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音楽制作

デモ音源のクオリティの上げ方!宅録でも聴かせる音にするコツを解説

デモ音源で聴き手が減点するのは、ノイズ・音量バランスの崩れ・テンポの揺れ・音割れの4つです。この4つを潰すだけで印象は変わり、機材の買い足しは必要ありません。

費用をかけずに効果が大きいのは部屋の処理です。マイクの後ろと横に布団を置くだけで、反射による輪郭のぼやけは減ります。

この記事では求められる状態、録音前の準備、部屋の環境、マイクの立て方、演奏とアレンジ、ミックス、書き出し前の確認を順に解説します。

この記事の結論

  • デモ音源に求められるのは音の豪華さではなく、曲の良さが正しく伝わる状態です。
  • 聴き手が減点する要素は、ノイズ・音量バランスの崩れ・テンポの揺れ・音割れの4つ。
  • 費用ゼロで最も効くのは部屋の処理です。マイクの後ろと横に布団か厚手のカーテンを置いてください。
  • マイクとの距離は15センチから25センチ、録音レベルはピークで-12dBFSから-6dBFS程度に収めます。
  • ミックスはエフェクトをかけず、フェーダーの音量バランスから始めること。EQは足すより削る方向で使います。
  • 判断は一晩置いてから。ヘッドホンだけでなく、スマートフォンのスピーカーでも聴き直すのが前提です。

デモ音源のクオリティとは何を指すのか

デモ音源のクオリティを確かめるヘッドホンと波形の画面

最初に、目指す状態をはっきりさせておきましょう。ここを取り違えると、努力の方向がずれてしまいます。

デモ音源に求められるのは、完成品としての音の豪華さではなく、曲の良さが正しく伝わる状態です。聴き手はアレンジの細部ではなく、メロディと世界観、そして演奏者の熱量を聴いています。

過剰に作り込むより、伝わりを邪魔する要素を取り除くほうが効果的です。

聴き手が減点する要素は、意外なほど共通しています。生活音やノイズが乗っている、歌と演奏の音量バランスが崩れている、テンポが揺れている、音が割れている。

この4つを潰すだけで、印象は大きく変わります。

最初の15秒で判断されることも意識しておきましょう。音源を大量に聴く立場の人ほど、冒頭で聴き続けるかを決めます。

長いイントロを削って、曲の核心が早く来る構成にするだけでも、伝わり方が変わります。

用途によって求められる水準も違います。ライブハウスへの提出であれば演奏力が分かれば足りますが、配信を前提にするなら音圧やノイズ処理まで踏み込まなければなりません。

