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インイヤーモニターを個人で導入するための基礎知識と選び方

インイヤーモニターを個人で導入するための基礎知識と選び方
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「ステージ上で自分の声や演奏がうまく聞こえない」と感じたことはないでしょうか。

ライブ経験を積むにつれて、モニター環境の重要性に気づくアーティストは少なくありません。そこで注目されるのがインイヤーモニターです。プロミュージシャンが耳に装着している、あのイヤフォン型のモニターです。

近年は機材の価格帯が広がり、個人でも導入しやすくなっています。本記事では、インイヤーモニターの基本的な仕組みから種類・選び方・導入時の注意点まで、ステップごとに解説します。


インイヤーモニターとは?ステージモニターとの違い

stage monitor system (Photo: James Collington / Pexels)

インイヤーモニター(IEM:In-Ear Monitor)とは、演奏中に自分の音を耳で確認するためのイヤフォン型モニターです。

従来のステージモニターは、舞台前方に置いたウェッジ型スピーカーから音を返すものでした。しかしこの方式だと、会場のPA音量に引っ張られたり、ハウリングのリスクが生じたりと、音の聞き取りに限界があります。

インイヤーモニターはその課題を解決するために広まった方法です。耳に直接装着することで、外部のノイズをある程度遮断し、自分に必要な音(自分の歌声・楽器音・クリック音など)を明瞭に聞き取れます。

主なメリットは次の3点です。

– 外部ノイズを遮断し、ステージ上でも音が聞き取りやすい
– ハウリングが起きにくく、PAとのトラブルを減らせる
– 耳への負担を軽減できる(大音量のウェッジモニター不要)

一方で、完全に耳をふさぐため「ステージの空気感が感じにくい」と感じるアーティストもいます。慣れが必要な道具ではありますが、使いこなすとパフォーマンスの安定感が大きく変わります。


個人が導入できるインイヤーモニターの種類

wireless in ear monitor (Photo: Hassan OUAJBIR / Pexels)

インイヤーモニターには大きく分けて「有線型」と「ワイヤレス型」の2種類があります。

有線型(パッシブ型)

ミキサーやモニターアウトから直接ケーブルでつなぐシンプルな構成です。

機材コストが低く、ワイヤレス特有の電波干渉もありません。ただし、動き回るボーカリストには向かず、ケーブルの取り回しが制約になります。固定位置での演奏が多いキーボーディストやドラマーには選択肢になります。

価格帯の目安:イヤフォン本体のみ 5,000〜30,000円程度

ワイヤレス型(ワイヤレスIEMシステム)

送信機(トランスミッター)と受信機(ボディパック)で構成され、自由に動けるのが最大の利点です。

ボーカリストやフロントマンとして動きながら演奏するアーティストに特に向いています。ただし送受信機の費用がかかるため、有線型と比べて初期投資が大きくなります。

価格帯の目安:エントリーシステム一式で 30,000〜80,000円程度、プロ向けは10万円以上

カスタムIEM(オーダーメイド型)

耳型を採取して自分の耳の形状に合わせて製作するイヤフォンです。

フィット感・遮音性が既製品より高く、長時間のステージでも外れにくいのが特長です。価格は数万円から数十万円と幅広く、製作には2〜4週間ほどかかるのが一般的です。オーダー前に補聴器専門店や対応店舗で耳型の採取(イヤーインプレッション)が必要です。


個人が導入するときの流れと注意点

audio equipment setup (Photo: Zhengyang TIAN / Pexels)

ステップ1:自分の演奏スタイルに合ったタイプを選ぶ

まず、ライブでどれだけ動くかを基準にしてみてください。

ステージ上を動き回るボーカリストであればワイヤレス型が向いています。ほぼ定位置で演奏するアーティストや予算を抑えたい方は、有線型から始めるのもよい選択です。

ステップ2:ライブ会場のPA環境を確認する

インイヤーモニターを使うには、会場のミキサーから「モニターミックス」を返してもらう必要があります。

ライブハウスによっては対応できる回線数や設備が異なります。事前にPA担当者や会場スタッフに「インイヤーモニターを使いたい」と伝え、モニターアウトの空き状況や対応可否を確認しておきましょう。

自前の簡易ミキサー(パーソナルモニターミキサー)を持ち込む方法もありますが、セッティングに時間がかかるため、会場との調整は早めに行うとよいでしょう。

ステップ3:イヤフォン本体の遮音性を確認する

インイヤーモニターとして使うイヤフォンは、遮音性(パッシブノイズアイソレーション)が重要です。

一般的なリスニング用イヤフォンでも代用できる場合もありますが、ステージの大音量環境を想定したモニター専用モデルを選ぶほうが安心です。遮音性の目安として「-26dB」「-37dB」といった数値が製品仕様に記載されている場合は参考にしてみてください。

ステップ4:実際のリハーサルで試運転する

はじめてインイヤーモニターを使うライブは、できるだけリハーサル時間を多めに取るようにしましょう。

耳をふさいだ状態での歌い方・話し方は、慣れるまで違和感があります。自分の声が「骨伝導」で頭の中に響いて聞こえるため、歌い過ぎてしまうアーティストもいます。本番前に感覚をつかんでおくことが、パフォーマンスの安定につながります。


インイヤーモニターにまつわるよくある疑問

live performance audio (Photo: Wrld Mafia Inc / Pexels)

普通のイヤフォンやカナル型でも代用できますか?

代用は可能ですが、いくつかの点で注意が必要です。

一般的なカナル型イヤフォンでも遮音性があれば有線モニターとして使えるケースはあります。ただし、インピーダンスや音圧レベルの適合性、耐久性などはモニター専用機とは異なるため、長期的な使用やプロユースには向かない場合があります。

ワイヤレスの電波干渉が心配です

ライブ会場では他のワイヤレス機器(ギターのワイヤレスシステム、会場のマイクなど)との電波干渉が起きることがあります。

使用する周波数帯を事前に会場と確認・調整することが大切です。特に電波の混み合いやすい環境では、デジタル方式のシステムが干渉に強い傾向があります。機材の仕様書を確認し、不明な点は機材メーカーや会場スタッフに相談しましょう。

カスタムIEMはどこで作れますか?

補聴器専門店、一部の楽器店、オーディオブランドの対応店舗などで耳型採取ができます。

製作会社によって対応可能な地域や郵送での対応可否が異なります。費用や製作期間も事前に確認し、ライブスケジュールに余裕を持って依頼することをおすすめします。


まとめ

インイヤーモニターは、ステージ上での自分の音を正確に聞くための大切な道具です。個人での導入ハードルも以前より下がっており、まず有線型から試してみるというアプローチも現実的な選択肢になっています。

ポイントを整理すると、

– 演奏スタイルに合わせて「有線型」「ワイヤレス型」「カスタム型」を選ぶ
– ライブ会場のPA環境との事前調整が必要
– リハーサルで慣れてから本番に臨む

この3点を押さえて、自分に合ったモニター環境を整えてみてください。


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インディペンデントアーティスト編集部
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