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コラム

家族で挑むステージ――“音楽活動×子ども”という新しい形

山崎

「音楽なんてやめておきなさい」

そんな言葉で、夢を止められてしまう人は少なくありません。

続けたくても、生活や将来を考えて、どこかで諦めてしまう。
音楽は、“好き”だけでは続けられない現実がある世界です。

それでも——
家族みんなでステージに立つという選択で、音楽活動を継続している「くまっけJAPAN」

音楽を通して出会い、夫婦となり、一緒に音楽を続けてきた二人。
そこに「一緒にやりたい」という子どもの一言が重なり、家族バンドという形が生まれました。

“家族でステージに立つ”という選択は、どうやって現実になったのか。
その道のりをたどります。

「一緒にやりたい」子どもの一言からすべてが変わった

もともと二人は、音楽活動を通して出会いました。
夫婦になった後も、路上ライブで生計を立てながら音楽を続けていました。

しかし出産を機に、夫婦での活動は一度終了。
生活のために別の仕事を始め、音楽から離れる時間が生まれました。

転機になったのは、久しぶりに再開した夫婦でのライブでした。
そのステージを見た長男が、こう言います。

「一緒にやりたい」

最初は、正直無理だと思ったといいます。
子どもが加われば、活動は不安定になる。
自分自身も、音楽で傷ついた経験があったからこそ、迷いもありました。

それでも、“やりたい気持ちを否定したくない”と、3人でステージに立つことを決めます。

最初は歌もできず、セリフを言うだけ。
次第に楽器に興味を持ち、その姿をみた次男も参加。

気づけば、家族バンドとしての形が自然に出来上がっていました。

解散寸前、それでも“続けたい”が止まらなかった

家族での音楽活動は順調に見えましたが、再び壁にぶつかります。

・出演料や交通費を払ってライブに出演
・家族全員での移動や準備の負担
・天候や体調に左右される子どもたち

「オフラインは限界かもしれない」
そう感じ、家族バンドの解散を決めます。

しかし、それを伝えると子どもたちは大号泣。

「どうしても続けたい。音楽で生きたい」

子供たちの意思は尊重したい、でもオフラインはあまりにも負担が大きすぎる。
そこで選んだのが、オンラインライブという新しい形でした。

オンラインライブで広がったファンと可能性

最初は配信アプリでスタート。
フォロワーは約8000人、月3万円の収益を達成。

これが家族バンドとして、初めての音楽で稼ぐ体験でした。

画面越しに視聴者がいて、コメントが届き、応援のギフトが送られる。
その一つひとつが、子どもたちにとって大きな刺激になっていきました。

どうすればギフトをもらえるのか。
どんな曲を選ぶべきか。
どのくらいのテンポで話すと伝わるのか。

試行錯誤を重ねながら、“届け方”を学んでいきます。

しかし、順調に見えたその活動も、突然終わりを迎えます。
配信アプリの規約変更で子どもの出演がNGになったのです。

「いよいよ継続は無理かもしれない」

 そう思ったタイミングで出会ったのが、オンラインライブプラットフォーム「corom(コロム)」でした。

チケットという“商品”が、フォロワーをファンに変えた

coromでのライブは、それまでの活動とはまったく異なるものでした。

チケットという形で、音楽に“価格”がつく。
つまり、「音楽で生きるなら、チケットを届け続けるしかない」という現実と向き合う環境です。

音楽で生きていきたいと願う子どもたちに、その現実を背中で示すことになりました。

それまでオフラインライブと並行して、SNSでの発信は続けてきました。
しかし、そこには大きな課題がありました。

“売るものがない”という状態です。
フォロワーはいても、あくまで“見ている人”のままでした。

しかし、coromを始めたことで「チケット」という商品が生まれます。
そこで掲げたのが、段階的な目標でした。

最初はアリーナ25席の完売。
次にスタンドを含めた55席の満席。
そして、当時史上初となる3ヶ月連続完売。

この挑戦の過程そのものを発信し続けたことで、フォロワーとの関係にも変化が生まれていきます。

ただ見ているだけの存在だったフォロワーが、一緒に目標を追いかける“ファン”へと変わっていったのです。