どこに出す音源なのかを先に決めると、かける手間の量を判断しやすくなります。

録音の前に整えておきたい準備

録音前の準備として歌詞ノートとギターを机に置いた様子

音の質は、録音ボタンを押す前の段階で大部分が決まります。ここを飛ばして機材だけ買い替えても、期待した変化は起こりません。

曲を最後まで固めてから録り始めましょう。録りながら構成を考えると、テイクごとにテンポや歌い回しが変わり、後からつなげなくなります。

展開が決まっていない箇所は、先に決めてしまうほうが早く終わります。

テンポを数字で決めておくことも重要です。クリックに合わせて録っておくと、後から差し替えや編集ができるようになります。

生演奏の揺れを残したい場合でも、基準となるテンポを一度決めておくと判断しやすくなります。

基準にする既存曲を1曲選んでおきましょう。自分が目指す方向に近い市販の曲を用意し、作業中に何度も聴き比べます。

どう選ぶかはリファレンス曲の選び方にまとめました。

耳は短時間で慣れてしまうため、比較対象がないと判断の基準を失います。

歌う本人のコンディションも準備のうちです。声は起床から数時間後に安定しやすく、疲労が出た夜より条件が整いやすくなります。

録音の時間帯を変えるだけで、テイクの質が上がる場合もあります。

再生環境を1つに固定することも決めておきましょう。作業のたびに違うヘッドホンを使うと、音の判断がぶれます。

手持ちの中で最も聴き慣れた1本を基準に据えてください。

部屋の環境を変えるだけで音は変わる

部屋の環境で音を変えるため壁に毛布をかけた自宅スタジオ

宅録の音がこもったり、安っぽく聞こえたりする原因の多くは、機材ではなく部屋にあります。費用をかけずに改善できる余地が最も大きい部分です。

壁の反射を抑えることが最優先の対策になります。裸の壁に囲まれた部屋では、声が壁で跳ね返り、直接音と混ざって輪郭がぼやけます。

マイクの後ろと横に布団や厚手のカーテンを置くだけでも、反射の量は減らせるはずです。

押し入れやクローゼットの中で録る方法も広く使われています。衣類が音を吸うため、専用の設備がなくても落ち着いた音になります。

狭さが気になる場合は、扉を開けた状態で入り口に向かって歌う形でも効果が出ます。

部屋の中央と壁際は避けましょう。中央は低音がたまりやすく、壁際は反射の影響を強く受けます。

部屋の対角線上に立ち位置をずらすだけで、音の印象が変わることがあります。

机や譜面台の反射も見落としがちな要因です。硬い面がマイクの近くにあると、跳ね返った音が回り込みます。

タオルを1枚敷くだけでも改善します。

生活音の対策も忘れないでください。冷蔵庫、エアコン、換気扇、時計の秒針。

録音していないときに部屋で30秒じっと耳を澄ますと、普段は気づかない音が聞こえてきます。録音前に止められるものは止め、外の騒音が少ない時間帯を選びましょう。

部屋づくりの全体像は宅録環境の作り方、賃貸での防音は防音宅録の方法で扱っています。

マイクの立て方と録音レベルの決め方

マイクの立て方を決めるポップフィルター付きのコンデンサーマイク

同じマイクでも、置き方と設定で結果は大きく変わります。ここは知識だけで改善できる領域です。

マイクとの距離は15センチから25センチ程度が基本になります。近づきすぎると低音が過剰に膨らみ、離れすぎると部屋の反射を多く拾います。

