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Spotifyアナリティクスの見方!アーティスト活動に活かすデータ分析

配信した曲の再生数を眺めて、増えたか減ったかだけを確認して画面を閉じる。そんな見方で終わっていないでしょうか。

Spotifyのアナリティクスには、誰がどこから聴きに来たのか、どの街に自分を待っている人がいるのかまで記録されています。それを読めるかどうかで、次の一手の精度は大きく変わります。

そこで本記事では、Spotifyアナリティクスの見方を、画面の構成から数字の読み方、リスナーの流入経路、地域データの使い方、そして施策への落とし込みまで順を追って解説します。


Spotify for Artistsで見られるもの

smartphone music streaming app (Photo: Sound On / Pexels)

Spotifyのアナリティクスは、Spotify for Artistsという管理画面から確認できます。楽曲を配信していれば無料で使えるもので、申請して権限が付与されると自分の情報にアクセスできるようになります。

配信代行サービスを通じてリリースしている方の中には、まだ申請していないというケースが意外と多くあります。曲が配信されているだけでは、この画面は開けません。まずは登録状況を確認してみてください。

管理画面で見られる情報は、大きく3つの層に分けて考えると整理しやすくなります。

ひとつめは、何回聴かれたかという量の情報です。ストリーム数、リスナー数、保存数、フォロワー数などがここに入ります。

ふたつめは、どこから来たかという経路の情報です。プレイリスト経由なのか、検索から直接来たのか、アルバムのページから再生されたのかが分かります。

みっつめは、誰が聴いているかという人の情報です。年齢層、性別、国と都市の分布が表示されます。

この3層を順番に見る癖をつけると、数字が意味を持ち始めます。量だけを追うと一喜一憂で終わり、経路と人まで見て初めて行動につながるためです。

なお画面の構成や項目名は更新される可能性があります。表示が本記事と違う場合は、公式のヘルプで最新の説明を確認しましょう。

まず見るべき4つの数字

laptop analytics dashboard (Photo: Joshua Mayo / Pexels)

最初に押さえたいのが、ストリーム数とリスナー数の違いです。この2つを混同すると、状況を読み違えます。

ストリーム数は再生された回数、リスナー数は聴いた人の数を指します。同じ人が10回聴けば、ストリーム数は10、リスナー数は1です。

ここから見えてくるのが、1人あたり何回聴かれているかという指標です。ストリーム数をリスナー数で割ると出てきます。

この数値が高ければ、繰り返し聴かれているということです。数は少なくても、深く刺さっている状態といえます。逆に数値が1に近い場合、多くの人が一度聴いて離れていると読めます。

3つめに見たいのが保存数です。ライブラリに保存する、あるいはプレイリストに追加する行動は、「また聴きたい」という強い意思表示になります。

リスナー数に対して保存の割合が高い曲は、新しい人に届けば伸びる可能性がある曲です。広告や告知に力を入れる候補として、優先度を上げてよいでしょう。

4つめがフォロワー数です。フォローされると、新曲を出したときにリスナーへ届きやすくなります。

フォロワーは一度増えると減りにくく、積み上がっていく資産として機能します。日々の再生数より変動は地味ですが、長い目で見れば最も重要な数字のひとつです。

この4つを、月に一度でよいのでメモに書き写してみてください。前月との比較ができる状態を作るだけで、見え方が変わります。

リスナーがどこから来たのかを読む

person headphones listening (Photo: Sound On / Pexels)

量の次に見たいのが、流入の経路です。管理画面では、再生がどこから発生したかを示す情報が確認できます。

おおまかに、次のような経路に分かれます。

  • アーティストページやアルバムページからの再生
  • Spotifyが自動生成するプレイリスト経由
  • 編集チームが作るプレイリスト経由
  • リスナー自身が作ったプレイリスト経由
  • 検索やその他の経路

