路上ライブに許可は必要?違法になる可能性は?疑問点や注意点を解説
2023/12/11(更新 2026/10/01)
路上ライブに必要な許可は、場所によって3つに分かれます。道路なら所轄の警察署へ道路使用許可、私有地ならその場所の管理者の許可、公園なら自治体の公園使用許可です。
無許可の演奏は道路交通法違反にあたりますが、いきなり逮捕されることは稀で、たいていは注意を受けて終わります。ただし注意を受けた後も続けたり、繰り返したりすると立件される可能性があります。
この記事では、違法になる条件、必要な許可、無許可の場合に起きること、許可を取った後も注意すべき点、メリットとデメリットまでまとめました。
この記事の結論
- 道路での演奏には道路使用許可が必要です。申請先は、その道路を管轄する警察署の交通課になります。
- 私有地なら管理者の許可、公園なら自治体の公園使用許可が必要です。
- 道路交通法第77条第1項により、交通の妨害になる行為には許可が要ります。無許可での演奏は、同法の違反です。
- 警察官の制止をきかずに大きな音を出し続けると、軽犯罪法第1条14項にあたる可能性があります。
- 許可を取っていても、拡声器の使用時間や場所、音量は地域の条例で決まっています。法律だけでなく条例も確認してください。
- 声をかけられたら素直に指示に従いましょう。実際に逮捕されるケースは稀です。
路上ライブは違法になる?無許可は要注意

路上ライブをするにあたって、必要な許可を取らずに演奏をすると違法となる可能性があります。
路上ライブを行う場所は、人通りの多い道路などがほとんどです。こうした場所に楽器やスピーカーを置いたり観客を集めて長時間立ち止まらせたりすると交通に影響がでます。
道路交通法第77条第1項によると、こうした交通の妨害になる行為をする場合は許可を取らなければいけません。つまり路上ライブを許可なしで行うと道路交通法違反となり、最悪の場合摘発されてしまうのです。
また、路上ライブをしていると近隣住民からの通報で警察が駆けつけてくることもあります。このとき警察官の制止をきかずに、大きい音を出し続けると軽犯罪法第1条14項にあたる可能性が。
このように路上ライブは場合によっては違法となりますが、実際のところは「通報が入らない限り特に問題はない」と考えている人も多く黙認されているケースもあります。
路上ライブに必要な許可

現実的には無許可で路上ライブをしている人も多く許されていることが多いですが、法律上は路上ライブをするには許可が必要です。
そこでここからは、路上ライブに必要な許可について詳しく解説します。
| 場所 | 必要な許可 | 申請先 |
|---|---|---|
| 道路(歩道・公道) | 道路使用許可 | その道路を管轄する警察署の交通課 |
| 私有地(商店街、店先など) | 管理者の許可 | その場所の管理者(個人・法人) |
| 公園 | 公園使用許可 | 管理している自治体 |
道路使用許可
道路を使用して路上ライブを行う場合は「道路使用許可」が必要です。路上ライブを行う道路を管轄する警察署の交通課に申請することで、許可を取得できます。
ただし道路使用許可を得るためには、以下の3つのうちいずれかの基準を満たさなければいけません。
1.現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
2.許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
3.現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき
出典:警察庁道路使用許可の概要、申請手続等(2023年12月3日引用)
路上ライブの場合、上記1号、2号を避けるのは難しいですが、3号によって認められることが多くあります。可能であれば警備員や交通誘導員を配置し、交通に配慮することで2号の基準からも認められやすくなるでしょう。
まずは管轄の警察署に相談するのがおすすめです。
エリアごとの管轄や空気感は、群馬の路上ライブスポットや渋谷の路上ライブスポットでも扱っています。
私有地の場合、管理者の許可が必要
もし路上ライブをする予定の場所が道路ではなく私有地の場合は、個人・法人問わずその場所の管理者(例えば商店街や店先など)からの許可が必要です。
こうした場所で許可を取らずにライブを行うと、現地の人とのトラブルに繋がり、最悪の場合民事上の問題に発展する可能性があります。
場所の使用を許可するかどうかは管理者の判断に委ねられるので、日頃から良好な関係を築いておくと、許可を得やすいでしょう。
また公園は自治体が管理していることがあり、その場合は自治体からの公園使用許可が必要です。ただし地域独自のイベントやお祭り、学校教育など公共性の高いイベント以外は許可が取りにくい傾向にあります。
無許可で路上ライブをするとどうなる?