声量の大きい方は少し離す、といった調整を試し録りで詰めていきましょう。

まっすぐ正面から歌わず、少し角度をつける方法も有効です。息が直接当たるとノイズになりやすいため、マイクの軸から数センチ横にずらして歌うと、破裂音が和らぎます。

ポップガードは自作でも構いません。ストッキングを丸い枠に張った簡易なもので、パ行やバ行の吹かれをかなり抑えられます。

マイクとの間に5センチ程度の間隔を取って設置しましょう。

録音レベルは、ピークで-12dBFSから-6dBFS程度に収めるのが安全な目安です。デジタル録音では、一度でも上限を超えると音が割れ、後から直せません。

余裕を持たせて録り、音量は後の工程で上げるほうが確実です。

テイクは複数録っておきましょう。同じ設定で3回歌えば、後から良い部分を選べます。

1回で決めようとすると、力みが音に出やすくなります。

録り方そのものの詰め方はボーカル録音のコツ、乗ってしまった音の処理はノイズ除去の方法にまとめてあります。

録り終えたら、ヘッドホンで全体を通して聴き直してください。衣擦れ、椅子のきしみ、譜面をめくる音。

この段階で見つかれば、録り直しの判断ができます。

演奏とアレンジで解決できること

演奏とアレンジで解決するためアコースティックギターを録音する様子

音が濁る原因は、処理の不足ではなく音の詰め込みすぎにある場合が多くあります。ミックスに入る前に、素材そのものを見直しましょう。

音数を減らすことが、最も効果の高い改善策になることは珍しくありません。パートを重ねるほど音は厚くなりますが、同じ帯域に集まると互いを打ち消します。

試しに2トラック消してみて、印象が悪くならないなら、その2つは不要です。

帯域の住み分けを意識しましょう。ベースとバスドラム、ギターとキーボード、歌とストリングス。

同じ高さで同じリズムを鳴らしているパートがあれば、どちらかの音域を移すか、リズムをずらします。

演奏の精度は、後処理より効果が大きい要素です。タイミングがそろっていない演奏は、どれだけ処理してもすっきりしません。

難しいフレーズは、テンポを落として録り、後から戻す方法もあります。

歌の子音を意識して歌い直すだけでも、聴き取りやすさが変わります。宅録では小さく歌いがちで、言葉の輪郭が消えやすい傾向です。

語頭と語尾を少しはっきり発音するだけで、歌詞が届くようになります。

同じフレーズを2回録って重ねる手法も、費用をかけずに厚みを出せる方法です。コーラスやギターのバッキングで使うと、作り物めいた派手さではなく、自然な広がりが得られます。

ミックスで最低限やっておきたい処理

ミックスで最低限の処理をするソフトのフェーダー画面

高度なテクニックは不要です。順番を守って基本の処理を行うだけで、聴きやすさは大きく改善します。

順番 やること 目安
1 フェーダーだけで音量バランスを取る エフェクトは一切かけない
2 不要な低音を削る 歌やギターの100Hz以下を落とす
3 こもりを取る 200〜500Hz付近を少し削る
4 コンプレッサーを軽くかける ピークが3〜6dB抑えられる程度
5 リバーブを1種類にまとめる 同じ部屋で鳴っているように聞こえる状態
6 モノラルで確認する 消えるパートがあれば位相の問題

