マイクロライブ空間アプリ「corom」を見に行く

仕事

アーティストの開業届!出す判断基準から書き方・提出方法まで解説

開業届は「個人事業の開業・廃業等届出書」のことで、費用はかかりません。提出する最大の意味は、青色申告を選べるようになることです。

ただし提出前に確認したい点が3つあります。失業給付の受給、家族の扶養、勤務先の就業規則です。

該当する場合は、窓口へ先に確認してください。

この記事では書類の位置づけ、出す判断の基準、提出前の確認、書き方で迷う項目、青色申告承認申請書、提出方法と提出後の実務までまとめました。

この記事の結論

  • 開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。用紙は国税庁のサイトから入手でき、費用はかかりません。
  • 提出しても資格や許可が生まれるわけではありません。出さなければ活動できないというものでもなく、あくまで税務上の届出です。
  • 提出する最大の利点は、青色申告を選べることです。赤字の繰越や屋号での口座開設にも関わります。
  • 提出前に確認したいのは、失業給付の受給予定、家族の扶養、勤務先の就業規則の3点です。
  • 青色申告承認申請書は別の用紙で、原則として開業から2か月以内が期限です。開業届と同じ封筒に入れてしまうのが確実です。
  • 提出は窓口・郵送・e-Taxのいずれでも行えます。控えは口座開設などで必要になる場合があるため、必ず受け取ってください。

開業届とはどういう書類なのか

official tax form paper (Photo: RDNE Stock project / Pexels)

税の全体像は音楽活動の税金の基礎知識で扱っています。

まず、何のための書類なのかを押さえましょう。ここが分かると、身構える必要がなくなります。

想像されているより、ずっと簡素な書類です。

**正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」**です。個人として事業を始めたことを、税務署に知らせるための書類にあたります。

会社を作る手続きとはまったく別のものです。

提出しても資格や許可が生まれるわけではありません。開業届を出したから演奏の仕事が増えるということはなく、逆に出さなければ活動できないということもありません。

あくまで税務上の届出という位置づけです。

費用はかかりません。用紙は国税庁のサイトから入手でき、提出も無料です。

印鑑や資本金といった準備も不要です。

書く内容もそれほど多くありません。氏名、住所、マイナンバー、事業の内容、開業した日。

おおむねこの程度で、記入自体は短時間で終わります。

提出のタイミングは、事業を始めてから1か月以内が原則とされています。ただし遅れて出した場合の罰則は定められておらず、実務上は後から提出する方も少なくありません。

制度は変更される可能性がありますので、提出時に国税庁の案内を確認してください。

開業届を出すべきかどうかの判断基準

person thinking desk documents (Photo: Daniil Kondrashin / Pexels)

すべてのアーティストが出す必要はありません。自分がどの段階にいるかで考えましょう。

判断の材料になる観点を、順に挙げていきます。

継続して収入が発生しているかが、最初の目安になります。年に一度だけ知人のイベントに出て謝礼を受け取った、という状態と、月々ギャラや分配金が入っている状態では、性質が異なります。

収入から経費を引いた利益の大きさも判断材料です。会社員として給与を受け取りながら音楽活動をしている場合、その利益が年間20万円を超えると確定申告が必要になるとされています。

金額の基準は変わる可能性がありますので、必ず最新の情報を確認しましょう。

経費が多くかかっているかという視点も持ってください。楽器、機材、スタジオ代、交通費。

こうした支出が積み上がっている方ほど、届出と申告の仕組みを整える意味が大きくなります。

専業として活動していく意思があるかも大きな分かれ目です。音楽を生活の柱にしていくつもりなら、早い段階で出しておくほうが後の手続きが楽になります。

迷う場合は、税務署の窓口で相談できます。無料で質問でき、書き方も教えてもらえます。

個別の事情に関わる判断は、税務署や税理士に確認してください。

開業届を出すことで得られるもの

calculator receipts notebook (Photo: https://kaboompics.com/ / Pexels)

出す側の利点を整理しましょう。ここが動機になるはずです。

制度上の利点と、活動を進めるうえでの実務的な利点があります。

青色申告を選べるようになることが、最も実質的な利点です。青色申告承認申請書を併せて提出すると、所定の帳簿づけを行うことを条件に、控除を受けられる制度が用意されています。

条件によって控除額が変わりますので、詳細は国税庁の案内で確認しましょう。

赤字を繰り越せる場合がある点も見逃せません。機材を購入した年に赤字となった場合、青色申告であれば一定期間その損失を繰り越せる仕組みがあります。

初期投資の大きい活動と相性のよい制度といえます。

屋号での銀行口座を作りやすくなります。金融機関によっては、開業届の控えを求められる場合もあるようです。

活動用の口座を分けると、経費の管理が一気に楽になります。

家族に給与を支払える制度も、条件を満たせば利用できます。事務や物販を手伝ってもらっている場合に関わってきますが、要件が細かいため、事前に確認が必要です。

消費税側の論点はインボイス制度と音楽家の基本知識にまとめました。

気持ちの区切りになるという側面もあります。趣味と仕事の境目が曖昧になりやすい活動だからこそ、届出を一つの節目として使う方もいます。

提出する前に確認しておきたいこと

checklist clipboard pen desk (Photo: RDNE Stock project / Pexels)