すでに解説した通り、道路使用許可を取らずに路上ライブをすると違法になります。とはいえ無許可で路上ライブをしたからといって、いきなり逮捕される可能性は低く、たいていは注意を受けて終了します。
路上ライブをしているアーティストのなかには、許可を取らなければいけないことを知らない人も多く、まずは道路使用許可を取っているかを確認されるでしょう。
その後何か問題があれば演奏を中止するように促され、注意を受けた後も演奏を続けたり、何度も路上ライブを繰り返したりしていると逮捕される可能性があります。
とはいえ実際に路上ライブをしていたことで逮捕されるケースは少なく、警察官が駆けつけた場合でも、素直に指示に従えば逮捕などの処罰を受ける可能性は低いです。
許可を取った路上ライブでも注意するべきこと

必要な許可を取っているからといって、何も注意しなくて良い訳ではありません。
必要な許可を取った路上ライブでも、注意しておくべきことを解説しますので参考にしてください。
違法にならなくても条例に違反する可能性がある
路上ライブで問題となるポイントは「通行人の妨げになること」「騒音が迷惑になること」の2点です。
通行人の妨げに関してはこれまで解説してきた通り、道路交通法などで規定が決まっており、許可の取得が義務付けられています。
そして騒音に関しては、地域によって細かく条例が制定され、拡声器を使用して良い時間や場所、音量が細かく決まっていることに注意が必要です。
つまり、必要な許可をちゃんと取り違法にはならない場合でも、地域の条例に違反してしまう可能性があります。
そのため路上ライブをする際は、法律の確認だけでなく地域の条例も確認しておくと良いでしょう。
カバー曲を演奏する場合の権利関係は路上ライブでのカバー演奏は著作権の侵害になる?で整理しています。
「嫌がらせ通報」を受けることもある
必要な許可を取り、条例を守りながら路上ライブをしていても、嫌がらせで通報を受けてしまうこともあります。
ライブは音楽が好きな人や、アーティストが好きな人からすると楽しいイベントですが、なかにはライブを迷惑に感じる人も。
そういった人達が路上ライブをやめさせるために、嫌がらせで通報するケースもなかにはあります。
嫌がらせ通報を完璧に防ぐことは難しいですが、迷惑にならないよう音量や使用するスペースに気をつかうなど、少しでも通報されるリスクを減らせるよう周りに配慮しながらライブするようにしましょう。
また、事前に予定を告知すると嫌がらせ通報を受ける可能性が高まるため、路上ライブではあえて告知をしないアーティストもいます。
録画と発信を連動させる方法は路上ライブの集客をSNSで広げる方法にまとめました。
許可を取ってまで路上ライブをするメリットはある?

