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音楽グッズの通販を個人で始める方法!プラットフォーム比較

ライブ会場でグッズを手に取ってもらえたのに、来られなかった人には届けられない。そんなもどかしさを感じたことはないでしょうか。

遠方に住むファン、仕事で来られなかった人、配信をきっかけに知ってくれた人。通販という窓口がひとつ無いだけで、その人たちとの接点は途切れてしまいます。

そこで本記事では、個人で音楽グッズの通販を始める方法を、開店前の準備からプラットフォームの比較、価格と送料の設計、発送作業の回し方まで順を追って解説します。


通販を始める前に決めておきたいこと

notebook planning desk (Photo: Walls.io / Pexels)

ショップを開く前に、売り方の骨格を決めておくと迷いが減ります。プラットフォーム選びから入ると、機能の比較ばかりに時間を取られてしまいがちです。

最初に考えたいのが、在庫を持つのか、受注生産にするのかという点です。在庫を持つ方式は、注文が入ったらすぐ送れるので購入者を待たせません。一方で、売れ残った分はそのまま手元の負担になります。

受注生産やプリントオンデマンドは、注文が入ってから作る仕組みです。在庫リスクをほぼゼロにできる代わりに、発送までの日数が長くなり、1個あたりの原価も高くなる傾向があります。

次に決めたいのが、どこまで自分の手でやるかという線引きです。梱包と発送を自分で行うのか、倉庫サービスに預けるのか。ここを曖昧にしたまま始めると、リリース直後の忙しい時期に作業が積み上がります。

もうひとつ、開店前に用意しておきたいのが販売者としての情報です。ネットショップでは特定商取引法にもとづく表記が求められ、氏名や連絡先、返品の条件などを掲載する必要があります。

自宅の住所を出したくない場合の扱いは、サービスによって異なります。開店前に各サービスの規約と最新の案内を確認しておきましょう。

主要な通販プラットフォームを比較する

laptop online shop (Photo: https://kaboompics.com/ / Pexels)

個人が音楽グッズを売る場合、選択肢はおおよそ4つの方向に分かれます。それぞれ得意な場面が違うので、自分の売り方に近いものを選ぶのが基本です。

手軽に始めたいならBASEとSTORES

BASEとSTORESは、専門知識がなくても数時間でショップを開けます。テンプレートを選び、商品写真と説明文を入れれば、その日のうちに公開できるところまで進みます。

どちらも月額無料のプランがあり、売れたときに手数料が引かれる形が基本です。固定費をかけずに始められる点が、最初の一歩として選びやすい理由です。

両者の違いは細部にあります。BASEは拡張機能が豊富で、予約販売や送料の細かい設定を後から足していけます。STORESは操作画面がすっきりしており、実店舗やレジ機能との連携を考える場合に相性が良いといわれています。

クリエイター向けならBOOTH

BOOTHはpixivが運営するプラットフォームで、音源や楽譜などのデータ販売にそのまま対応している点が特徴です。ダウンロード販売とフィジカルグッズを、同じショップの中に並べられます。

倉庫サービスが用意されており、商品を預けておけば注文ごとの梱包と発送を任せられます。発送作業を手放したい人にとっては大きな利点です。

本格的に育てるならShopify

Shopifyは月額課金型で、デザインや機能の自由度が高いプラットフォームです。海外販売や複数の販売経路をまとめたい場合に力を発揮します。

ただし初期の設定に手間がかかり、固定費も発生します。売上がまだ小さいうちは、無料で始められるサービスから入り、規模が育ってから移行を検討するほうが無理がありません。

選ぶときの判断軸

比較で迷ったら、次の3点で絞ってみてください。

  • データ販売をするか、物理的なグッズだけか
  • 発送を自分でやるか、倉庫に任せたいか
  • 毎月の固定費を許容できるか

なお各サービスの料金や機能は変更される可能性があります。開店を決める前に、必ず公式サイトの最新情報を確認しましょう。

手数料をどう見て、価格をどう決めるか

calculator coins receipt (Photo: Nataliya Vaitkevich / Pexels)

