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路上ライブでのカバー演奏は著作権の侵害になる?クリアする方法は?

chihiroblog

「路上ライブでカバー曲を演奏したい」と考えていませんか?確かにまだ知名度があまりないアーティストにとっては、カバー曲は人を集める有効な手段です。

しかし、路上ライブでカバー曲を演奏すると、場合によっては著作権の侵害になってしまいます。最近では路上ライブに限らずYouTubeやSNSでの歌ってみた動画が著作権法に違反してしまうこともあり、不安に思う人も多いでしょう。

そこで本記事では、路上ライブと著作権について詳しく解説します。

著作権法に違反しないための大切なポイントも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

路上ライブは著作権的に違法?

結論からいうと、路上ライブはしっかりとポイントを守って行えば著作権には違反しません。

不特定多数の人に向けてライブをする場合、基本的には著作権者やJASRACといった著作権管理団体から演奏利用の許諾申請を得る必要があります。

しかし、著作権法第38条によると、一部の例外では著作権者などに許諾を得なくとも演奏することが可能です。

どのような条件なら、著作権者などの許可なく演奏しても著作権法に違反しないかは、このあと解説します。

路上ライブで著作権をクリアする3つのポイント

路上ライブで著作権に違反しないためのポイントは以下の3つです。

  1. 営利を目的としていないこと
  2. 聴衆または観衆から料金を受け取らないこと
  3. 演奏者に報酬が支払われないこと

著作権に違反するかどうかは、営利目的であるかがとても重要です。

募金を募るためのチャリティーコンサートや、商店街を宣伝するためのイベントでの演奏などは、営利を目的としているためカバー曲を演奏をするには著作者の許諾が必要になります。

路上ライブで投げ銭やCD販売をすると著作権の侵害になる?

「投げ銭やCD販売は大丈夫なの?」と気になる人もいるでしょう。

過去にあったJASRACへの問い合わせをみてみると、路上ライブでの投げ銭やCD販売が報酬に当たるかについては明確な取り決めがなく、担当者によって見解が異なるようです。

ストリートでは、度々「投げ銭」が行われますが、これが報酬や入場料に当たるのではないか、と不安に思われる方もいるでしょう。ですがストリートの場合は「それを払わなければ見れない」というものではありませんよね。明らかな商業目的のストリート演奏は例外として、個人でストリートで演奏されていて、投げ銭があった場合も入場料とみなしてはいません。

https://digireco.com/jasrac-interview2018

続けて、路上ライブで投げ銭をもらった場合、またCD販売を行った場合について訪ねました。担当者曰く「投げ銭は出演者への報酬にあたると考えられるので、著作権の侵害となる可能性が高い」とのことでした。CD販売については「正直、微妙です」との回答で、明確な取り決めはないとのことです。

https://rojolive.com/introduce/jasrac_copyright

「投げ銭は出演者の報酬にあたるため著作権の侵害になる可能性が高く、CD販売も微妙」と答える人もいれば「それを払わなければ見れないわけではないため、投げ銭があった場合も入場料とみなしていない」と答える人も。

万が一のことを考えると投げ銭は受け取らず、CD販売も行わないほうが無難でしょう。

市販の楽譜を複製して使用するのはNG!

ライブをする際、メンバーが複数いる場合など楽譜をコピーして使いたいこともあるでしょう。

しかし楽譜は「著作物」にあたるため、自宅での私的利用や学校などの教育機関での使用以外は、基本的に複製するのに著作権者の許可を得る必要があります。

これまでに解説した3つのポイントを守っていた場合でも、著作権者の許可がいらないのは演奏だけのため、自分のバンドメンバーに市販の楽譜を複製して使用するのはNGですのでご注意ください。

路上ライブの配信や投稿には配信利用許諾が必要

カバー曲演奏動画を、動画投稿サイトなどにアップロードする場合は、著作権者や著作権管理団体からの配信利用の許可が必要です。

とはいえ、YouTubeやニコニコ動画などの有名動画サイトはJASRACやNexToneといった著作権管理団体と包括契約を結んでいることがほとんど。

これらの管理団体が管理している楽曲に関しては「自作の音源であること」や「広告目的でないこと」などの条件を満たしていれば個別に許可をとる必要はありません。

しかし、X(旧Twitter)など、なかには著作権管理団体と包括契約を結んでいないSNS、動画サイトもあるため、投稿する前に必ず確認するようにしましょう。

路上ライブでの著作権は見逃されているケースも

仮に著作権が侵害されている場合であっても、刑事告訴できるのは原則として被害にあった本人やその家族、遺族です。

JASRACといった著作権管理団体ではなく作曲した本人が著作権を持っている場合は、自分の曲が使われていても、わざわざ告訴をしない人もいます。

路上ライブでのカバー演奏は著作権に注意して

路上ライブでカバー曲を演奏する際は、著作権者か著作権管理団体からの許可が必要です。

しかし、本記事で紹介したポイントを守ったうえで演奏する場合は、例外的に許諾なしで演奏することが認められています。

最後にもう一度、3つのポイントを確認しておきましょう。

  1. 営利を目的としていないこと
  2. 聴衆または観衆から料金を受け取らないこと
  3. 演奏者に報酬が支払われないこと

実際問題として、個人レベルの路上ライブで著作権が問題となるケースは稀ですが、規模が大きく、大々的に報酬を得ている場合はご注意ください。

著作権には注意したうえで、正しく路上ライブを行いましょう。

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インディペンデントアーティスト編集部
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「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介するオウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。
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