ライブアンケートの取り方!ファンの声を活動に活かす方法
ライブが終わった後、「今日はどう感じてもらえたのだろう」と気になることはないでしょうか。物販で話せる人は限られており、来てくれた全員の感想を知る機会はほとんどありません。
アンケートは、その声を拾うための手段です。ただ、ただ紙を配るだけでは回答は集まりませんし、集まっても活動に活かせない内容ばかりということも起こります。
そこで本記事では、ライブアンケートの取り方を、設計から配布、集計、活用まで順を追って解説します。回答者の負担を抑えつつ、意味のある情報を得るための考え方をまとめました。
何を知りたいのかを先に決める

アンケートを作るとき、多くの人がいきなり設問を書き始めます。そこで質問が増えすぎ、回答率が下がる原因になります。
先に決めるべきは、知りたいことを1つか2つに絞ることです。目的が定まれば、必要な設問は自然と決まります。
よくある目的としては、次のようなものがあります。
演奏やセットリストへの評価を知りたい場合、印象に残った曲を尋ねる設問が中心になります。次回の構成を考える材料になります。
来場のきっかけを知りたい場合、どこで情報を得たかを尋ねます。SNSなのか、共演者経由なのか、会場で偶然知ったのか。告知の方法を見直す手がかりになります。
次につながる接点を作りたい場合、SNSのフォローや連絡先の登録を促す形になります。感想を聞くというより、関係を継続させることが目的です。
運営面の課題を知りたい場合、開演時間、会場の環境、チケットの取りやすさなどを尋ねます。自主企画のライブでは特に有効です。
目的が複数あるなら、ライブごとに焦点を変える方法もあります。毎回すべてを聞こうとせず、今回はこれ、次回はこれと分けたほうが、回答者の負担も軽くなります。
答えてもらいやすい設問の作り方

設問数は5問以内に
多くの人は、演奏の余韻に浸っているか、帰り支度をしている状態です。長いアンケートは書かれません。
紙1枚に収まり、1分程度で終わる分量が現実的です。設問は3問から5問、そのうち自由記述は1問までに抑えましょう。
選択式を軸にする
自由記述ばかりだと、書くこと自体が負担になります。選択式を中心に構成し、書きたい人だけが記入できる欄を最後に置く形が扱いやすくなります。
たとえば「印象に残った曲は?」という設問なら、当日演奏した曲名を並べてチェックしてもらう形にします。曲名を思い出して書いてもらうより、はるかに回答されます。
答えやすい聞き方にする
抽象的な質問は避けましょう。「ライブはいかがでしたか」と聞かれても、何を答えればよいか分かりません。
「今日いちばん心に残った曲はどれですか」「次に聴きたい曲はありますか」といった、具体的で答えの範囲が見える聞き方にします。
5段階評価は集計しやすい形式ですが、点数だけでは理由が分かりません。評価と自由記述を組み合わせると、内容が見えてきます。
記入項目は最小限に
名前や住所を求めると、記入のハードルが一気に上がります。本当に必要な項目だけにしましょう。
SNSのアカウント名を任意で書いてもらう程度であれば、抵抗は少なくなります。メールアドレスを集める場合は、何に使うかを明示してください。
紙とデジタルの使い分け

紙のアンケート
その場で書いてもらえるのが最大の利点です。ライブの余韻が残っているうちに回答してもらえるため、内容も具体的になります。
一方で、集計に手間がかかります。数十枚を手作業で入力する作業は、思いのほか時間を取られます。
用意するものは、印刷したアンケート用紙とペンです。ペンを十分な本数用意することが、実は回答率に効きます。書きたくても筆記具がない、という状況はよく起こります。
回収は、出口付近に箱を置く形が一般的です。物販ブースの横に置くと、自然な動線になります。
デジタルのアンケート
集計が自動化される点が大きな利点です。フォーム作成サービスを使えば、無料で作成でき、回答は自動で表計算にまとめられます。
QRコードを印刷して掲示するか、SNSでリンクを共有します。会場のスクリーンに映す方法もあります。
課題は、その場で回答してもらいにくいことです。帰宅後に回答してもらう形になると、回答率は下がります。
対策としては、その場でQRコードを読み取ってもらい、後で回答できる状態を作っておくことが有効です。
併用する
両方を用意するのが、実は最も回答が集まります。その場で書きたい人には紙を、後でゆっくり書きたい人にはQRコードを。選べる状態にしておけば、取りこぼしが減ります。
回答率を上げる工夫

