ライブグッズ自作の方法!個人アーティストでもできるデザインと制作
物販ブースに並べるものが、CDしかない。そんな状況に物足りなさを感じたことはないでしょうか。演奏を気に入ってくれた人が、何か持ち帰りたいと思ったとき、選択肢が一つしかないのはもったいない状況です。
グッズは、収益源であると同時に、ファンとの関係を形にするものです。身につけてもらえれば、日常の中で思い出してもらえます。
そこで本記事では、ライブグッズを自作する方法を、最初のアイテム選びから制作、価格設定、販売まで順を追って解説します。在庫を抱えるリスクを抑えた進め方を中心にまとめました。
最初に作るべきグッズ

いきなりTシャツを100枚作るのは、賢明ではありません。単価が安く、失敗しても損失が小さいものから始めましょう。
ステッカーは、最も始めやすいアイテムです。1枚あたりの原価が数十円から数百円で、100枚作っても大きな負担になりません。かさばらず、持ち運びも簡単です。
缶バッジも定番です。制作費が安く、複数の絵柄を作りやすい点が利点です。ライブで身につけてもらえると、可視化された応援になります。
ポストカードは、写真やアートワークをそのまま使えます。原価が低く、購入特典として配ることもできます。
キーホルダーは、日常的に持ち歩いてもらえるアイテムです。アクリル素材のものが人気で、小ロットでの制作にも対応している業者があります。
タオルは、単価がやや上がりますが、ライブで使ってもらえる実用性があります。
Tシャツは、収益性が高い一方でリスクも大きくなります。サイズ展開が必要で、在庫が残りやすいアイテムです。慣れてから挑戦しましょう。
最初は2種類か3種類に絞ることをおすすめします。並べる商品が多すぎると、購入者が迷います。また、在庫管理も煩雑になります。
デザインの考え方

何をデザインするか
アーティスト名やロゴを使うのが基本です。名前が残るものは、後から見返したときに誰のグッズか分かります。
アートワークを流用する方法もあります。ジャケットのデザインをそのままグッズにすれば、統一感が生まれます。
歌詞やフレーズを使うのも効果的です。自分の楽曲の中から印象的な一節を選べば、ファンにとって意味のあるものになります。
イラストや写真も選択肢です。ただし、自分で撮影・制作したものか、権利が明確なものに限ります。
デザインの基本
シンプルなほうが失敗しません。要素を詰め込むと、小さく印刷したときに何も読めなくなります。
色数を絞ることも重要です。印刷方式によっては、色数が増えると費用が上がります。2色から3色で構成すると、費用面でも見た目でも整います。
背景と文字のコントラストを確保してください。淡い色同士だと、離れたときに読めません。
実際のサイズで確認する習慣を持ちましょう。画面上で作業していると大きく見えますが、缶バッジは直径数センチです。印刷して手に持ってみると、印象が変わります。
使えるツール
無料のデザインツールで十分に作れます。テンプレートが用意されており、グッズ用のサイズも選べます。
注意点として、ツール内の素材をそのまま商品化することは、規約で制限されている場合があります。販売するグッズに使う場合は、必ず利用規約を確認してください。
フォントのライセンスも同様です。商用利用が認められているフォントかどうかを確認しましょう。
入稿データの形式は業者ごとに異なります。PNG形式で受け付けてくれるところもあれば、専用の形式を求められることもあります。発注前に確認が必要です。
制作サービスの選び方

グッズを実際に作る方法は、大きく2つに分かれます。
小ロット対応の制作業者
1個から作れるサービスもあります。在庫リスクがほぼゼロになる一方、1個あたりの単価は高くなります。
100個単位での発注になると、単価が大きく下がります。ある程度の販売見込みがある場合、こちらが有利です。
選ぶ際の確認点を挙げます。
最小ロットがいくつか。1個から作れるか、50個からか。
入稿データの形式は何か。自分が用意できる形式に対応しているか。
納期はどれくらいか。ライブに間に合うかどうかは重要です。余裕を持って2週間から1ヶ月前には発注しておきましょう。
サンプルが作れるかも確認したい点です。本発注の前に1個作って確認できると、失敗を防げます。
送料も計算に入れてください。単価が安くても、送料で費用が膨らむことがあります。
受注生産サービス
注文が入ってから製造する仕組みのサービスもあります。在庫を持つ必要がなく、初期費用もかかりません。
利点は、リスクがまったくないことです。売れなければ何も生じません。
制約は、単価が高くなることと、ライブ会場で手渡しできないことです。購入者の手元に届くまで時間がかかります。
併用するという考え方が現実的です。ライブ会場用に少量を自分で発注し、オンラインは受注生産に任せる。この組み合わせであれば、在庫を抑えつつ機会も逃しません。
原価と販売価格

