んでいる人もいるでしょう。確かに曲順を間違えると、せっかく考えていたライブの流れが崩れてしまう可能性もあるため、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
そこでここからは、セトリの覚え方について、3つの具体的な方法を紹介します。
本番を想定した通し練を繰り返し行う
もっとも効果的な覚え方は、実際のライブを想定した「通し練習」を繰り返し行う方法です。セットリストを通して演奏を繰り返せば、曲間の流れやMCのタイミングも身体に染み込ませることができます。
通し練を行う際には、時間を測ったり動画を録ったりして、できるだけ本番に近い環境を作るとより効果的です。
イメージトレーニングをしておく
イメージトレーニングも、セトリを覚えるのに有効な練習です。実際に楽器を持ったり音を出したりする必要がなく、頭の中でライブの流れや曲順を思い浮かべるだけなので、移動中や家事をしている間でも取り組むことができます。
特に、MCをする人や、曲の始まりのフレーズを弾くパートの人は、自分がどのタイミングでどんなアクションを取る必要があるのかを、細かくシミュレーションしておきましょう。
紙に書いておく
実は、セトリは必ずしも覚えておく必要はありません。歌詞など曲中に確認しづらいものは覚えておいた方が良いですが、セトリは曲間などに余裕をもって確認できるので、覚えてなくても基本的には大丈夫です。
実際に、セトリを書いた紙を足元に置いたり、セトリを表示したモニターを足元に設置したりしているミュージシャンは数多くいます。
MCを挟まない箇所など、確認する余裕のないところだけ覚えておき、あとは本番中に確認するなど、部分的に覚えるのも効果的な対処法です。
また、紙にセトリを書き出す作業自体が、記憶への定着につながるので、本番の確認用にしても覚えるためにしても、セトリは一度紙に書き出しておきましょう。
ライブのセトリを決める際の注意点とポイント!
ライブに慣れていないと、しっかり時間をかけてセトリを決めても、思わぬミスをしてしまうことがあります。
ライブのセトリを決定する際の注意点と、押さえておきたいポイントについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
一度セトリを通して演奏し、流れを確認しておく
セトリを決定したら、曲同士のつながりや全体の流れを確認するために、まずは一度通しで演奏してみましょう。実際に演奏してみると、頭の中で思い描いていたイメージと一致しないことも、よくあるからです。
また、実際に演奏してみて初めて気づく点も多くあります。例えば、チューニングの違う曲や楽器の持ち替えが必要な曲が続いていると、曲間で想定以上に時間がかかるでしょう。
事前にこうした細かい点を確認しておけば、ライブ当日のトラブルを防ぐことができます。
MCを入れる箇所も決めておく
ライブに慣れていないと「曲順だけ決めてMCを入れる箇所を決めていない」ということが少なくありません。
「なんとなくその場の流れで大丈夫」と思いがちですが、アドリブでMCを挟めるのはライブに慣れている場合のみです。ライブ初心者にはハードルが高いので、MCのタイミングもセトリの一部として計画しておきましょう。
特に、曲調が大きく変わる場面や盛り上がりどころの前後にMCを挟めば、流れが調整しやすくなります。
また、MCにかかる時間を想定し、実際に測っておくことも重要です。想定以上に時間がかかったり、反対に短すぎたりするとライブの進行に支障をきたすので、事前に調整しておきましょう。
トリならアンコール曲も用意しておく
トリを務める場合、アンコール曲も用意しておきましょう。多くのライブでは、トリのバンドだとアンコールを求められる可能性が高いです。
アンコールではどの曲を演奏するのか、そしてその曲をどのように演奏し始めるのかを考えておくと、最後まで盛り上がりをキープできます。
曲と曲のつなげ方も決めておく
曲と曲のつなげかたも決めておくと、よりスムーズにライブの流れを作ることができます。MCを間に挟む場合は特に考える必要はありませんが、MCを挟まない箇所は何かしらの演出を考えておきましょう。
例えば、前の曲の終わりから次の曲のイントロにそのままつなげたり、次の曲が始まる前に短いインスト演奏を入れたり、といった演出が考えられます。
ライブのセトリはいつわかる?公開タイミングは?
セトリの公開タイミングは、アーティストやライブの方針によって異なります。一般的には、ライブのセトリは公演前に公開されることは少なく、観客が事前に知るのは難しいでしょう。
特に、ツアー以外の単発のライブでは、基本的にライブが始まるまでセトリはわかりません。
一方で、ツアーでは、SNSやファンサイトなどで、ファンが自発的にセトリを共有するケースもあります。しかし、ツアーであってもセトリは会場やその時の雰囲気によって変更されることもあるため、必ずしも同じ内容になるとは限りません。
ライブのセトリはポイントを抑えて慎重に決めよう!
本記事では、ライブにおけるセトリについて、基本的な意味から組み方、覚え方、注意点や公開タイミングなどについて詳しく解説しました。
セトリは、単に曲順を決めるだけでなく、ライブ全体の流れや観客との一体感を作り出す重要な要素です。特に、ライブ経験が浅いミュージシャンにとっては、計画的にセトリを考え、しっかりと準備をしておくことがライブ成功の鍵となります。
本記事の内容を参考に、次回のライブに向けて効果的なセトリを作成し、ライブを成功につなげましょう。