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スタジオミュージシャンになるには?必要なスキルや具体的な行動を解説

chihiroblog

スタジオミュージシャンは、アーティストの楽曲制作や、レコーディング、ライブのバック演奏などを担当するプロの音楽家です。楽器をしている人にとっては憧れの職業の一つですが、その道は決して簡単ではなく、高い演奏技術や音楽理論の知識、人脈作りなどが求められます。

実際、スタジオミュージシャンになりたくても「どうすればスタジオミュージシャンになれるのか」「どんなスキルや知識が必要なのか」といった疑問を持つ人も、少なくないでしょう。

そこで本記事では、スタジオミュージシャンになるための方法や必要なスキル、具体的な行動について詳しく解説します。スタジオミュージシャンを目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。

スタジオミュージシャンとは?

まずは、スタジオミュージシャンとはどのような仕事なのかを、具体的に理解しておきましょう。これらを理解しておくことで、自分の目指すべきスタイルや行動が変わるからです。

それでは、スタジオミュージシャンの主な仕事内容や働き方、収入などについて解説します。

主な仕事内容

スタジオミュージシャンは、アーティストやプロデューサーの要求に応じて演奏を提供する仕事です。主な仕事には、アーティストのレコーディングへの参加、ライブなどでのバック演奏、CMや映画音楽の演奏などが含まれます。

スタジオでのレコーディングから、ツアーへの同行など幅広いシチュエーションでの演奏が求められるため、その分必要なスキルもさまざまです。

働き方・収入

スタジオミュージシャンはフリーランスで活動するケースが多いため、収入は固定給ではなく、案件一つひとつに対して報酬が発生します。

平均年収は仕事の頻度や知名度によって大きく異なりますが、180万~300万円ほどです。月収に換算すると15万~20万円程度になります。

知名度が上がり、業界での実績を積めば高収入を得ることも可能ですが、専業のスタジオミュージシャンとして生活するのは容易ではありません。

そのため、多くのスタジオミュージシャンは、音楽教室でのレッスンや作編曲の仕事などを兼業しているのが現実です。特に、最近ではYouTubeやSNSを活用し、自身のブランディングやレッスンにつなげるケースが増えています。

スタジオミュージシャンに向いている人の特徴

スタジオミュージシャンになれるかは、演奏技術などのスキルに加え、性格などさまざまな要因が影響します。スタジオミュージシャンに向いている人の特徴を3つ紹介するので、参考にしてください。

演奏技術が高い人

スタジオミュージシャンにとって、高度な演奏技術は必須です。レコーディングでは、少ないテイクで正確に演奏することが求められるため、音の粒を揃える技術や、リズム感が欠かせません。

また、幅広いジャンルに対応できる能力も必要です。ロック、ポップス、ジャズ、クラシックなど、さまざまなスタイルに適応できる柔軟性が求められます。

地道な努力が得意な人

スタジオミュージシャンは、一朝一夕で成功できる職業ではありません。成功するまでに時間がかかることも多いため、成果が出なくとも日々の練習を欠かさず、一歩ずつ積み重ねていける人が向いています。

また、スタジオミュージシャンは仕事の機会が限られており、成功するためには地道に人脈を築く努力が大切です。そのため、練習に限らず、ビジネス面においても地道な努力ができる人ほど成功しやすいでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

スタジオミュージシャンの仕事は、チームワークが非常に重要です。レコーディングやライブでは、プロデューサー、エンジニア、アーティストと連携しながら仕事を進めていくため、円滑なコミュニケーションが欠かせません。

例えば、レコーディング中にはさまざまな指示を受けることがあります。このとき、指示の意図を正しく理解し、すぐに反映できる柔軟さが必要です。

また、人間関係も仕事の継続に大きく影響します。スタジオミュージシャンはフリーランスで活動する人が多く、現場での評判が次の仕事に繋がることも少なくありません。遅刻や態度の悪さは、仕事を失う原因になりやすいため、礼儀やマナーを大切にできる人が向いています。