道路使用の許可や条例への配慮が必要なこと、嫌がらせ通報の可能性などを考えると「そこまでして路上ライブをする意味ってあるの?」と思う人もいるでしょう。
そこでここからは路上ライブをするメリット・デメリットについて解説します。
路上ライブをするために必要な労力とメリット・デメリットを照らし合わせながら、自分は路上ライブをするべきかどうか考えてみてください。
路上ライブのメリット
路上ライブのメリットとして、まずもっとも大きいのは不特定多数の人にアピールできることでしょう。
路上ライブではその場にたまたま居合わせた人がお客さんです。あなたの演奏を初めて見る人が大半のため、良いライブができれば新たなファンを作るチャンスになります。
また、お金がかからないことも路上ライブのメリットです。
通常のライブではチケットノルマがあり、ノルマ分のチケットを売れなければ自腹で支払う必要がありますが、路上ライブならそうした費用はかかりません。ライブが良ければ投げ銭をもらえる可能性も。
さらに、ライブをする場所を自分で選べるメリットもあります。
路上を収入につなげる組み立ては弾き語りで収入を得る方法は?をご覧ください。
路上ライブのデメリット
これまで解説してきたように路上ライブをするためには、許可や周囲への配慮が必要です。こうした手続きの多さは、路上ライブのデメリットです。
通常のライブとは違い、必要な機材も自分で用意して運搬しなければなりません。
揃え方と電源の確保は路上ライブに必要な機材を徹底解説、雨天時の判断は路上ライブと雨の日が参考になります。
またメリットとして不特定多数の人にアピールできることをあげましたが、反対にいえば客層がバラバラということです。自分のターゲットにしたい層とは違う人が観客にいることも多いため、ライブが盛り上がらなかったり物販が売れなかったりする可能性も。
路上という環境とライブを見たい人以外も集まっている状況から、トラブルに発展することも少なくありません。
よくある質問
路上ライブに許可は必要ですか?
必要です。道路に楽器やスピーカーを置き、観客を立ち止まらせる行為は交通に影響します。
道路交通法第77条第1項により、交通の妨害になる行為をする場合は許可を取らなければなりません。
申請先は、演奏する道路を管轄する警察署の交通課です。
道路使用許可はどうすれば取れますか?
管轄の警察署の交通課に申請します。許可には3つの基準があり、路上ライブは「公益上又は社会の慣習上やむを得ない」という3号で認められることが多くあります。
警備員や交通誘導員を配置して交通に配慮すると、「条件に従うことで妨害のおそれがなくなる」という2号からも認められやすくなります。まずは管轄の警察署に相談してください。
公園や商店街でも許可が要りますか?
要ります。私有地であれば、個人・法人を問わず、その場所の管理者の許可が必要です。
商店街や店先が該当します。
公園は自治体が管理していることがあり、その場合は公園使用許可が必要です。ただし地域のイベントやお祭り、学校教育など公共性の高いもの以外は、許可が取りにくい傾向にあります。
無許可でやるとどうなりますか?
いきなり逮捕される可能性は低く、たいていは注意を受けて終わります。まず確認されるのは、道路使用許可を取っているかどうかです。
ただし注意を受けた後も演奏を続けたり、無許可の路上ライブを繰り返したりすると、逮捕される可能性があります。警察官の制止をきかずに大きな音を出し続けると、軽犯罪法第1条14項にあたる可能性もあります。
許可を取れば何をしてもよいですか?
いいえ。騒音については地域ごとに条例が制定されており、拡声器を使用してよい時間や場所、音量が細かく決まっています。
許可を取っていても条例に違反する可能性があるため、法律だけでなく地域の条例も確認してください。
通報されるのを防ぐ方法はありますか?
完全に防ぐことはできません。許可を取り条例を守っていても、ライブを迷惑に感じる人から嫌がらせで通報されることがあります。
音量と使用するスペースに気をつかい、周りに配慮することでリスクは減らせます。事前の告知が通報につながることもあるため、あえて告知をしないアーティストもいます。
路上ライブをするメリットは何ですか?
不特定多数の人にアピールできることです。その場に居合わせた人が観客になるため、良いライブができれば新たなファンを作るチャンスになります。
チケットノルマがなく費用がかからない点、場所を自分で選べる点も利点です。一方で客層はバラバラになり、機材の用意と運搬も自分で行う必要があります。
路上ライブは違法にならないよう許可に注意

路上ライブをするためには、道路使用許可が必要です。許可を取らずにライブをすることは違法であり、最悪の場合逮捕されてしまいます。
もしライブをしていて警察官に声をかけられたら素直に指示に従いましょう。また、私有地でライブをする場合は、その土地の管理者からの許可が必要です。
その他にも地域ごとの条例など注意すべき点はありますが、実際に路上ライブをしていて逮捕されるケースは稀ですので、上手に活用し活動の幅を広げましょう。
毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。
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インディペンデントアーティスト編集部
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