手順の背景は音楽制作のミックスとはで解説しています。

まず音量バランスだけを取ってください。エフェクトを一切かけず、フェーダーだけで各パートの大きさを整えます。

この段階で聴きやすい状態になっていれば、後の処理は仕上げで済みます。

不要な低音を削ることが次の一手です。歌やギターなど、低音を必要としないトラックの100Hz以下を落とすと、全体の見通しが良くなります。

削りすぎると痩せるため、少しずつ動かして比べましょう。

EQは足すより削るほうが安全です。こもって聞こえるときは高音を足すのではなく、200Hzから500Hz付近を少し削ると解決する場合があります。

帯域ごとの考え方はEQミックスの基本にまとめました。

コンプレッサーは軽くかけるところから始めましょう。歌のように音量差の大きいトラックでは、ピークが3dBから6dB程度抑えられる設定を目安にします。

かけすぎると呼吸感が消え、平坦な印象になります。

リバーブは1種類を全体で共有するのがおすすめです。トラックごとに別のリバーブを使うと、空間がばらばらになります。

同じ部屋で鳴っているように聞こえる状態を目指しましょう。

定期的にモノラルで確認してください。片方のスピーカーだけで聴いて音が消えるパートがあれば、位相の問題が起きています。

スマートフォンのスピーカーで再生される場面を考えると、この確認は欠かせません。

書き出す前の最終チェック

書き出す前の最終チェックを夜にイヤホンで行う様子

仕上げの工程で慌てると、それまでの作業が台無しになります。手順を決めて確認していきましょう。

耳を休ませてから聴き直しましょう。作業直後の判断は当てになりません。

一晩置いて翌朝に聴くと、音量バランスの崩れやノイズに気づけます。

複数の環境で再生してください。ヘッドホン、スマートフォンのスピーカー、車の中、イヤホン。

どの環境でも歌が埋もれていないかを確認します。特にスマートフォンの小さなスピーカーは、低音が出ないぶん判断材料になります。

曲の先頭と末尾を整えます。頭に無音が長く入っていないか、末尾が不自然に切れていないか。

最後に短いフェードをかけると、余韻がきれいに収まります。

音量の基準も確認しておきましょう。配信を前提にする場合、-14LUFS前後が一つの目安として使われています。

基準値は配信サービスごとに異なり、変更される可能性もあるため、提出先の案内を確認してみてください。音圧を整える工程そのものは音源マスタリングとはで扱いました。

書き出す形式を用途で使い分けましょう。保存用には24bit・44.1kHzのWAVを残し、送付用にはMP3の320kbps程度を用意すると扱いやすくなります。

ファイル名も整えてください。「アーティスト名_曲名_年月日」の形にしておくと、受け取った相手が管理しやすくなります。

相手のもとで迷子にならない配慮も、音源の一部といえます。

よくある質問

デモ音源はどこまで作り込むべきですか?

曲の良さが正しく伝わる状態で足ります。完成品としての豪華さは求められていません。

ライブハウスへの提出なら演奏力が分かれば足りますが、配信を前提にするなら音圧やノイズ処理まで踏み込む必要があります。どこに出す音源かを先に決めてください。

聴き手はどこで減点しますか?

ノイズや生活音が乗っている、歌と演奏の音量バランスが崩れている、テンポが揺れている、音が割れている。この4つです。

音源を大量に聴く立場の人ほど、最初の15秒で聴き続けるかを決めます。長いイントロは削ったほうが届きます。

機材を買わずに音を良くする方法はありますか?

部屋の処理が最も効果的です。マイクの後ろと横に布団や厚手のカーテンを置くだけで、壁の反射による輪郭のぼやけは減らせます。

押し入れやクローゼットの中で録る方法も有効です。部屋の中央と壁際は、低音のたまりと反射を受けやすいため避けましょう。

マイクとの距離はどのくらいが適切ですか?

15センチから25センチ程度が基本です。近づきすぎると低音が過剰に膨らみ、離れすぎると部屋の反射を多く拾います。

まっすぐ正面ではなく、軸から数センチ横にずらして歌うと破裂音が和らぎます。

録音レベルはどこまで上げてよいですか?

ピークで-12dBFSから-6dBFS程度に収めてください。デジタル録音では一度でも上限を超えると音が割れ、後から直せません。

余裕を持たせて録り、音量は後の工程で上げるほうが確実です。

ミックスは何から手をつければよいですか?

エフェクトを一切かけず、フェーダーだけで音量バランスを取ることから始めます。この段階で聴きやすければ、後の処理は仕上げで済みます。

次に不要な低音を削り、こもりを取り、コンプレッサーを軽くかける順番です。EQは足すより削る方向で使ってください。

書き出す形式は何を選べばよいですか?

保存用には24bit・44.1kHzのWAV、送付用にはMP3の320kbps程度を用意すると扱いやすくなります。

ファイル名は「アーティスト名_曲名_年月日」の形にしておくと、受け取った相手が管理しやすくなります。

デモ音源のクオリティを上げるまとめ

デモ音源の仕上がりに笑顔でヘッドホンを聴く音楽家

デモ音源のクオリティの上げ方について、押さえておきたいポイントを整理します。

  • 求められるのは豪華さではなく、曲の良さが正しく伝わる状態
  • ノイズ、音量バランス、テンポの揺れ、音割れの4つを先に潰す
  • 曲の構成とテンポを固め、基準にする既存曲を1曲用意しておく
  • 布団やクローゼットで反射を抑え、冷蔵庫やエアコンの音を止める
  • マイクとの距離は15センチから25センチ、少し角度をつけて歌う
  • 録音レベルはピークで-12dBFSから-6dBFS程度に収める
  • 音を足すより減らす。同じ帯域で重なるパートは整理する
  • ミックスはフェーダーの音量バランスから始め、EQは削る方向で使う
  • 一晩寝かせてから、スマートフォンを含む複数の環境で聴き直す

まずは次の録音で、マイクの後ろに布団を1枚立ててから録ってみてください。費用ゼロで、変化がはっきり分かるはずです。

毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。

努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。

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インディペンデントアーティスト編集部

「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。