スタジオミュージシャンになるには?4つの方法

スタジオミュージシャンになるために、明確な「資格」や「試験」があるわけではありません。そのため、どのようにキャリアを築くかは人それぞれです。

しかし、一般的にスタジオミュージシャンになるには、以降で解説する4つの方法が考えられます。

1. 音楽学校に通う

音楽学校や専門学校に通うことは、演奏技術の向上や音楽理論の習得、人脈作りにおいて非常に有効な手段です。

音楽学校では、一流の講師から直接指導を受けられ、個人で練習するよりもはるかに効率的に演奏技術が上達します。また、アンサンブルの授業やライブパフォーマンスの機会も多く、スタジオミュージシャンに必要な即興演奏やアンサンブル能力を鍛えることが、可能です。

さらに、音楽学校には音楽業界との繋がりを持つ講師や卒業生が多く在籍しているため、業界の内部情報を得たり、オーディションや仕事の紹介を受けたりするチャンスもあります。

2. 音楽プロダクションに就職する

音楽プロダクションに就職することで、スタジオミュージシャンとしての仕事を得るチャンスが増えます。

特に、自分で仕事を探す手間が省けることや、安定した仕事を得やすいことが音楽プロダクションに就職するメリットです。また、プロダクションを通じて個人ではつながるのが難しいような、有名アーティストと仕事をする機会が得られる可能性もあります。

しかし、プロダクションに就職するには、最初から一定の演奏技術や実績が求められるため、ハードルは決して低くはありません。

3. 著名なスタジオミュージシャンに弟子入りする

著名なスタジオミュージシャンへの弟子入りは、スタジオミュージシャンに必要なスキルや、業界のノウハウを直接吸収できる有効な手段です。

弟子入りすることで、レコーディング現場やライブの裏側を体験でき、技術面だけでなくプロとしての心構えや立ち居振る舞いを学べます。また、師匠のコネクションを通じて、アシスタントとして小さな仕事をもらえる可能性もあるでしょう。

ただし、弟子入りを認めてもらうためには、演奏技術を認めてもらったり良好な人間関係を築いたりと、地道な努力が必須です。

4. フリーランスとして活動を始める

近年では、SNSやYouTubeを活用して自身をアピールし、フリーランスとして活動を始める人も少なくありません。

SNSに投稿した演奏動画をきっかけに、プロデューサーやアーティストから直接オファーが来ることもあり、上手く行けば短期間でスタジオミュージシャンの仕事を獲得できるでしょう。

ただし、フリーランスとして成功するためには、演奏技術だけでなく、セルフプロモーション能力やネットワーク構築能力も必要になります。

スタジオミュージシャンになるために必要な能力・スキル

スタジオミュージシャンとして成功するためには、単に楽器が弾けるだけでは不十分です。現場で求められるスキルを理解し、それらを磨いていくことが重要になります。

スタジオミュージシャンになるために必要な能力・スキルを5つ紹介するので、参考にしてください。

高い演奏技術

スタジオミュージシャンにとって最も重要なのは、高い演奏技術です。レコーディングやライブサポートでは、一発で正確に演奏するスキルが求められます。

他にも、音楽のジャンルや編成に応じてアレンジができたり、演奏のニュアンスを変えたりできることも重要です。

また、近年では自分らしい音や演奏スタイルを持つことも重要視されています。スタジオミュージシャンは、単に「正確に演奏する人」ではなく、楽曲に個性や深みを加える存在であることを覚えておきましょう。

豊かな表現力

楽曲には必ず、アーティストが伝えたいメッセージや感情が含まれています。そのため、スタジオミュージシャンには、楽曲に込められた思いを理解し、表現する能力が必須です。

例えば、バラードなら繊細なタッチ、ロックなら力強いグルーヴ感、などジャンルごとに表現を使い分ける必要があります。楽曲の雰囲気を理解し、的確に表現する能力がなければ、どれだけ技術が高くても「使いづらいプレイヤー」と判断されてしまうでしょう。

