インディペンデントミュージシャンとは?意味や有名アーティストを解説
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2010年代後半から、SNSやストリーミングサービスの普及に伴い、音楽業界ではさまざまな変化が起こっていることをご存知でしょうか?
なかでも「インディペンデントミュージシャン」及び「インディペンデントアーティスト」の増加は、ここ数年多くの注目を集め、個人で活躍するミュージシャンの追い風となっています。
インディペンデントミュージシャンとは?
インディペンデントミュージシャン(インディペンデントアーティスト)とは、大手の芸能事務所やメジャーレーベルには所属せず、独立して活動を行うアーティストのこと。
SNSでのバズリをきっかけに有名になることが多く、なかには億を超える再生回数を記録するアーティストも存在します。
活動形態は、弾き語りやトラックにのせて歌うソロミュージシャンから、バンド、DJグループなどさまざま。
また、顔出しをしていないアーティストも多く、これまでのミュージシャンとは活動方法が大きく違うことが特徴です。
最近ではミュージシャンに限らずに総称として「インディペンデントアーティスト」と呼ばれることが多いです。
インディペンデントミュージシャンが急拡大した理由
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なぜ、ここ数年でインディペンデントミュージシャンという活動方法が急拡大したのでしょうか?
考えられる要因を詳しく見ていきましょう。
SNSの普及で個人が有名になる機会が増えたから
1つ目の大きな要因は「SNSの普及」です。
これまでメディアの中心であったテレビなどは、芸能事務所やレーベルに所属していないとなかなか出演する機会がありませんでした。
しかし、SNSが世界中で登場し普及したことで、インディペンデントミュージシャンのような、独立した活動を行っている人たちが有名になりやすい環境が生まれ始めました。
ストリーミング市場が急拡大したから
SNSの普及とともに、インディペンデントミュージシャンの大きな力となっているのが「ストリーミング市場の急拡大」です。
今では当たり前のように使われているApple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスですが、本格的に発展したのは2010年代後半。
ストリーミングサービスの登場直後は配信楽曲数が少なく、また「CDに比べて儲からない」イメージが強かったため、ストリーミングサービスを中心に活動を行うミュージシャンはほとんどいませんでした。
しかし、時間の経過とともに利用者数が増加したことや、ストリーミングは儲からないというイメージが塗り替えられたことで、ストリーミング市場は急拡大。
すでに述べたSNSの普及と合わせて、独立して活動するミュージシャンの追い風となり、数多くのインディペンデントミュージシャンが誕生するきっかけになりました。
代表的なインディペンデントミュージシャン4選
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ここでは、代表的なインディペンデントミュージシャンを4組ご紹介します。
実際に活躍するミュージシャンを知ることで、インディペンデントミュージシャンの可能性をより理解できるでしょう。
Tani Yuuki
19998年、神奈川県出身のシンガーソングライター。
トラックメイクも自身で行っており、繊細で丁寧な歌声が特徴です。
2020年にリリースした曲『Myra』が、TikTokで大きな反響を呼びました。
その前から戦略的にSNSを活用していたわけではなく、『Myra』がTikTokで初めての投稿だそうです。
代表曲は『W / X / Y』、『Myra』 など。
yama
2018年から活動を開始した歌手。
初のオリジナル曲である『春を告げる』がTikTokで話題になり、ストリーミング累計再生回数は1億回を突破しています。
YouTubeチャンネルの「THE FIRST TAKE」や音楽番組「ミュージックステーション」への出演など、メディアでの活動も多数。
楽曲『色彩』は、少年ジャンプ+で連載中の人気マンガ『SPY×FAMILY』の、アニメエンディング主題歌として使用されています。
代表曲は『春を告げる』、『a.m. 3:21』 など。
HoneyWorks
作曲を担当するGom、shitoとイラストレーターのヤマコのほか、多数のサポートメンバーで構成されたクリエイターユニット。
ニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトを中心に活動しており、関連動画の総再生回数は10億回を超えています。
小説の原案作成や他アーティストへの楽曲提供、アニメテーマソングの担当など非常に幅広い活動が特徴的です。
代表曲は『可愛くてごめん(feat.かぴ)』、『テレカクシ思春期』など。
Ichika Nito
ギターを中心としたインスト曲を数多く制作しているミュージシャンで、2023年8月時点でのYouTube登録者数は243万人を超えています。
日本国内だけでなく海外からの評価も高く、ギターメーカーのIbanezからはシグネチャーモデルも販売。