利点だけを見て出すと、思わぬところで困る場合があります。先に確認しておきましょう。

確認すること 何が起きうるか 確認先
失業給付を受けている・受ける予定 事業を開始したとみなされ、受給の扱いに影響する可能性 ハローワーク
家族の扶養に入っている 健康保険の扶養条件は保険者ごとに異なる 勤務先の担当窓口、保険者
会社に勤めている 副業を認めていない、または届出制の場合がある 自社の就業規則
住民税の徴収方法 確定申告で選択できる場合がある 自治体、税務署

いずれも、提出前なら簡単に調べられることばかりです。

失業給付を受けている、または受ける予定がある場合は、注意が必要です。開業届を出すと事業を開始したとみなされ、受給の扱いに影響する可能性があります。

該当する方は、先にハローワークへ確認しましょう。

家族の扶養に入っている場合も、事前の確認をおすすめします。健康保険の扶養条件は加入している保険者ごとに定められており、収入の基準や事業所得の扱いが異なることがあります。

勤務先の担当窓口や保険者に問い合わせてください。

勤めながら続ける組み立て方はサラリーマンが音楽を副業にする方法で扱っています。

会社に勤めている場合は、就業規則を読んでおきましょう。副業を認めていない会社もあれば、届出制にしている会社もあります。

開業届そのものが会社に通知されるわけではありませんが、規則との関係は自分で把握しておく必要があります。

住民税の徴収方法も、気にする方が多い点です。確定申告の際に選択できる場合がありますので、詳しくはお住まいの自治体や税務署に確認しましょう。

判断に迷う項目は、断定的な情報をうのみにしないでください。税や社会保険の扱いは個別の事情で変わります。

無料相談の窓口も各地にありますので、活用するとよいでしょう。

開業届の書き方で迷いやすい項目

hand writing form pen (Photo: RDNE Stock project / Pexels)

用紙を前にして手が止まるのは、だいたい同じ箇所です。ひとつずつ見ていきましょう。

音楽活動ならではの迷いどころにも触れておきます。

納税地には、原則として住所地を書きます。自宅で作業や練習をしている方が多いため、多くの場合は住民票のある住所で問題ありません。

職業欄は、実態に合わせて書きます。「音楽家」「演奏家」「音楽講師」といった記載が考えられます。

この欄の書き方によって個人事業税の扱いが変わる場合があるとされていますので、気になる場合は都道府県の税事務所に確認しておきましょう。

屋号は空欄でも構いません。アーティスト名やユニット名を入れる方もいますが、必須ではありません。

後から変更することもできます。

開業日は、活動を事業として始めた日を自分で決めて記入します。厳密な証明を求められる性質のものではありませんが、青色申告の申請期限に関わるため、実態から大きく離れた日付は避けましょう。

事業の概要には、具体的な内容を短く書きます。「音楽の演奏および指導」「楽曲制作、音源販売」といった書き方が考えられます。

マイナンバーの記入も必要ですので、通知カードやマイナンバーカードを手元に用意してください。

青色申告承認申請書を一緒に出す

accounting ledger book desk (Photo: Pavel Danilyuk / Pexels)

開業届だけを出して、こちらを忘れる方が少なくありません。同時に提出するのが効率的です。

後から気づいても、その年には間に合わない場合があります。

申告の手順はアーティストの確定申告の基礎にまとめました。

この書類を出さないと、自動的に白色申告になります。開業届には青色申告を選ぶ欄がありませんので、別の用紙で申請する必要があります。

用紙は同じく国税庁のサイトから入手できます。

提出期限は、原則として開業した日から2か月以内です。

期限を過ぎると、その年は青色申告を選べなくなる場合がありますので、開業届と同じ封筒に入れてしまうのが確実です。

帳簿づけの負担は、以前より軽くなっています。複式簿記と聞くと身構えますが、会計ソフトを使えば、入出金を入力していく作業が中心になります。

月額千円台から使えるサービスもあり、費用は変更される可能性があります。

何が経費になるかはアーティストが知っておきたい経費一覧が詳しいです。

領収書を残す習慣を、この段階から始めましょう。スタジオ代、弦や消耗品、遠征の交通費、機材の購入。

撮影して保存するだけでも、後の作業が大きく変わります。

活動用の口座とカードを分けることも強くおすすめします。生活費と混ざっていると、仕分けだけで何時間もかかることになります。

提出の方法と、その後にやること

post office envelope mailing (Photo: Lisett Kruusimäe / Pexels)