通販で最も見落とされやすいのが、手元に残る金額が思ったより少ないという現実です。販売価格がそのまま収入になるわけではありません。

引かれるものは、おおむね次の4つに分けられます。

  • 決済手数料(クレジットカードやコンビニ決済にかかる分)
  • プラットフォームの販売手数料
  • 振込手数料
  • 商品の原価と梱包資材費

無料プランのサービスでは、これらを合わせて売上の10%前後が差し引かれるケースが一般的です。3,000円のTシャツが売れても、原価と手数料を引くと残りは数百円ということも珍しくありません。

だからこそ、価格は原価に一定の率を掛けて決めるのではなく、残したい金額から逆算するやり方をおすすめします。1枚売れたらいくら残ってほしいのかを先に置き、そこに原価と手数料を足していく順番です。

安く売ることが親切とは限りません。値段を下げすぎると、作り直す体力が残らず、次のグッズが作れなくなります。

送料の扱いも価格の一部です。送料無料にする場合、その分は商品価格に含める必要があります。

「送料込み」と明記して価格を上げるか、送料を別に取るか。どちらが伝わりやすいかは商品によって変わります。

利益率の目安を持っておくと判断が早くなります。物販では原価が販売価格の3割前後に収まると運営しやすいといわれますが、小ロットで作る個人の場合はそこまで下がらないことも多いため、現実的な数字で計算することを優先してください。

商品ページの作り込みが売上を左右する

product photography tshirt (Photo: MART  PRODUCTION / Pexels)

同じ商品でも、ページの作り方で売れ方は変わります。実物を触れない相手に、手元に届いたときの姿を想像してもらうのが商品ページの役割です。

最も効くのが写真です。明るい場所で、白い壁や机の上に置いて撮るだけでも印象は大きく変わります。スマートフォンでも十分な品質になるので、機材への投資よりも撮り方を整えるほうが先です。

1つの商品につき、写真は3枚から5枚あると安心してもらえます。全体が分かる正面の写真、質感が分かる寄りの写真、そして人が持っている、着ている状態の写真。この3種類が揃うと、サイズ感の不安が消えます。

説明文では、購入者が判断に使う情報を落とさないようにしましょう。

  • サイズ(Tシャツなら着丈と身幅の実寸)
  • 素材と厚み
  • プリントの方式
  • 洗濯やお手入れの注意点

こうした事実の情報に加えて、そのグッズを作った理由を一言添えると、印象が変わります。歌詞の一節から取ったモチーフなのか、ツアーのために作ったのか。背景があるだけで、単なる物からファンにとっての記念品に変わります。

発送までの日数も、必ずページに明記してください。「入金確認から3営業日以内に発送します」と書いてあるだけで、購入者は待つ心構えができます。書いていないことが、問い合わせの主な原因になります

送料と梱包の設計で利益が変わる

packing parcel box (Photo: SHVETS production / Pexels)

送料は、設計を少し変えるだけで利益が数百円単位で動く部分です。にもかかわらず、最初は深く考えずに決めてしまいがちなところでもあります。

まず把握したいのが、商品ごとの厚みと重さです。ステッカーやポストカードのように薄いものは、規格内の郵便やクリックポストのような安価な方法で送れます。厚さ3センチ以内に収まるかどうかが、料金の分かれ目になることが多くあります。

Tシャツやタオルは、圧縮して薄くすれば宅配便より安い方法に収まる場合があります。梱包の工夫が、そのまま送料の削減につながるわけです。

配送方法を選ぶときの観点は3つあります。

  • 追跡番号が付くか
  • 補償があるか
  • ポストに投函されるか、手渡しか

安さだけで選ぶと、届かなかったときに追跡できず、対応に時間を取られます。数十円の差なら追跡が付く方法を選ぶほうが、結果的に手間が減ります。

封筒、緩衝材、ビニール袋、テープといった梱包資材は、事前にまとめて用意しておきましょう。注文が入ってから買いに走ると、発送が遅れます。

雨で濡れて届いたという事故は、ポスト投函の配送で起こりがちです。商品をビニール袋に入れてから封筒に入れるというひと手間で、多くのトラブルを防げます。

複数個をまとめて買ってくれた場合の送料も、あらかじめ決めておきましょう。個数分の送料を取るのか、一定額以上で無料にするのか。まとめ買いが得になる設計にしておくと、1回あたりの購入額が上がりやすくなります。