このうち注目したいのが、アーティストページからの再生の割合です。ここが高い場合、あなたを目当てに聴きに来ている人が多いことを意味します。

SNSやライブでの告知が効いているかどうかは、この数字に表れます。投稿した翌日に動きがあるかを見れば、告知の手応えを具体的に確かめられます。

一方、リスナー自身が作ったプレイリストへの追加が増えているときは、自分の音楽が誰かの日常に入り込んでいるサインです。どんなプレイリストに入っているかを見ると、聴かれ方が分かります。

「作業用」に入っているのか、「ドライブ」に入っているのか。想定していた聴かれ方と違うことも珍しくありません。そこに、次の曲やコンテンツのヒントが隠れています。

検索からの流入は、名前が覚えられているかを示します。ここが伸びているなら、認知そのものが広がっている状態といえるでしょう。

経路ごとに、打てる手は変わります。どこを伸ばすかを決めるための地図として、この画面を使ってみてください。

プレイリスト流入の読み方

phone playlist screen hand (Photo: Line Knipst / Pexels)

プレイリスト経由の再生は、大きく3種類に分けて考えると扱いやすくなります。性質がまったく違うためです。

ひとつめが、リスナーごとに自動生成されるプレイリストです。個人の好みに合わせて作られるもので、既存のリスナーや近い趣味の人に届きます。

ここからの流入は、急に跳ねることは少ない代わりに安定しやすい傾向があります。地道に聴かれ続けている曲ほど、この経路が育ちます。

ふたつめが、Spotifyの編集チームが作るプレイリストです。掲載されると再生数が大きく動くことがありますが、掲載を確約する方法はありません。

リリース前の一定期間に管理画面から楽曲情報を提出できる仕組みが用意されており、ジャンルや制作背景を伝えられます。期限を過ぎると提出できないため、リリース日から逆算して準備しましょう。

みっつめが、リスナーが自分で作ったプレイリストです。数としては小さく見えても、人の手で選ばれたという意味では最も価値があります。

ここで注意したいのが、プレイリストからの再生が多い時期の読み方です。掲載中は数字が伸びますが、外れると急に落ちます。

大切なのは、その期間にフォロワーと保存が増えたかです。増えていれば、通りすがりの再生が定着に変わっています。増えていなければ、数字は通過しただけということになります。

プレイリスト掲載を狙う施策は、それ自体が目的になりやすい領域です。掲載は手段であり、残った人の数が成果だと捉えておきましょう。

聴いてくれている人の姿を知る

crowd concert audience (Photo: Luis Quintero / Pexels)

数字の向こうには人がいます。管理画面では、年齢層、性別、国と都市の分布を確認できます。

まず見てほしいのが年齢層です。自分が想定していた層と、実際に聴いている層は、しばしばずれています

たとえば同世代に向けて作った曲が、ひと回り上の世代に届いていることがあります。そのずれを知るだけで、SNSでどの媒体に力を入れるか、ライブをどの時間帯に組むかの判断が変わってきます。

性別の分布も、告知の伝え方やグッズの企画を考える材料になります。ただしこの数字だけで決めつけず、傾向として受け取りましょう。

次に見たいのが国と都市のデータです。ここは、行動に直結する情報が最も多い部分といえます。

自分の住む街以外の名前が上位に並んでいるとしたら、そこには自分を知っている人がいるということです。ライブの遠征先を考えるとき、これ以上に具体的な根拠はありません。

海外の都市が入っている場合もあります。配信の性質上、自分がまったく意識していない国に届いていることは珍しくありません。

  • 上位10都市を書き出す
  • 自分の活動圏内と圏外に分ける
  • 圏外の都市で、今後増えているところを探す

この3つの作業をするだけで、次の一年の動き方が見えてきます。数字を人の顔として想像することが、この画面の使い方です。

数字の変化をどう解釈するか

notebook charts pen (Photo: RDNE Stock project / Pexels)

