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路上ライブに許可は必要?違法になる可能性は?疑問点や注意点を解説

chihiroblog

多くのミュージシャンにとって、路上ライブは知名度を上げる良い機会になります。実際にいきものがかりやゆず、コブクロなど今では誰もが知る有名なアーティストも初めは路上ライブをしていました。

しかし、ルールを守らないと、可能性が広がるどころか注意を受けたり最悪逮捕されてしまったりする可能性も。

本記事では正しく路上ライブが行えるよう、必要な許可や注意点について詳しく解説します。すでに路上ライブをしている人にもこれから路上ライブをする人にも参考になる内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

路上ライブは違法になる?無許可は要注意

路上ライブをするにあたって、必要な許可を取らずに演奏をすると違法となる可能性があります。

路上ライブを行う場所は、人通りの多い道路などがほとんどです。こうした場所に楽器やスピーカーを置いたり観客を集めて長時間立ち止まらせたりすると交通に影響がでます。

道路交通法第77条第1項によると、こうした交通の妨害になる行為をする場合は許可を取らなければいけません。つまり路上ライブを許可なしで行うと道路交通法違反となり、最悪の場合摘発されてしまうのです。

また、路上ライブをしていると近隣住民からの通報で警察が駆けつけてくることもあります。このとき警察官の制止をきかずに、大きい音を出し続けると軽犯罪法第1条14項にあたる可能性が。

このように路上ライブは場合によっては違法となりますが、実際のところは「通報が入らない限り特に問題はない」と考えている人も多く黙認されているケースもあります。

路上ライブに必要な許可

現実的には無許可で路上ライブをしている人も多く許されていることが多いですが、法律上は路上ライブをするには許可が必要です。

そこでここからは、路上ライブに必要な許可について詳しく解説します。

道路使用許可

道路を使用して路上ライブを行う場合は「道路使用許可」が必要です。路上ライブを行う道路を管轄する警察署の交通課に申請することで、許可を取得できます。

ただし道路使用許可を得るためには、以下の3つのうちいずれかの基準を満たさなければいけません。

1.現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき

2.許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき

3.現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

警察庁.“道路使用許可の概要、申請手続等”. 警察庁.https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/shinsei-todokede/dourosiyoukyoka/permission.html.(引用2023-12-3)

路上ライブの場合、上記1号、2号を避けるのは難しいですが、3号によって認められることが多くあります。可能であれば警備員や交通誘導員を配置し、交通に配慮することで2号の基準からも認められやすくなるでしょう。

まずは管轄の警察署に相談するのがおすすめです。

私有地の場合、管理者の許可が必要

もし路上ライブをする予定の場所が道路ではなく私有地の場合は、個人・法人問わずその場所の管理者(例えば商店街や店先など)からの許可が必要です。

こうした場所で許可を取らずにライブを行うと、現地の人とのトラブルに繋がり、最悪の場合民事上の問題に発展する可能性があります。

場所の使用を許可するかどうかは管理者の判断に委ねられるので、日頃から良好な関係を築いておくと、許可を得やすいでしょう。

また公園は自治体が管理していることがあり、その場合は自治体からの公園使用許可が必要です。ただし地域独自のイベントやお祭り、学校教育など公共性の高いイベント以外は許可が取りにくい傾向にあります。

無許可で路上ライブをするとどうなる?

すでに解説した通り、道路使用許可を取らずに路上ライブをすると違法になります。とはいえ無許可で路上ライブをしたからといって、いきなり逮捕される可能性は低く、多くの場合は注意を受けて終了することが一般的です。