また、レコーディング中にアーティストから「〇〇のイメージで」のように具体的な指示を受けることもあり、こうした指示を演奏に反映できる技術も求められます。

音楽の知識

スタジオミュージシャンには、幅広い音楽知識が必要です。

例えば、コード進行やスケールなどの知識は、楽曲のアレンジや即興演奏に欠かせません。また、初見で譜面を読んで演奏しなければならないこともあるため、スムーズに譜面を理解できる「読譜力」も必要です。

さらに、楽曲のイメージ共有やアレンジの参考に、さまざまなアーティストや楽曲に精通していることも重要視されます。

レコーディング技術

スタジオミュージシャンは、レコーディングの流れや技術について、理解しておく必要があります。

例えば、マイクの立て方や音作りについての知識を持っておくと、エンジニアとのコミュニケーションがスムーズになりますし、良い音作りにもつながるでしょう。

また、レコーディングの工程や専門用語を理解しておくことで、レコーディングをより円滑に進められます。

コミュニケーション能力

スタジオミュージシャンは単独で仕事をするわけではなく、バンドメンバーやエンジニア、プロデューサーと一緒に音楽を作る仕事です。そのため、コミュニケーション能力が非常に重要になります。

例えば、レコーディングのディレクションに的確に対応する力や、他の演奏者と息を合わせる協調性が必要です。

また、人脈の広がりが仕事につながる可能性も多いため、安定して仕事を得るには日頃から関係者と良好な関係を築くことも重要になります。

スタジオミュージシャンになるには?具体的な行動

スタジオミュージシャンになりたくても、具体的にどう行動すれば良いかわからない人も多いでしょう。そこでここからは、スタジオミュージシャンを目指すための、具体的な6つの行動について解説します。

楽器演奏の技術を高める

スタジオミュージシャンとして活躍するためには、高い演奏技術が絶対条件です。ただし、単に速弾きや難しいフレーズを弾けるだけでは不十分で、クリック(メトロノーム)に正確に合わせて演奏できる能力や、指示されたフレーズを即座に演奏する能力が求められます。

また、幅広い音楽ジャンルに対応できることも重要です。ポップス、ロック、ジャズ、ファンク、R&Bなど、さまざまなジャンルのフレーズを練習し、そのスタイル特有のニュアンスを理解しておきましょう。

さらに、スタジオ環境での演奏に慣れることも大切です。自宅録音を行い、自分の演奏を客観的に聞き直すなど、日頃からピッチのズレやリズムに厳しくなりましょう。

音楽理論を勉強する

スタジオミュージシャンには、演奏力だけでなく音楽理論の知識も求められます。仕事によっては演奏するフレーズが決まっておらず、現場でスタジオミュージシャンとアーティストが一緒にアレンジしながら、曲を作り上げていくこともあるからです。

コード理論、スケール、リハーモナイズ、読譜力など、現場に必要な知識は必ず身につけておきましょう。

音楽制作技術の勉強をする

近年、スタジオミュージシャンには、演奏スキルだけでなく、録音やミキシングなどの音楽制作スキルも求められるようになっています。

そのため、最低でもレコーディングの工程やレコーディングで使われる専門用語、主要なDAWの操作方法などは理解しておきましょう。

また、自宅でレコーディングができる環境を整えておけば、リモートでの仕事を受けられ、仕事の幅が広がります。

音楽業界について勉強する

スタジオミュージシャンになるには、音楽業界について理解しておくことも大切です。音楽業界の知識がないと、相場より安く仕事を振られて損をしてしまったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性があります。

音楽制作の流れや音楽制作に携わるスタッフの業種、ミュージシャンの契約形態、音楽著作権など、基本的な内容は一通り理解しておきましょう。

レコーディング現場に参加できる機会を探す

レコーディング現場への参加は、実践的なスキルを学ぶのにこれ以上ない練習です。知人のアーティストや対バン相手などに積極的に声をかけ、できるだけ多くの現場を経験しましょう。

