ライブのステージングとは?かっこよく見せるコツやNG例を解説!
ライブでは、演奏だけでなく「ステージング」も大切です。
「なぜかライブが盛り上がらない」「いまいち観客がノッてくれない」という場合、もしかするとライブのステージングに問題があるのかもしれません。
しかし、どうすればライブのステージングが良くなるのかわからず、悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、ライブステージングのコツや練習方法について解説します。
「そもそもライブのステージングとは何か」「すぐにマネできるおすすめステージング」なども解説するので、最後までご覧ください。
ライブのステージングとは
ステージングとは、演奏中のパフォーマンスや照明などの演出、MCなどの舞台構成のことです。
ライブを見に来る観客は、演奏はもちろん演者の動きや表情、ライブ全体の流れなどを体感しに来ています。
どれだけ演奏が良くても、他のステージングが良くないとライブは盛り上がりません。
そのため観客に「良いライブだった」と感じてもらうには、パフォーマンスなどにも気を付け、音源にはない熱量を感じてもらうための工夫が必要です。
ライブステージング4つのコツ
ライブを盛り上げるためにはステージングが大切とはいえ、最初は何から気を付ければよいかわからないでしょう。
そこでここからは、ライブステージングのコツを4つ解説します。
少し意識するだけで変えられるポイントもあるので、参考にしてください。
演奏中は手元や下を向かない
演奏中に手元や下を向かないことは、ライブステージングの基本です。
バンド初心者など、演奏に自信がないとつい手元を見てしまいがちですが、こうした姿は自信がないように見えます。
演奏中は観客の方を向いたり、メンバー間でアイコンタクトをとったりするようにしましょう。
観客の方を向いて演奏することで、観客は「自分に向けて演奏してくれている」と感じやすくなります。
曲に合わせて動きをつける
視線に気を付けて演奏できるようになったら、次は体全体の動きにも気を付けましょう。
体でリズムを取ったり、身振り手振りで曲を表現したりすると、ただ棒立ちで演奏するよりも良いステージングになります。
特にボーカルは楽器を持っていないため、動きをつけやすいパートです。
ステージ上を歩き回るなど、大きな動きを付けてライブを盛り上げましょう。
自分やバンドに合ったステージングをする
他のアーティストの真似をするのは、手軽にステージングを良くする方法の1つですが、真似する際は「このパフォーマンスは自分たちに合っているか」を意識するようにしましょう。
どれだけかっこいいパフォーマンスでも、演奏しているジャンルや自分たちが表現したい内容に合っていなければ意味がありません。
自分たちに合っていないステージングは、ライブを盛り上げるどころか雰囲気を壊してしまう可能性もあるので気を付けましょう。
トラブルやミスも演出に変える
ライブに慣れていないとトラブルやミスがあると、焦ってしまいがちですが、むしろ演出のチャンスと考えることで、ステージングに活かすことも可能です。
トラブルやミスは、堂々としていればむしろライブっぽさが出て、良くなることがあります。
照れ笑いや焦っている様子はライブの熱を下げてしまうので、気を付けましょう。
ライブステージングのコツ【MC編】
ライブのステージングは動きだけではなく、曲の間に入れるMCも大切です。
上手にMCができているバンドは意外と少ないため、MCに力を入れるだけで他のバンドと差別化することができます。
MCのコツを6つ解説するので、参考にしてください。
事前に練習をする
まず、MCは必ず事前に練習しましょう。MCを事前に練習しているバンドはあまりいません。
しかし、よっぽどライブに慣れている人や話が上手な人でないと、練習なしで良いMCをするのはかなり難しいです。せっかく演奏で盛り上がっていたのにMCで場が白けてしまう、ということも多々あります。
事前に話す内容を決め、話す練習をしておきましょう。
余計な音は鳴らさない
MC中に余計な音が鳴ってしまうと、観客が話の内容に集中できなかったり雰囲気が壊れてしまったりします。
そのため、MC中は極力音を鳴らさないようにしましょう。
特にギターやベースのチューニングは要注意です。
チューニングをすることは大切ですが、ミュートできる機材を用意しておき、MCの邪魔にならないようにしましょう。
無言の時間はできるだけ作らない
無言の時間ができてしまうと、一気にライブの熱が冷めてしまいます。
MCを担当しているメンバーがチューニングしているときやドリンクを飲んでいるときは、他のメンバーがMCをしたり軽く演奏して雰囲気を作ったりするなど、できるだけ無言の時間ができないよう工夫しましょう。
ただし、意図的に無音の時間を作る場合は別です。