データを見始めると、日々の増減が気になって手が止まるという状態に陥りがちです。ここでは、変化の読み方を整理しておきましょう。

前提として、1日単位の数字は動いて当たり前です。曜日によっても波がありますし、リリース直後は自然に減っていきます。

見るべきは、週単位、月単位の傾向です。7日間の平均を取ると、細かい波が消えて流れが見えます。

数字が動いたときは、その前に何をしたかを必ず結び付けてください。SNSの投稿、ライブの出演、他のアーティストとの共演、誰かの紹介。原因が分かれば、再現できます。

そのために有効なのが、簡単な記録を残す習慣です。

  • 実施した日付と内容
  • その週のストリーム数とリスナー数
  • 保存数とフォロワーの増減

数行のメモで構いません。3か月ほど続けると、何が効いて何が効かなかったかが自分のデータとして残ります。

伸びなかったときの読み方も大切です。届いていないのか、届いたけれど刺さらなかったのか。リスナー数が少ないのか、保存率が低いのかを見れば、どちらの問題かが切り分けられます。

前者なら告知や露出の問題、後者なら曲やジャケット、冒頭の展開に検討の余地があります。同じ「伸びない」でも、打つ手はまったく違います

数字が落ち込む時期は必ず来ます。そのときに支えになるのも、記録された事実です。感覚だけで判断すると、必要以上に落ち込んでしまいます。

データを次の一手に変える

musician planning desk guitar (Photo: Boris Pavlikovsky / Pexels)

最後に、読み取った内容を行動に変える手順をまとめます。分析で終わらせないことが、この作業の目的です。

進め方はシンプルで、気づきを1つ選び、試すことを1つ決め、期限を切るという流れになります。

たとえば、こういった形です。

  • 保存率の高い曲が1曲ある → その曲のミュージックビデオを作り、2か月後に数字を確認する
  • 活動圏外の都市が上位に来ている → その街のイベントに1本出演を打診してみる
  • アーティストページからの再生が少ない → SNSでのリンク掲示の頻度を月4回に決める

ここで大切なのは、一度に複数の施策を走らせないことです。同時に3つ変えると、何が効いたのか分からなくなります。

期限は1か月から3か月を目安に置きましょう。音楽の届き方はゆっくり進むため、1週間で判断すると誤ります。

もうひとつ意識したいのが、新しいリスナーを増やす施策と、既存のリスナーを深める施策のバランスです。

新規を増やす施策は、プレイリストへの提出や他アーティストとの共演、SNSでの露出が中心になります。既存を深める施策は、ライブへの招待やフォローの呼びかけ、制作過程の共有などが挙げられます。

どちらか一方に偏ると、活動は止まりやすくなります。新規だけを追うと定着せず、既存だけを見ると広がりません

そして、数字が伸びない時期にも記録を続けてください。数字は結果であり、目的ではありません。作品を届けたい相手に近づくための道具として使えたとき、この画面は初めて意味を持ちます。

まとめ

sunrise city window calm (Photo: Yender Fonseca / Pexels)

Spotifyアナリティクスの見方について、押さえておきたいポイントを整理します。

  • Spotify for Artistsは無料で使えるため、まず申請状況を確認する
  • 量、経路、人の3層に分けて見ると、数字が行動につながる
  • ストリーム数をリスナー数で割ると、繰り返し聴かれているかが分かる
  • 保存率の高い曲は、新しい人に届けば伸びる可能性がある
  • アーティストページからの再生は、告知が効いているかを示す
  • プレイリスト掲載は手段であり、残ったフォロワーと保存が成果になる
  • 上位の都市を書き出すと、遠征先の判断材料になる
  • 1日単位ではなく、週単位や月単位の傾向で読む
  • 施策は一度に1つだけ試し、1か月から3か月の期限を切る

まずはSpotify for Artistsを開いて、直近28日間のリスナー数と上位10都市をメモに書き写してみてください。この2つを書き出すだけで、次にどこへ向かうかの手がかりが見つかります。


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インディペンデントアーティスト編集部

「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。