ライブフライヤーの作り方!個人アーティスト向けデザインの基本
告知画像を作ろうとして、何をどう配置すればいいか分からず手が止まった経験はないでしょうか。情報を全部入れると窮屈になり、絞ると物足りない。デザインの経験がないと、判断の基準そのものがありません。
フライヤーは、ライブの存在を知らせる最初の接点です。ここで内容が伝わらなければ、どれだけ良い演奏をする予定でも、人は集まりません。
そこで本記事では、ライブフライヤーの作り方を、載せる情報の整理からレイアウト、制作、配布まで順を追って解説します。デザインの経験がなくても形になる方法をまとめました。
必ず載せる情報と優先順位

デザインを考える前に、情報を整理しましょう。何を伝えるかが決まらなければ、どう配置するかも決まりません。
必須の情報
日付が最も重要です。曜日も添えると親切です。
開演時間も欠かせません。開場時間と開演時間は別なので、両方書くのが基本です。
会場名は、正式名称で記載します。略称だけでは検索できません。
出演者を明記します。自分だけでなく、共演者も含めます。
料金は、前売りと当日を分けて書きます。ドリンク代が別途必要な場合は、その旨も記載します。
予約方法を書いておきましょう。これがないと、行きたい人が動けません。
優先順位をつける
すべてを同じ大きさで並べると、何も伝わりません。視線が向かう順序を設計します。
一般的な優先順位は次のとおりです。
1. 日付
2. 出演者名(自分の名前)
3. 会場名
4. 開演時間
5. 料金
6. 予約方法
日付と出演者が最も大きく、料金や予約方法は小さくても構いません。スクロールしながら見る人が、一瞬で「いつ、誰が」を把握できることが重要です。
あるとよい情報
イベントタイトルがあると、印象に残りやすくなります。
アーティスト写真やアートワークは、視覚的な引きを作ります。
問い合わせ先も、可能であれば記載しましょう。
SNSアカウントを入れておくと、興味を持った人がたどり着けます。
レイアウトの基本

情報をまとめる
関連する情報を近くに配置します。日付と時間、会場名と住所、料金と予約方法。バラバラに散らすと、読み手が情報を探すことになります。
余白を恐れないことも大切です。詰め込むほど情報量が増えると考えがちですが、実際には読みにくくなって伝わりません。
上から下へ流れる構成が、最も自然です。上に日付とタイトル、中央にビジュアルと出演者、下に会場と料金の詳細。この配置が定番になっているのには理由があります。
文字の大きさに差をつける
最大の文字と最小の文字で、3倍以上の差をつけると、優先順位が明確になります。
すべてが同じ大きさだと、どこから読めばいいか分かりません。
揃える
左端を揃える、中央に揃える。どちらでも構いませんが、統一することが重要です。
要素ごとに揃え方が違うと、雑然とした印象になります。
情報を削る勇気
作っていると、あれもこれも入れたくなります。しかし、読まれない情報は載せていないのと同じです。
「これがなくても伝わるか」を基準に、思い切って削りましょう。
文字と色の選び方

フォント
読みやすさを最優先してください。装飾の多いフォントは雰囲気が出ますが、小さく表示したときに読めません。
使うフォントは2種類までに抑えると、まとまった印象になります。見出し用と本文用、という使い分けが基本です。
数字が読みやすいかも確認しましょう。日付や料金は数字です。「3」と「8」、「0」と「6」が判別しにくいフォントは避けたほうが無難です。
フォントのライセンスにも注意が必要です。商用利用が認められているかを確認しておきましょう。
色
背景と文字のコントラストを確保することが、最も重要な原則です。淡い背景に淡い文字では、離れると読めません。
色数は3色程度に抑えます。基調色、補助色、文字色。増やすほど、まとまりが失われます。
音楽性に合わせる視点も持ちましょう。激しいロックなら強い色、アコースティックなら落ち着いた色。フライヤーの色調から、どんな音楽かが伝わります。
印刷と画面の違いも理解しておきましょう。画面で鮮やかに見える色は、印刷すると沈むことがあります。
印刷用とSNS用の違い

同じ内容でも、媒体によって作り方が変わります。
印刷用フライヤー
サイズは、A5またはB5が一般的です。ライブハウスのフライヤーコーナーに置く場合、この大きさが扱いやすいでしょう。
解像度は300dpi以上が必要です。画面用の72dpiで作ると、印刷時に粗くなります。
塗り足しの設定が必要です。紙の端まで色を入れる場合、裁断のずれを見越して外側に余分を作ります。多くのデザインツールに、この設定があります。
文字を端に寄せすぎないことも重要です。裁断位置がずれると、端の文字が切れます。5ミリ程度の余裕を持たせましょう。
カラーモードは、印刷ではCMYKが基本です。ただし、簡易な印刷サービスではRGBのまま受け付けてくれることもあります。
SNS用の画像
サイズは、投稿先によって変わります。正方形、縦長、横長。それぞれに最適な比率があります。
小さく表示される前提で作りましょう。タイムラインでは、スマートフォンの画面の一部に表示されます。細かい文字は読めません。
最初に目に入る要素を意識してください。スクロールする指を止めるには、上部に強い要素を置く必要があります。
複数枚の投稿という選択肢もあります。1枚目に日付と出演者だけ、2枚目に詳細情報。分割すれば、それぞれを大きく見せられます。
文字量を減らすことも有効です。詳細は投稿の本文に書き、画像には最低限の情報だけを載せる。この分担であれば、画像を簡潔に保てます。
無料ツールでの制作手順