書けたら、あとは出すだけです。手段はいくつかあり、生活に合うものを選べます。

地方在住で税務署が遠い方にも、現実的な方法があります。

税務署の窓口に持参する方法が、最も確実でしょう。その場で不備を指摘してもらえ、控えに受付印を押してもらえます。

控えは口座開設などで必要になる場合がありますので、必ず受け取ってください。

郵送でも提出できます。控えを返送してもらうため、切手を貼った返信用封筒を同封します。

窓口に行く時間が取れない方や、近くに税務署がない地方在住の方にとって現実的な方法です。

e-Taxを使えばオンラインで完結します。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、自宅から送信できます。

会計ソフトの多くにも作成機能が用意されています。

提出後に始まるのが帳簿づけです。毎月まとめて入力する日を決めておけば、確定申告の時期に慌てずに済むはずです。

月末の30分を予定として押さえておくくらいで十分です。

確定申告は原則として毎年2月中旬から3月中旬が期間とされています。期間や制度は変更される可能性がありますので、その年の案内を確認してください。

よくある質問

開業届は必ず出さなければいけませんか?

提出しなくても活動はできます。開業届は税務上の届出であり、出したから資格や許可が生まれるものではありません。

一方で、継続的な収入があり経費も積み上がっているなら、出す意味は大きくなります。音楽を生活の柱にしていくつもりなら、早い段階で出しておくほうが後の手続きが楽になります。

提出に費用はかかりますか?

かかりません。用紙は国税庁のサイトから入手でき、提出も無料です。

印鑑や資本金といった準備も不要で、書くこと自体は30分ほどで終わります。

出す前に確認すべきことはありますか?

3点あります。失業給付を受けている、または受ける予定がある場合は、開業届を出すと事業を開始したとみなされ、受給の扱いに影響する可能性があります。

家族の扶養に入っている場合、健康保険の扶養条件は保険者ごとに別物です。会社に勤めている場合は就業規則を確認してください。

いずれも該当するなら、提出前に窓口へ問い合わせてください。

職業欄には何と書けばよいですか?

実態に合わせて書きます。「音楽家」「演奏家」「音楽講師」といった記載が考えられます。

この欄の書き方によって個人事業税の扱いが変わる場合があるとされているため、気になる場合は都道府県の税事務所に確認しておいてください。

屋号は必要ですか?

空欄でも構いません。アーティスト名やユニット名を入れる方もいますが、必須ではありません。

後から変更することもできます。

青色申告承認申請書も出すべきですか?

開業届と同時に出すのが効率的です。この書類を出さないと自動的に白色申告になり、開業届には青色申告を選ぶ欄がありません。

提出期限は原則として開業した日から2か月以内です。期限を過ぎるとその年は青色申告を選べなくなる場合があるため、開業届と同じ封筒に入れてしまうのが確実です。

税務署が遠い場合はどうしますか?

郵送でも提出できます。控えを返送してもらうため、切手を貼った返信用封筒を同封してください。

マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、e-Taxで自宅から送信することもできます。会計ソフトの多くにも作成機能が用意されています。

アーティストの開業届まとめ

guitar case office desk (Photo: Luo Chris / Pexels)

アーティストの開業届について、押さえておきたいポイントを整理します。

  • 開業届は事業の開始を税務署に知らせる書類で、費用はかからない
  • 提出は事業開始から1か月以内が原則だが、遅れて出す人も少なくない
  • 継続的な収入があり、経費も積み上がっているなら出す意味が大きい
  • 最大の利点は青色申告を選べること。赤字の繰越や屋号口座の開設にも関わる
  • 失業給付、家族の扶養、勤務先の就業規則は、提出前に必ず確認する
  • 職業欄は実態に合わせて記入し、屋号は空欄でも問題ない
  • 青色申告承認申請書は別の用紙で、開業から2か月以内が原則の期限
  • 提出は窓口、郵送、e-Taxのいずれでも可能で、控えは必ず受け取る
  • 個別の事情に関わる判断は、税務署や税理士に確認する

まずは国税庁のサイトで用紙を確認し、直近1年の音楽関連の収入と支出を書き出してみてください。数字が見えると、出すかどうかの判断はすぐにつきます。

毎日配信をしても、お客さんは増えない。告知をしても、ライブの客席は空いたまま。新しい曲を作っても、誰にも届かない。

努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。それが、多くのアーティストが直面している現実です。

「もっと集客を頑張れ」と言われても、簡単にできたら誰も悩んでいません。結果が出ないのは、才能でも努力不足でもなく、「届ける方法」を知らないだけ です。

コロム は、ファンと一体になれるマイクロライブ空間アプリ。

  • 1ヶ月で50人規模のライブを完売
  • SNSフォロワー数が5,000人を突破
  • 副業から始めて、音楽だけで食べていけるようになったアーティストも

昇給を待つより、今の環境を変えるほうが早い。仕事があっても、地方に住んでいても、音楽を諦める必要はありません。

まずは、環境を変えることから。想像を超えるアーティスト生活を、コロムから始めてください。

アーティスト登録申請はこちら

ABOUT ME

インディペンデントアーティスト編集部

「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介する オウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、 音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。