在庫管理と発送作業を無理なく回す

shelves stock boxes (Photo: Tiger Lily / Pexels)

通販でつまずく理由の多くは、売れないことではなく作業が回らなくなることにあります。制作や練習の時間を削って発送に追われる状態は、長続きしません。

そこでおすすめしたいのが、発送日をあらかじめ決めてしまう方法です。毎週水曜と土曜にまとめて発送する、と決めておけば、注文のたびに作業に呼び出されずに済みます。

商品ページに「毎週水曜・土曜に発送します」と書いておけば、購入者も納得したうえで待ってくれます。都合に合わせるのではなく、先に伝えておくのがコツです。

在庫の数は、月に一度でよいので実物を数えて突き合わせましょう。システム上の在庫と手元の数がずれたまま販売を続けると、売れたのに在庫が無いという最も避けたい事態が起こります。

在庫が少なくなってきたときの動き方も決めておくと安心です。

  • 残り何個になったら追加発注するか
  • 発注から納品までにかかる日数
  • その間、販売を止めるか予約受付にするか

ライブやリリースの直後は注文が集中します。その時期だけ発送を倉庫サービスに任せるという選択肢も持っておくと、負担の山を平らにできます。

発送作業そのものも、手順を固定すると速くなります。同じ順番で並べて流れ作業にするだけで、1件あたりの時間は目に見えて短くなります。

トラブルへの備えと、買ってくれた人との関係づくり

handwritten note package (Photo: RDNE Stock project / Pexels)

通販を続けていれば、荷物が届かない、商品が破損していた、サイズが合わなかったといった連絡はいずれ来ます。起こる前提で準備しておけば、慌てずに済みます。

返品と交換の条件は、開店の時点でページに書いておきましょう。不良品は交換に対応する、サイズ違いによる返品は受け付けない、といった線引きです。書いてあることが、そのまま判断の基準になります

配送事故が起きた場合は、まず追跡番号で状況を確認します。配送会社の調査に時間がかかることもあるため、購入者には分かっている範囲を早めに伝えるのが誠実な対応です。返答が遅いことのほうが、不信につながります。

一方で、通販は単なる販売の窓口ではありません。買ってくれた人と直接つながれる数少ない場所でもあります。

同梱するものを少し工夫してみてください。手書きのメッセージカード、次のライブの案内、限定音源のダウンロードコードなど。箱を開けた瞬間の体験が、次の購入につながります。

購入者向けのメール配信機能を用意しているプラットフォームもあります。新作の告知をまず既存の購入者に届ける流れを作れば、毎回ゼロから集客する必要がなくなります。

ただし送りすぎは逆効果です。知らせたいことがあるときだけ届く頻度が目安といえるでしょう。

まとめ

warm workspace morning light (Photo: Hanna Pad / Pexels)

音楽グッズの通販を個人で始める方法について、押さえておきたいポイントを整理します。

  • 在庫を持つか受注生産にするかを、先に決めておく
  • BASEとSTORESは手軽、BOOTHはデータ販売と倉庫、Shopifyは自由度が強み
  • 料金や機能は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認する
  • 手数料と原価で売上の多くが消えるため、残したい金額から逆算して価格を決める
  • 写真は3枚から5枚、着用や使用の写真を入れてサイズ感の不安を消す
  • 発送までの日数を明記すると、問い合わせが大きく減る
  • 厚さ3センチに収まるかどうかで送料が変わるため、梱包の工夫が利益に直結する
  • 発送日を週2回などに固定し、商品ページに書いておく
  • 返品と交換の条件を開店時に決め、配送事故は分かる範囲を早めに伝える

まずは売りたいグッズを1種類だけ決めて、無料で開けるショップに商品ページを1つ作ってみてください。全部を揃えてから始めるより、1つ売れてみるほうが多くのことが分かります。


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インディペンデントアーティスト編集部

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