企画ライブとは?自分でライブイベントを企画する方法を徹底解説!
ブッキングライブに慣れてくると、今度は「自分たちでライブを企画したい」と考える人も多いでしょう。
そこで本記事では、企画ライブの概要や企画方法について詳しく解説します。
企画ライブとは
ライブハウスによって出演者やライブのコンセプトが決められているライブに対して、自分たちで出演者を決め、ライブハウスを借りて行うライブを「企画ライブ」といいます。
CD発売を記念して行う「レコ発ライブ」やMVの発表記念、結成の周年記念など、何かを祝うタイミングで企画されることが多いです。
しかし、開催のタイミングなどはすべて自分たちで決めることができるため、特別な意味合いがなくとも企画ライブをするアーティストもいます。
企画ライブのメリット・デメリット
企画ライブにはメリットとデメリット、両方の側面があります。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。
メリット
企画ライブのメリットは、なによりも「すべて自分たちで決められる」ということです。
出演者やライブハウス、ライブの日程、タイムテーブルなどその企画に関わることはすべて、主催アーティストが決められます。
ライブハウスによるブッキングライブは、知らないアーティストとライブをすることも多く、当日になってから「あんまりこのバンドとは合わないな」など、不満を感じることもありますが、企画ライブならそうした心配はありません。
最初から自分たちの企画に合ったバンドを誘うことができるので、楽しいイベントになることが多いでしょう。
デメリット
「すべて自分たちで決められる」という自由さはメリットではありますが、その分企画のための準備も自分たちでする必要があり、ブッキングライブより手間がかかることが、企画ライブのデメリットです。
出演者への声掛けはもちろん、ライブハウスをおさえたり、タイムテーブルの計画もしたりしなければなりません。
またブッキングライブに比べて、負担しなければならない費用も多い傾向にあります。
ライブを企画する方法を徹底解説!
ここからは、具体的に企画ライブをするための手順を解説。
実際に自分たちのライブを企画し始める前に、全体の流れを確認しておきましょう。
コンセプトを決める
一番初めに決めるべきなのは「企画のコンセプト」です。
「レコ発ライブ」「周年記念イベント」「同じジャンルのバンドの交流会」など、その企画ライブはなんのために開催されるのかをはっきりさせておきましょう。
ライブ自体に特別な意味合いがない場合は、最低でも音楽ジャンルを決めておくと企画しやすくなります。
ライブスケジュールを決める
ライブのスケジュールは、できるだけ企画の早い段階で決めておくのがおすすめです。
出演バンドやライブハウスを決めてから日程の調整をし始めると、出演できないバンドが出てきたりライブハウスの予約が取れなかったりします。
「絶対に誘いたいバンドがいる」「絶対にこのライブハウスがいい」といったことがなければ、先に日程を決めておいた方が良いでしょう。
イベントにかかる費用を見積もる
費用の計算は、ライブを企画するうえでとても大切なことです。事前にだいたいの費用を見積もっておきましょう。
考慮しなければならない費用は、ライブハウスのレンタル代と出演バンドに支払うギャラや交通費、フライヤーの印刷代などです。
場合によっては出演バンドへのギャラと交通費は支払わないこともあります。バンド同士の関係性にもよるので、声をかける段階でギャラはなしでもいいかなど、相談しておきましょう。
ライブハウスを決める
ライブのコンセプトやスケジュールが決まったら、ライブハウスを予約します。
ライブハウスを決めるときのポイントはいくつかありますが、特にこだわりがなければいつも出演しているライブハウスを選ぶのがおすすめです。
雰囲気がある程度わかっており、スタッフとのコミュニケーションも取りやすいので企画しやすいでしょう。
他にはレンタル料や立地、レンタルできる機材から選ぶ場合もあります。
ライブハウスを予約する
借りたいライブハウスが決まったら早速予約を取りましょう。
人気のライブハウスや土日祝日にレンタルする場合は、予約が埋まりやすいのでできるだけ早く予約するのがおすすめです。
予約の取り方は電話やネットなど、ライブハウスによって異なります。
詳しくライブハウスの借り方を知りたい、という方はこちらの記事をご覧ください。
【ライブハウスの借り方】ライブの企画方法から必要な費用まで詳しく解説
出演バンドを選ぶ
ライブハウス選びと同じタイミングで決めておきたいのが、出演バンド。ワンマンライブの場合は不要ですが、それ以外なら共演バンドは必須です。
バンド数は3〜6バンドほどを目安に、ライブハウスのレンタル時間に合わせて調整しましょう。
また出演バンドかライブハウス、どちらを先に決めるかは主催者によりますので、優先したい方を先に決めてください。
ライブの詳細を決める
ここまでで企画ライブの大体の事柄は決めることができました。あとは細かいポイントを決めていきましょう。
具体的には以下の3つです。
- チケットノルマ
- キャンセル代
- タイムテーブル
チケットノルマを決める
ライブハウスのレンタル代と出演バンドが決まった時点で、企画にかかる費用もある程度決まっていると思います。
ですので費用の総額から、チケット代と各バンドのチケットノルマを決めましょう。