しかし、それだけではチケットは埋まりません。
既存のフォロワーをファンに変えていくのと同時に、まだ自分たちを知らない人にも届けていく必要がありました。

そこで取り組んだのが、1日200通のDMでした。
フォロワーとの関係を深めながら、同時に新しいお客さんと出会い続ける——
その両方を愚直に積み重ねていったのです。

決して楽な道ではありませんでしたが、その積み重ねの先に、結果がついてきました。
見事、3ヶ月連続で完売を達成。
応援の輪は確実に広がっていきました。

夢を現実に変える“続け方”——家族で進む武道館への道

現在、くまっけJAPANが掲げているのは、12月のワンマンライブ・580席の満席。
そしてその先にあるのは、子どもたちが描いた“武道館”という夢です。

遠く見えるその景色も、毎月のライブ、日々の発信——
ひとつひとつの積み重ねの延長線上にあります。

大きな夢も、分解すれば一歩の連続。
その一歩を踏み出し続けられる環境が、今の活動を支えています。

「coromを始めて、人生が変わったと思っています」

そう語るほど、その変化は大きなものでした。

チケットという“商品”を持てたこと。
学び続けられる環境があること。
同じように挑戦する仲間がいること。
場所に縛られず、家族という形でも続けられること。

「武道館に行くために必要な挑戦は何か」が見えるようになり、行動も起こせるようになりました。
その現実をつくったのは、“続けられる環境”を選んだことでした。

子どもが“やり続けられる理由”は、育て方にあった

くまっけJAPANの活動を支えているのは、環境以外にもあります。
それは、子どもたちの主体性を引き出す教育です。

「強制って、やっぱり面白くないんですよね」

やりたいと思ったことを、自分の意思で続けられる状態をつくること。
そのために実践している工夫のひとつが、「満足する手前で終わらせる」ということでした。

音楽の練習をしていても、あえて「もうちょっとやりたい」と思うところで終わらせる。
そうすることで、次への意欲が自然と生まれ、結果として“好き”が続いていく。

さらに参考にしているのが、海外の教育研究です。
最初は手厚くサポートし、徐々に手を離していく——
そのプロセスを踏むことで、長期的に成果が出やすいという考え方です。

実際に、最初の段階では親自身が動き、チケットを売っていましたが、
現在では、日々の発信も子どもたちが主体となり、自らチケットを届ける場面も増えてきました。

やらせるのではなく、できるようになるまで見せて、任せる。
その積み重ねが、「自分で考え、行動する力」を育てています。

そして——
子どもたちに今の目標を聞くと、こんな言葉が返ってきます。

「僕たちを知らない人にも届くように頑張って、580人満席で、ファンのみんなとライブがしたい」

まだ小学生とは思えないほど、自分の言葉ではっきりと夢を語り、行動しています。

まずは、一歩踏み出してほしい

「もう限界かもしれない」
「子どもがいたら無理だ」

そんな風に感じている人に向けて、くまっけJAPANはこう語ります。

「迷っているなら、まずはやってみてほしい」

うまくいくかどうかは、やってみないと分からない。
でも、やらなければ何も変わらない。

オンラインライブは、大きなリスクを背負わずに始められる選択肢のひとつです。

やってみて違うと思えば、やめればいい。
でも、やってみた経験は、必ず次につながる。

「やった分だけ、ちゃんと返ってくる場所だと思う」

その言葉には、これまで積み重ねてきた実感がにじんでいました。

coromは、音楽を諦めきれない人が、もう一度歩き出すためのステージ。
あなたも、その一歩を踏み出してみませんか。

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インディペンデントアーティスト編集部
インディペンデントアーティスト編集部
「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介するオウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。
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