路上ライブをしているアーティストのなかには、許可を取らなければいけないことを知らない人も多く、まずは道路使用許可を取っているかを確認されるでしょう。

その後何か問題があれば演奏を中止するように促され、注意を受けた後も演奏を続けたり、何度も路上ライブを繰り返したりしていると逮捕される可能性があります。

とはいえ実際に路上ライブをしていたことで逮捕されるケースは少なく、警察官が駆けつけた場合でも、素直に指示に従えば逮捕などの処罰を受ける可能性は低いです。

許可を取った路上ライブでも注意するべきこと

必要な許可を取っているからといって、何も注意しなくて良い訳ではありません。

しっかりと許可を取った路上ライブでも、注意しておくべきことを解説しますので参考にしてください。

違法にならなくても条例に違反する可能性がある

路上ライブで問題となるポイントは「通行人の妨げになること」「騒音が迷惑になること」の2点です。

通行人の妨げに関してはこれまで解説してきた通り、道路交通法などで規定が決まっており、許可の取得が義務付けられています。

そして騒音に関しては、地域によって細かく条例が制定され、拡声器を使用して良い時間や場所、音量が細かく決まっていることに注意が必要です。

つまり、必要な許可をちゃんと取り違法にはならない場合でも、地域の条例に違反してしまう可能性があります。

そのため路上ライブをする際は、法律の確認だけでなく地域の条例も確認しておくと良いでしょう。

「嫌がらせ通報」を受けることもある

必要な許可を取り、条例を守りながら路上ライブをしていても、嫌がらせで通報を受けてしまうこともあります。

ライブは音楽が好きな人や、アーティストが好きな人からすると楽しいイベントですが、なかにはライブを迷惑に感じる人も。

そういった人達が路上ライブをやめさせるために、嫌がらせで通報するケースもなかにはあります。

嫌がらせ通報を完璧に防ぐことは難しいですが、迷惑にならないよう音量や使用するスペースに気をつかうなど、少しでも通報されるリスクを減らせるよう周りに配慮しながらライブするようにしましょう。

また、事前に予定を告知すると嫌がらせ通報を受ける可能性が高まるため、路上ライブではあえて告知をしないアーティストもいます。

許可を取ってまで路上ライブをするメリットはある?

道路使用の許可や条例への配慮が必要なこと、嫌がらせ通報の可能性などを考えると「そこまでして路上ライブをする意味ってあるの?」と思う人もいるでしょう。

そこでここからは路上ライブをするメリット・デメリットについて解説します。

路上ライブをするために必要な労力とメリット・デメリットを照らし合わせながら、自分は路上ライブをするべきかどうか考えてみてください。

路上ライブのメリット

路上ライブのメリットとして、まずもっとも大きいのは不特定多数の人にアピールできることでしょう。

路上ライブではその場にたまたま居合わせた人がお客さんです。あなたの演奏を初めて見る人がほとんどのため、良いライブができれば新たなファンを作るチャンスになります。

また、お金がかからないことも路上ライブのメリットです。

通常のライブではチケットノルマがあり、ノルマ分のチケットを売れなければ自腹で支払う必要がありますが、路上ライブならそうした費用はかかりません。ライブが良ければ投げ銭をもらえる可能性も。

さらに、ライブをする場所を自分で選べるメリットもあります。

路上ライブのデメリット

これまで解説してきたように路上ライブをするためには、許可や周囲への配慮が必要です。こうした手続きの多さは、路上ライブのデメリットといえるでしょう。通常のライブとは違い、必要な機材も自分で用意して運搬しなければなりません。

またメリットとして不特定多数の人にアピールできることをあげましたが、反対にいえば客層がバラバラということです。自分のターゲットにしたい層とは違う人が観客にいることも多いため、ライブが盛り上がらなかったり物販が売れなかったりする可能性も。

路上という環境とライブを見たい人以外も集まっている状況から、トラブルに発展することも少なくありません。

路上ライブは違法にならないよう許可に注意

路上ライブをするためには、道路使用許可が必要です。許可を取らずにライブをすることは違法であり、最悪の場合逮捕されてしまいます。

もしライブをしていて警察官に声をかけられたら素直に指示に従いましょう。また、私有地でライブをする場合は、その土地の管理者からの許可が必要です。

その他にも地域ごとの条例など注意すべき点はありますが、実際に路上ライブをしていて逮捕されるケースは稀ですので、上手に活用し活動の幅を広げましょう。

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インディペンデントアーティスト編集部
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「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介するオウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。
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