ギターインストという珍しいジャンルでありながら、幅広い音楽ファンから人気を集めており、音楽番組にも多数出演しています。
代表曲は『The World is still Beautifu』『Picturesque』など。
インディペンデントミュージシャンをテーマにした番組も
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インディペンデントミュージシャンの活動領域は、SNSだけではありません。
最近ではインディペンデントミュージシャンをテーマにしたテレビ番組や、イベントも数多く開催されています。
フジテレビ『M_IND』
フジテレビは2023年7月11日より、インディペンデントミュージシャンにスポットを当てた新感覚の音楽番組『M_IND』を放送しています。
放送内容は、熱狂的な指示を集めるインディペンデントミュージシャンをピックアップし、ライブパフォーマンスやトークを交わすというもの。
これまでのテレビ番組は大手レコード会社に所属するアーティストがほとんどだったため、インディペンデントミュージシャンにスポットを当てることで、SNSやサブスクでヒットしている音楽と地上波で流れる音楽の断絶をなくすことが期待されています。
Independent Artist Awards by TuneCore Japan
『Independent Artist Awards』は、国内最大のインディペンデント音楽配信流通サービスである、TuneCore Japanが開催したイベントです。
2023年6月9日に開催され「全ての音楽配信ストアでこの10年間最も再生された楽曲を表彰する部門」や「全ての音楽配信ストアで最も再生されたアーティストを表彰する部門」など、部門ごとに数多くのアーティストが表彰されました。
インディペンデントミュージシャンのメリット
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これまでのミュージシャンはレコード会社や事務所、プロダクションに所属することが当たり前でした。しかし、こうした活動形態は所属している団体からの仕事をもらえなくなったときに収入が途絶えてしまうリスクが高いことが問題です。
インディペンデントミュージシャンなら、独立した活動によりさまざまな仕事相手と関係を持つことができるため、リスクを下げることができます。
また仲介となる会社がいないことで、従来の活動形態より高い収入が得られる可能性も。
レコード会社や事務所に所属しないと活動の幅が広がらないという意見もありますが、最近はSNSが普及したことで、こうした懸念も払拭されつつあります。
インディペンデントミュージシャンとして成功するためのポイント
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インディペンデントミュージシャンの可能性が広がっているとはいえ、誰でも成功できるわけではありません。
インディペンデントミュージシャンとして成功するために押さえておくべきポイントを解説したので、ぜひ参考にして下さい。
営業活動をしっかりとする
当たり前ですがSNSで発信活動をしているだけでは、自身の作品を聴いてもらえる可能性は低いでしょう。
より多くの人に活動を知ってもらうためには、営業活動が欠かせません。具体的には、新曲のリリース時やMVの公開時に音楽ニュースを扱うメディアにメールを送るなど。
その際もメールタイトルをわかりやすくしたり、載せるべき情報を網羅したりするなど細かい部分にも気をつけるようにしましょう。
権利や表現に関する規制を学ぶ
レコード会社や事務所に所属せずに活動する以上、権利や表現に関する規制は自身で確認しなければいけません。
例えばカバー楽曲の場合、JASRACやNexToneなどのホームページから著作者情報を登録する必要があります。
またタイトルや歌詞に暴力的・性的など露骨な表現が含まれている場合には、ストリーミングサービスでの配信時に登録が必要です。
SNSやディストリビューションサービスを戦略的に使う
大手レコード会社などに所属していない以上、テレビ番組やCM、有名音楽雑誌などで知名度を上げることは難しいでしょう。そのため個人でも手軽に利用できるSNSを戦略的に使う必要があります。
また、各音楽ストリーミングサービスへの配信を代行してくれる「ディストリビューションサービス」を利用することでインディペンデントミュージシャンでも、手軽にプロと同じフィールドで楽曲配信を行うことができます。
音楽系の団体に所属し、情報を得る
自分に適した音楽系の団体への所属も、インディペンデントミュージシャンには大切なことです。
独立した活動を行っていると自由な反面、業界内での繋がりが作りにくくなります。なんらかの団体に所属し、業界内の情報を集めたりいざというときに相談できる人を作ったりしておくと、活動の助けになるでしょう。
インディペンデントミュージシャンの可能性は広がり続けている
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インディペンデントミュージシャンという活動形態は歴史が浅く発展途上のため、これまでの手法が通用しない場面も多くあります。
しかし、これまでは日の目を見ることのなかったようなアーティストが有名になる確率が高まっていることも事実。
自分なりの活動方法を模索し工夫し続け、自分の力で可能性を広げていきましょう。