アンケートを置いておくだけでは、回答は集まりません。いくつかの工夫で大きく変わります。
ステージから直接お願いするのが最も効果的です。最後のMCで「アンケートを用意しています。よければ一言いただけると嬉しいです」と伝えるだけで、回答数は変わります。
物販ブースで手渡しする方法も有効です。箱に置いてあるだけの紙より、直接渡されたもののほうが記入されます。
書く場所を用意することも忘れないでください。立ったまま書くのは大変です。テーブルがあれば、それだけで書いてくれる人が増えます。
特典を用意する方法もあります。回答した方にステッカーを渡す、抽選でチェキ撮影といった形です。ただし、特典目当ての回答が増えると、内容の質は下がる傾向があります。
回答の使い道を伝えることも効きます。「次のセットリストの参考にします」と一言添えると、意味のある行為だと感じてもらえます。
過去の反映を報告するのも有効です。「前回のアンケートで多かった曲を今日演奏しました」と伝えれば、書いても無駄ではないと理解してもらえます。
集まった声の読み解き方

回答が集まったら、読み方にも注意が必要です。そのまま受け取ると、判断を誤ることがあります。
アンケートに答えるのは熱心な層だという前提を持ちましょう。わざわざ記入してくれる人は、もともと好意的な人が多くなります。厳しい意見が少ないからといって、全員が満足していたとは限りません。
少数意見の扱いにも注意が必要です。1人の強い意見に引きずられて方向性を変えると、他の人が離れることがあります。同じ指摘が複数から出ているかどうかを見ましょう。
数を数えることから始めるのが確実です。どの曲が何票入ったか、どこで情報を知った人が何人いたか。数字にすると傾向が見えます。
自由記述はまとめて読む方法が有効です。1枚ずつ読むと個々の意見に反応してしまいますが、全部並べて読むと共通する言葉が浮かび上がります。
予想と違った点を探す視点も持ちましょう。自分が自信を持っていた曲の票が少なく、意外な曲が支持されている。そうした発見が、次の判断につながります。
批判的な意見も記録に残すことをおすすめします。読むのはつらいものですが、改善の手がかりが含まれています。感情が落ち着いてから読み返すと、冷静に受け止められます。
活動への反映のしかた

集めた声を活かさなければ、アンケートは形だけの作業になります。
次のセットリストに反映するのが、最も分かりやすい活用です。支持の多かった曲を残し、反応の薄かった曲を入れ替える。ただし、自分がやりたい曲を全部外す必要はありません。バランスの問題です。
告知方法の見直しにも使えます。来場のきっかけを集計すれば、どの経路が機能しているかが分かります。効果の薄い方法に時間をかけている場合、配分を変えられます。
MCの内容を調整する材料にもなります。話が長いという声が複数あれば、次は短くする。逆に、もっと話が聞きたいという声があれば、時間を取る判断もできます。
ファンとの関係づくりに活かす方法もあります。記入してくれた人のSNSアカウントが分かれば、こちらからフォローして関係を始められます。
反映したことを伝えるのを忘れないでください。SNSで「アンケートで多かった〇〇を次回演奏します」と発信すれば、書いた人は自分の声が届いたと感じます。それが次回の回答にもつながります。
継続して取ることで、変化が見えてきます。1回だけでは傾向が分かりませんが、数回分を並べると、活動の方向が正しいかどうかが判断できます。
個人情報の扱いで注意すること

連絡先を集める場合、扱いには責任が伴います。
利用目的を明記することが基本です。「今後のライブ情報のご案内に使用します」といった一文を、記入欄の近くに置きましょう。
目的外に使わないことは当然の前提です。ライブ情報のために集めた連絡先を、別の用途に転用してはいけません。
保管の方法にも気を配りましょう。紙のアンケートを長期間そのまま置いておくのは避け、必要な情報をデータ化したら適切に処分します。データも、パスワードのかかった場所に保管してください。
共演者や関係者と共有しないようにしましょう。イベント全体でアンケートを取る場合は、あらかじめ誰が情報を扱うかを明示する必要があります。
未成年からの回答については、特に慎重な扱いが求められます。連絡先の記入は任意とし、必須項目にはしないほうが無難です。
削除の依頼に応じる体制も持っておきましょう。連絡先を消してほしいという要望があれば、速やかに対応します。
信頼を得るのには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。丁寧に扱う姿勢が、長い関係につながります。
まとめ

ライブアンケートの取り方について、押さえておきたいポイントを整理します。
- 設問を書く前に、知りたいことを1つか2つに絞る
- 設問は3問から5問、自由記述は1問まで。1分で終わる分量にする
- 曲名を並べてチェックしてもらうなど、選択式を軸に構成する
- 紙とデジタルを併用すると回答の取りこぼしが減る
- ステージから直接お願いすることが、回答率に最も効く
- 書く場所とペンを用意しておく
- 回答者は熱心な層に偏る前提で読み、複数から出た指摘を重視する
- 反映したことを発信すると、次回の回答につながる
- 連絡先を集める場合は利用目的を明記し、目的外に使わない
まずは次のライブに向けて、設問を3つだけ書き出してみてください。それだけでも、これまで見えなかった声が集まります。
毎日配信をしても、お客さんは増えない。
告知をしても、ライブの客席は空いたまま。
新しい曲を作っても、誰にも届かない。
努力はしているのに、ほとんどの人が報われない。
それが、多くのアーティストが直面している現実です。
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