ライブに緩急をつけるためなど、あえて無音の時間を作るのはよく使われる演出なので覚えておきましょう。
無理にウケを狙わない
「ウケを狙った話」は、スベるとかえってライブの熱を下げてしまうリスクがあるので、おすすめしません。
そもそも観客は音楽を聴きに来ているので、MCはそこまで面白い話でなくても大丈夫です。
それよりも自分たちの思いや、観客への感謝の気持ちなど、自然なMCをする方が観客も嬉しいでしょう。
メンバー全員でフォローする
多くの場合、MCを担当するのはボーカルです。
そのためボーカルにMCのすべてを任せ、他のメンバーは黙ってみているだけ、というバンドは少なくありません。
しかし、MCもライブの一部であり、メンバー全員で作り上げるべきです。
曲によってはボーカル以外のメンバーがMCを担当したり、メンバー同士の会話形式でMCをしたりするなど、メンバー全員で分担しましょう。
最後の曲はきちんと締める
最後の曲は、ライブの印象を左右する重要なものです。
そのため最後の曲であることを伝えたり、来てくれた観客に感謝を伝えたりして、きちんとライブを締めるMCを入れましょう。
最後の曲がきちんと締まらないとライブへの満足度が下がり、次回のライブに来てもらえる可能性が下がります。
ライブステージングの練習方法
ライブのステージングを良くするには、練習が欠かせません。
具体的なライブステージングの練習方法を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
プロや他のバンドを参考にする
初心者におすすめなライブステージングの練習方法は「プロや他のバンドを参考にすること」です。
YouTubeなどで検索すれば、プロアマ問わずライブ映像がたくさんヒットします。自分が憧れているアーティストやスタイルの近いバンドなどを参考に、マネできるポイントを探しましょう。
その際は、すでに解説したように「そのステージングは自分たちに合っているか」を意識してください。
鏡や動画で動きを確認する
演奏していると自分の動きを客観的に見るのは、なかなか難しいです。
そこでおすすめなのが、鏡や動画で動きを確認すること。
最近は大きな鏡張りのスタジオも増えていますし、スマホを使えば動画も簡単に録れます。
自分では十分動けているつもりでも、実際は思ったより小さな動きしかできていないことが多いので、客観的に自分の動きやメンバーの動きを確認し、修正しましょう。
ライブの振り返りをする
本番は緊張もあり、動きがぎこちなくなりがちです。練習では上手にステージングできているのに、本番では上手くできないこともしばしばあります。
そのためライブ本番でどれだけできていたかは、毎回確認するようにしましょう。
ライブの動画を残しておくのはもちろん、見に来てくれた知り合いや共演者、ライブハウスのスタッフにも意見をきいてみると新たな発見があるかもしれません。
定番のおすすめライブステージング
ここからは、すぐにマネできるおすすめのライブステージングを紹介します。
どれも定番のライブステージングなので、ぜひ参考にしてください。
コール&レスポンス
「コール&レスポンス」とは、ボーカルに続いて観客が同じフレーズを歌うパフォーマンスです。
プロアマ問わず使われるライブパフォーマンスの定番で、会場の一体感を作り出すことができ、上手くいけばライブを一気に盛り上げることができます。
しかし、最初は観客もノリづらく、レスポンスが返ってこないことも少なくありません。
そんな時は、ボーカル以外のメンバーが観客の役に回り、コール&レスポンスのお手本を見せましょう。
観客に手拍子を促す
手拍子もコール&レスポンスと同様に、会場の一体感を作り出せる定番のパフォーマンスです。
声を出さなければいけないコール&レスポンスに比べると、恥ずかしさも少ないため参加してもらいやすいでしょう。
コール&レスポンスのハードルが高いと感じる場合や、コール&レスポンスに使える曲がない場合におすすめです。
特にノリの良い曲のイントロなどで使うと、ライブが盛り上がりやすくなります。
MCで曲を紹介する
曲紹介は、MCでも定番の内容です。
観客は音楽を聴きに来てくれている人たちばかりのため、曲の紹介は興味を持ってもらいやすく、スベることも少ないでしょう。
曲名や歌詞の意味、どんなきっかけでその曲が生まれたのか、作曲やレコーディング時の裏話など、そこでしか聞けないような話をすると喜んでもらえます。
MCでメンバーを紹介する
曲紹介と同様に、メンバー紹介もMCの定番です。
活動し始めのバンドから、すでにある程度有名になったバンドまで幅広く使えます。
メンバーを紹介するときは、パート名と名前をセットで紹介しましょう。
その際紹介されたメンバーは、自分のパートである楽器を使い、軽いパフォーマンスをすると盛り上がります。
楽器を弾きながらMCをする
話しながら、ギターなどで伴奏をつけるのもMCのテクニックの1つです。