価格設定は、原価から積み上げて考えます。
計算に入れるべき費用は次のとおりです。
- 製造費(1個あたり)
- 送料(総額を個数で割る)
- デザイン費(外注した場合)
- 梱包材(オンライン販売の場合)
原価の2倍から3倍が、一般的な価格設定の目安です。ステッカーの原価が100円なら、300円から500円程度になります。
相場も確認しておきましょう。他のアーティストが同じアイテムをいくらで売っているか。極端に高いと売れず、安すぎると利益が残りません。
買いやすい価格を意識することも大切です。500円、1,000円といった区切りの良い金額は、購入の判断がしやすくなります。お釣りの用意も楽になります。
セット販売という手法もあります。「ステッカー2枚で500円」「Tシャツとタオルで4,000円」。単品より買いやすくなり、客単価も上がります。
特典として使う方法も検討できます。CDを買ってくれた人にステッカーを付ける。単体で売るより、他の商品の後押しになることがあります。
在庫を抱えないために

自作グッズで最も痛いのが、売れ残りです。
小ロットから試すことが基本です。最初から大量に作らず、20個や30個で反応を見ます。
追加発注できるか確認しておきましょう。同じデザインで再発注できれば、少量から始めても機会を逃しません。
サイズ展開を絞ることも有効です。Tシャツを作る場合、S・M・L・XLと4サイズ用意すると、それぞれの在庫が残ります。まずはMとLの2サイズだけ、といった判断もあります。
季節性のあるものを避けるという考え方もあります。夏にしか使えないものは、売れ残ると1年待つことになります。
数を記録する習慣を持ちましょう。何をいくつ作り、いくつ売れたか。データがあれば、次回の発注数を判断できます。
残った在庫の使い道も考えておきます。イベントでの配布、抽選のプレゼント、購入特典。売れなくても、活用する方法はあります。
ライブ会場での売り方

作ったグッズを、実際に手に取ってもらう工夫を挙げます。
見やすく並べることが基本です。箱に入れたままでは、何があるか分かりません。台の上に広げ、価格を明示しましょう。
価格表示は必ず用意してください。値段が分からないと、聞くのをためらう人がいます。手書きでも構わないので、見える位置に置きます。
ステージから告知することが、最も効果があります。「終演後に物販をやっています」と一言伝えるだけで、立ち寄る人が変わります。
自分が立つことも重要です。誰かに任せるより、本人がいるほうが売れます。話しかけたい人にとって、購入は声をかける口実にもなります。
釣り銭を用意しておきましょう。1,000円札と小銭を十分に。両替できずに販売機会を逃すことがあります。
キャッシュレス決済の導入も検討する価値があります。現金を持ち歩かない人が増えています。スマートフォンで完結する決済サービスなら、導入も簡単です。
購入者との会話を大切にしてください。グッズを買うという行為は、応援の表明です。お礼を伝え、名前を覚えることで、関係が続いていきます。
オンライン販売への展開

会場に来られない人にも届けられる形を作りましょう。
販売プラットフォームを使うのが手軽です。ネットショップを簡単に開設できるサービスがあり、無料で始められるものもあります。
送料の設定は悩ましい部分です。実費を請求するか、商品価格に含めるか。小さなアイテムであれば、送料込みの価格にしたほうが購入されやすくなります。
梱包にも配慮したいところです。封筒に入れるだけでも構いませんが、手書きのメッセージを添えると印象が変わります。
発送の手間を軽視しないでください。注文のたびに梱包し、郵便局に行く作業が発生します。数が増えると、それなりの負担になります。
まとめて発送する運用にする方法もあります。「毎週水曜に発送します」と明示しておけば、都度対応する必要がなくなります。
受注生産サービスを使えば、この手間はなくなります。前述のとおり、単価は上がりますが、時間を音楽に使えます。
告知を継続することも忘れないでください。ショップを作っただけでは、誰も気づきません。SNSのプロフィールにリンクを置き、定期的に案内しましょう。
まとめ

ライブグッズの自作について、押さえておきたいポイントを整理します。
- 最初はステッカー、缶バッジ、ポストカードなど単価の安いものから
- 種類は2つか3つに絞る。多すぎると購入者が迷い、在庫管理も煩雑になる
- デザインはシンプルに、色数を絞る。実際のサイズで印刷して確認する
- 無料ツールの素材とフォントは、商用利用の規約を必ず確認する
- 発注はライブの2週間から1ヶ月前に。納期に余裕を持たせる
- 価格は原価の2倍から3倍が目安。買いやすい区切りの金額にする
- 小ロットから試し、追加発注できるかを確認しておく
- 会場ではステージから告知し、価格表示と釣り銭を用意する
- オンラインは受注生産サービスを使えば在庫も発送の手間もない
まずはステッカーのデザインを1つ作ってみてください。小さく始めれば、失敗しても次に進めます。
毎日配信をしても、お客さんは増えない。
告知をしても、ライブの客席は空いたまま。
新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。
それが、多くのアーティストが直面している現実です。
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