最初は見学だけや、無償でのレコーディングへの参加で大丈夫です。ただし、演奏するなら、報酬をもらわないからといって手を抜いてはいけません。

無償で参加したレコーディングでも、良い演奏をすれば次回から仕事として依頼を受けられる可能性があるので、全力で取り組みましょう。

イベントやライブへ積極的に参加する

スタジオミュージシャンの仕事は、人脈によって生まれることが多いため、積極的に音楽業界のイベントやライブに参加し、人脈を築きましょう。

特にセッションイベントなど、自身の演奏力を伝えやすいイベントは、仕事につながる可能性が高いです。

スタジオミュージシャンになる前に知っておくべき注意点

スタジオミュージシャンとして、安定して仕事を得るのは簡単ではありません。知名度や実績がないうちは厳しい状況が続く場合も多く、事前にその現実を理解しておくことが重要です。

ここでは、スタジオミュージシャンとして活動する際に知っておくべき注意点を、4つ紹介します。

知名度が低いうちは収入が低い

スタジオミュージシャンとして仕事を得るには、業界内での知名度や信頼が必要です。そのため、知名度が高くなるまではなかなか安定した収入を得られず、アルバイトや他の仕事と掛け持ちしている人も少なくありません。

特に、最初のうちは仕事が単発のものばかりで、毎月安定した収入を得られるとは限らないため、他の仕事との掛け持ちはほぼ必須です。

レッスン講師やYouTubeでの広告収入、場合によっては音楽に関係のないアルバイトをするなど、柔軟に働き方を工夫しましょう。

少しのミスで仕事を失う可能性が高い

スタジオミュージシャンの仕事はライバルが多いため、少しのミスでも仕事を失う可能性があります。

遅刻や納期の遅れなど、全ての仕事に通じるミスはもちろん、演奏ミスなどでも仕事を失う可能性があるので注意が必要です。

基本的なミスをしないことはもちろん、プロとして仕事をしている自覚をもち、事前に入念な準備を行うなどクオリティを落とさないよう努力しましょう。

仕事が途切れやすい

スタジオミュージシャンの仕事は、特定のアーティストやプロジェクトに長期間固定されることが少なく、単発の案件が中心です。そのため、仕事が急に途切れてしまうケースも珍しくありません。

特に、新しい仕事を探す手段を持っていないと、次の仕事が決まるまで無収入の期間が続くリスクがあります。

仕事を途切れさせないためには、一度仕事をしたクライアントと継続的な関係を築いたり、常に複数のクライアントと仕事を進めたりしましょう。

他にも、幅広いジャンルの演奏スキルを身につけて仕事の幅を広げる、自ら仕事を獲得するための営業力を高める、といった手段も有効です。

時代的に需要が落ちている

近年、スタジオミュージシャンの需要は減少傾向にあります。主な理由は、CDの売上が落ちてレコーディングの機会が減少していることや、ボーカロイド・DAWの発達で楽器を弾けなくても音楽が作れるようになったことなどです。

これにより「ただ楽器が上手いだけ」のミュージシャンは厳しい立場に置かれており、スタジオミュージシャンにもオリジナリティが求められる時代になっています。

これからの時代をスタジオミュージシャンとして生き残るためには、機械にはできない独自の表現力を追求したり、SNSやYouTubeなどの発信を通して自身のブランドを確立したりすることが必要です。

スタジオミュージシャンになるには地道な努力が欠かせない

本記事では、スタジオミュージシャンの働き方や必要なスキル、スタジオミュージシャンになるための具体的な方法などについて、解説しました。

スタジオミュージシャンは、楽器演奏者の多くが憧れる職業ですが、収入が不安定だったり求められる能力が多かったりと、決して簡単な仕事ではありません。

スタジオミュージシャンになるには、演奏技術を高めることはもちろん、他のさまざまな能力も高め、地道に人脈を築く必要があります。

本記事で解説した内容を参考に、自身に足りないものを見極め、コツコツと努力を続けましょう。

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インディペンデントアーティスト編集部
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「私たちは音楽を諦めない」というビジョンを掲げ、多様なジャンルのインディペンデントアーティストたちを紹介するオウンドメディアを運営しています。新たな才能を発掘し、アーティストの創造性を全面的に支援することで、音楽の新しい形を創り出しています。マイクロライブ空間アプリ「コロム」運営。
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