次の曲で使われているコード進行を弾くと、MCから曲へスムーズに繋げることができます。
ボーカルが楽器を持っていれば自分で弾いても良いですし、他のパートに演奏してもらっても大丈夫です。
ただし、演奏はあくまで伴奏であり、MCの邪魔にならないよう注意しましょう。
【NG!】ダサいライブのステージング例
ここからは、絶対に避けるべき「ダサいライブステージングの例」について解説します。
どれだけ派手なパフォーマンスをしていても、以降で紹介する例に当てはまってしまうと、良いステージングにはなりません。
姿勢が悪い
姿勢はすべてのパフォーマンスに共通する、基本中の基本です。
同じパフォーマンスをしていても、姿勢が悪いだけで一気にダサくなってしまうので気を付けましょう。
また姿勢と同様に、表情も大切です。
ステージにいる間は、常に観客の視線が自分に向いていることを自覚し、姿勢や表情を整えるようにしてください。
ビジュアルに気を配ってない
ビジュアルが整っていないと、観客も感情移入しにくく、ライブが盛り上がりません。
髪型や服装は、気を付ければ誰でも整えることができるので、気を付けましょう。
ただし、表現としてあえて着崩していたり無造作に演出していたりする場合は、問題ありません。
大切なのは綺麗なビジュアルかどうかではなく、明確な意識をもってビジュアルを作り上げているかどうかです。
自分たちの音楽ジャンルや表現したいことに合っているかをふまえて、今一度ビジュアルを見直してみましょう。
MCで言い訳をする
「体調が悪い」「よく寝れていない」「自信がない」といった言い訳をMCでするのは、NGです。
特にバンド初心者が演奏のハードルを下げるためにしてしまいがちですが、面白い話ではありませんし、ライブの熱が冷めてしまいます。
不安な気持ちもわかりますが、MCで言い訳してしまうと自分の気持ちにも観客の気持ちにも悪い影響を与えてしまうので、やめましょう。
ライブのステージングには「SE」も大事
ここまでライブステージングの内容について解説してきましたが、良いステージングをするには、良い環境を整えておくことも大切です。
そこでおすすめなのが「SE」で雰囲気を作ること。
ここからは、SEを使ってステージングしやすい雰囲気を作る方法を解説します。
SEとは
SEとは、ステージに上がる際に流れる登場曲のことで、音楽ライブ以外に格闘技やスポーツでも使われます。
SEを使用することで、ライブが始まることを知らせると同時に、観客の期待感を高め、ステージングしやすい雰囲気を作ることが可能です。
SEを用意する方法
SEを用意する具体的な方法について解説します。
曲を決める
まずは、SEに使う曲を決めましょう。
派手なSEで最初から一気に盛り上げるのか、しっとりした雰囲気のSEを使いおごそかにライブを始めるのかなど、SEによってライブの雰囲気は大きく変わります。
どんなライブにしたいのかをイメージしたうえで、効果的なSEを選びましょう。
SEに使う曲は、オリジナル曲でも他のアーティストの曲でも大丈夫です。
入場タイミングを決める
SEに使う曲が決まったら、入場のタイミングを決めます。
入場は早すぎても遅すぎても良くありません。程よく観客の期待感を煽りつつ、間延びしないタイミングがおすすめです。
また、入場に合わせて幕を上げたり照明をつけたりする必要があるため、入場タイミングはライブハウスのPAさんにも伝えておきましょう。
SEを止める合図を決める
SEはあくまで入場曲のため、最後まで流す必要はありません。程よいタイミングでPAさんに止めてもらいましょう。
そのためにSEを止めるタイミングと、合図を決めておく必要があります。
わかりやすいのは、ボーカルが手を上げたタイミングでフェードアウトしてもらうことです。
音源は複数の媒体で用意する
SEに使う音源は自分たちで用意し、ライブ前にPAさんに渡します。
その際、音源はCDやUSBなど複数の媒体で用意しましょう。
1つの媒体でしか音源を用意していないと、ライブハウスによっては対応できないことがあるからです。また何かトラブルがあっても、別の媒体をバックアップとして使用できます。
おすすめはCD、USB、スマートフォンなどのデバイスで用意しておくことです。
スマートフォンで音源を流す場合は、着信音が流れてしまったり充電が切れてしまったりしないよう注意しましょう。
かっこいいライブのステージングを目指そう
本記事では、ライブのステージングについて解説しました。
ライブのステージングとは、パフォーマンスや照明などの演出、MCのことを指します。
ステージングによってライブの盛り上がりは変わるので、演奏と一緒にしっかりと準備することが大切です。
バンド初心者は、まずは下を向かないように演奏したり、曲に合わせて軽く動きをつけたりといった基本的なことから始めましょう。
本記事を参考に、かっこいいライブのステージングを目指してください。