ブッキングライブとは違い、企画ライブでは主催者がすべての費用を負担し、チケットノルマは課さないこともあります。
キャンセル代を決める
ライブ開催日間近になってから、どうしても出演できないバンドが出てくることもあります。
そうなるとキャンセルしたバンド分のチケットノルマが足りなくなり、損害がでる可能性も。
こうした事態を避けるため、事前にキャンセル代とキャンセル代がかかる期日を決めておくのがおすすめです。
また、やりとりの内容は書面やメールで残しておくとトラブル防止につながります。
タイムテーブルを決める
ライブハウスのレンタル時間と出演バンドが確定したら、タイムテーブルを決めましょう。
企画ライブでは、主催者が一番最後に出演することがほとんどですので、それ以外の出演順を決めます。
特に一番最初の出演者は、その後の企画全体の雰囲気に繋がるためとても大切です。しっかりと考えてタイムテーブルを組みましょう。
告知、集客をする
企画の詳細も決まったら、最後は告知をしましょう。どれだけいい企画でも、しっかりと告知をしておかなければお客さんは来てくれません。
主催者のSNSはもちろん、各出演バンドにも告知をお願いしたり直接知人にメッセージを送ったりするなど、できるだけ多くの人に企画を知ってもらいましょう。
ライブの企画はどれくらい前からするべきか
少なくとも3〜4ヶ月ほど前には、企画し始めるのがおすすめです。
ライブの企画にはライブハウスの予約や出演バンドへの連絡といったさまざまな工程が必要ですし、企画の準備と並行して自分たちの演奏の練習も必要になります。
また、ライブハウスの予約が埋まってしまっている可能性や誘いたいバンドの予定が空いているかなどを考えると、できるだけ早く企画し始めたほうが確実です。
企画ライブでライブハウスを選ぶポイント5つ
企画ライブを成功させるためには、良いライブハウスを選ぶことが大切。
ここではライブハウスを選ぶポイントを5つ解説します。
1.キャパシティ
キャパシティは、できるだけ自分たちが集客できる予定の人数と同じ規模になるようにしましょう。
キャパシティが大きすぎると客席がガラガラになってしまいますし、小さすぎるとせっかく来てくれるはずだったお客さんが入れなくなってしまいます。
自分たちの普段のライブの動員数や各バンドの集客予定人数を確認し、できるだけちょうどよい規模のライブハウスを選びましょう。
2.アクセス
出演者視点でライブハウスを探していると、どうしてもレンタル料金や機材が充実しているかなどに注目してしまいます。
しかし、ライブを見に来てくれるお客さんの視点で考えると「アクセス」もとても重要なポイント。アクセスが良ければそれだけお客さんも気軽にライブを見にいけるので、集客率が上がる可能性があります。
できるだけ駅に近いところなど、立地も意識するようにしましょう。
3.料金
せっかくライブをするなら利益を出したいですよね。集客率を上げればそれだけ利益も出しやすくなりますが、同時に費用を削減することも大切です。
ライブハウスのレンタル料は、企画にかかる費用のなかでも大部分を占めるので、費用を抑えたいならできるだけ安い場所を探すようにしましょう。
4.ステージの広さ
ステージの広さはライブのクオリティに大きく影響します。特に出演バンドのなかにメンバーの多いバンドがいる場合は要注意。
どのバンドも気持ちよく演奏できるスペースが確保できるか、一度下見しておくのがおすすめです。
5.楽屋の広さ
楽屋の広さも、忘れがちですが快適にライブをするためには大切な要素。
楽器の多いバンドや、衣装がかさばるバンドがいる場合などは、通常より広めの楽屋が必要です。
下見の段階で、ステージと一緒に広さを確認しておきましょう。
企画ライブで出演バンドを募集する際の注意点
ワンマンライブではない場合、企画ライブでは他の出演バンドを募集する必要があります。しかし何も考えずに募集してしまうと、思わぬトラブルに発展してしまう可能性も。
出演バンドを募集する際の注意点を解説しますので、参考にしてください。
コンセプトに合っているかを確認する
誘おうとしているバンドが、企画のコンセプトに合っているかは必ず確認するようにしましょう。
どれだけ仲の良いバンドや演奏の良いバンドでも、コンセプトに合っていないと企画全体の雰囲気が崩れてしまいます。
コピー企画の場合、曲がかぶらないようにする
企画のなかには、コピー曲に限定した企画ライブもあります。このような企画で注意するべきは「曲がかぶってしまう」こと。
なかでも、特定のバンドに限定した企画ライブでは曲がかぶりやすいです。
同じ曲でもアレンジの違いを楽しみたい、といった場合は大丈夫ですが基本的には曲がかぶらないよう、事前に演奏曲を確認しておいたほうが良いでしょう。
ネットでの募集は要注意
企画ライブではネットで出演バンドを募集することもありますが、ネットで募集すると「人柄がわかりにくい」「音信不通になる可能性がある」といったリスクがあります。
ライブまでに一度直接会ったり、ビデオ通話で顔を確認したりするなど、できるだけお互いの人となりを確認しておくのがおすすめです。
ライブを企画するには、正しい準備が必要
企画ライブは、その自由さが魅力のライブ。しかし自由度が高い分、主催者が決めなければいけないことも多く、また費用などの負担も大きいことが特徴です。
そのためしっかりと準備をしておかないと、あまり良いライブにならなかったり思わぬトラブルが発生したりする可能性もあります。
本記事を参考に、しっかりと準備をしたうえでライブを企画するようにしましょう。