デザインソフトを買う必要はありません。無料のツールで十分に作れます。
手順は次のようになります。
1. サイズを選ぶ
用途に合ったサイズを選択します。多くのツールに、印刷用とSNS用のテンプレートが用意されています。
2. テンプレートを選ぶ
音楽イベント向けのテンプレートを探します。ゼロから作るより、既存の構成を基にしたほうが早く、失敗も少なくなります。
3. 文字を入れ替える
テンプレートの文字を、自分の情報に置き換えます。この段階では、レイアウトは触りません。
4. 画像を差し替える
アーティスト写真やアートワークを配置します。
5. 色とフォントを調整する
テンプレートのままだと、他の人と同じ雰囲気になります。色とフォントを自分の音楽性に合わせて変更しましょう。
6. 確認する
完成したら、実際のサイズで確認します。印刷用なら1枚印刷してみる、SNS用ならスマートフォンで表示してみる。画面上の作業だけでは気づけない問題が見つかります。
誤字の確認も忘れないでください。日付、時間、会場名、料金。一つでも間違っていると、混乱を招きます。声に出して読むと、見落としに気づきやすくなります。
共演者に確認してもらうことも大切です。名前の表記が違っていると、失礼にあたります。
印刷の発注

印刷用フライヤーを作る場合の進め方です。
オンラインの印刷サービスを使うのが手軽です。データを送るだけで、数日で届きます。
枚数は、100枚から500枚程度が一般的です。ライブハウスに置く分、手渡しする分、対バン相手に渡す分を見積もりましょう。
費用は、A5サイズ100枚で1,000円から3,000円程度が目安です。枚数が増えるほど、1枚あたりの単価は下がります。
紙質も選べます。光沢のあるコート紙は写真が映え、マットな紙は落ち着いた印象になります。
納期を確認してください。通常は数日から1週間程度ですが、急ぎの場合は割増料金で早められることもあります。ライブの2週間前には手元にあるようにスケジュールを組みましょう。
入稿データの形式は、サービスごとに指定があります。PDF形式が一般的です。
発注前の確認を怠らないでください。一度印刷すると、修正できません。日付や会場名の誤りは、致命的です。
効果的な配布方法

作ったフライヤーを、どう届けるか。
ライブハウスに置く
出演する会場には、必ず置かせてもらいましょう。事前に郵送するか、当日持参します。
他の会場にも置いてもらえることがあります。日頃出演している会場や、近隣のライブハウス。担当者に相談してみましょう。
置かせてもらう際のマナーとして、勝手に置かず、必ず許可を得てください。
手渡しする
最も効果が高い方法です。ライブ終演後、物販で話した人に渡す。「次はこの日にやります」と一言添えれば、印象に残ります。
共演者に渡すことも大切です。相手のファンに届く可能性があります。
多く配ることより、丁寧に渡すことを意識しましょう。無差別に配っても、ほとんどは読まれずに捨てられます。
音楽関連の店舗
楽器店、CDショップ、音楽スタジオに置いてもらえることがあります。音楽に関心のある人が訪れる場所です。
カフェや書店でも、地域の告知物を掲示しているところがあります。
SNSでの拡散
印刷したものと同じデザインをSNSにも投稿しましょう。統一されていると、認識されやすくなります。
共演者に共有して、それぞれのアカウントから発信してもらう形も効果があります。
投稿の本文に情報を書くことも忘れないでください。画像だけでは、検索に引っかかりません。テキストでも日付、会場、料金を記載しておきましょう。
まとめ

ライブフライヤーの作り方について、押さえておきたいポイントを整理します。
- 載せる情報を整理し、日付と出演者名を最も大きく配置する
- 関連する情報をまとめ、上から下へ流れる構成にする
- 最大と最小の文字で3倍以上の差をつけて優先順位を示す
- フォントは2種類まで、色は3色程度に抑える
- 印刷用は300dpi以上、塗り足しの設定と端の余白を確保する
- SNS用は小さく表示される前提で、文字量を減らす
- 無料ツールのテンプレートから始め、色とフォントで個性を出す
- 発注前に日付、時間、会場名、料金を声に出して確認する
- 配布は数より丁寧さ。手渡しが最も効果が高い
まずは次のライブの情報を、優先順位をつけて紙に書き出してみてください。そこからレイアウトが決まっていきます。
毎日配信をしても、お客さんは増えない。
告知をしても、ライブの客席は空いたまま。
新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。
それが、多くのアーティストが直面している現実です。
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